世界短編傑作集(1) の商品レビュー
ミステリファンならば…
ミステリファンならばこのシリーズはマストアイテム! 古臭さは感じますが必読でしょう。
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江戸川乱歩の序に始ま…
江戸川乱歩の序に始まり、往復書簡形式のユーモラスな『人を呪わば』、ゴミから真相を探り出す『レントン館盗難事件』、ややシリアスな『医師とその妻と時計』、安楽椅子探偵隅の老人が活躍する『ダブリン事件』、天才科学者が脱獄に挑む『十三号独房の問題』、迷探偵が不思議な事件に遭遇する『放心家...
江戸川乱歩の序に始まり、往復書簡形式のユーモラスな『人を呪わば』、ゴミから真相を探り出す『レントン館盗難事件』、ややシリアスな『医師とその妻と時計』、安楽椅子探偵隅の老人が活躍する『ダブリン事件』、天才科学者が脱獄に挑む『十三号独房の問題』、迷探偵が不思議な事件に遭遇する『放心家組合』そして中島河太郎の解説に終わる名アンソロジー。世界の傑作集によく採られるものから厳選しただけあってすばらしくおもしろいです。
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海外モノのミステリーは守備範囲外でしたので、古典的な作品アンソロジーということで、古本屋で購入してみました。 かなり古めかしい設定
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『十三号独房の問題』がこの短編集に入っていると教えていただき、読んだ。 東京創元社から一九六〇年に第一集が出ているこの乱歩編の世界短編傑作集は第五集まであり、二〇一八年には戸川安宣氏によりタイトルや構成などがリニューアルされた新版『世界推理短編傑作集』として生まれ変わっている...
『十三号独房の問題』がこの短編集に入っていると教えていただき、読んだ。 東京創元社から一九六〇年に第一集が出ているこの乱歩編の世界短編傑作集は第五集まであり、二〇一八年には戸川安宣氏によりタイトルや構成などがリニューアルされた新版『世界推理短編傑作集』として生まれ変わっている。旧版と新版の一巻同士を比べると、旧版にある『放心家組合』が新版にはないとのことだったので旧版にしたが、あとでまた調べたら、『放心家組合』は二巻に収録されているとのこと(逆に新版にあって旧版にない作品もあったがそれは既読だったので気にしなかった)。 新しい方が必ず良いとは限らないもんねと思い旧版にしたが、今回はどうも本自体の古さや字の小ささからくる読みにくさが気になった。旧版の雰囲気はじゅうぶん味わえたので、今後二巻以降を読むときは新版にしよう。 ■ウィルキー・コリンズ『人を呪わば』(一八六〇) ヴァン・ダインはじめ各種のアンソロジーに採用されている、とのこと。コネ配属の困った刑事が「解決」した事件を別の刑事が解決し直す。 ■アントン・チエホフ『安全マッチ』(一八八五) 意外とコメディタッチ……? ■アーサー・モリソン『レントン館盗難事件』(一八九四) 「名探偵マーチン・ヒューイット」シリーズの一つ。コナン・ドイルと同時代のイギリスの推理作家。泊まったお客の貴金属が盗まれる。 ■アンナ・カサリン・グリーン『医師とその妻と時計』(一八九五) 妻が美しすぎると苦労が多い(違)。 ■バロネス・オルツイ『ダブリン事件』(一九〇二) 遺産をめぐる、評判悪い長男と評判良い次男の戦いの真相を、安楽椅子探偵「隅の老人」が解き明かす。 ■ジャック・フットレル『十三号独房の問題』(一九〇五) 名前と肩書とでアルファベット二十六文字を使い果たす、という説明に始まる、ヴァン・ドゥーゼン博士の紹介が面白い。おでこが異様に大きくて変わり者で天才の主人公といえば『花神』の大村益次郎を思い出す。予め計画していた理論を実践したのではなく、独房に入ってから知り得たことを元に脱走計画を立てて脱走した。一週間あればそれができるだろうと思えた自信がすごい。 ■ロバート・バー『放心家組合』(一九〇六) あらら、やられちゃったね。彼らの手腕も鮮やかだが、ロンドン警視庁の刑事と、フランス人探偵のユーモラスなやりとりも笑える。乱歩のいう「いわゆる“奇妙な味”」がまだわからない。それを解するには三巻ダンセイニ『二瓶のソース』、四巻ウォルポール『銀の仮面』を読むべしとのこと。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
世界の古典的短編推理小説のアンソロジー。編集と解説は江戸川乱歩の手によるもので、短編ミステリー入門には最適の全集と言えるだろう。第一巻は1860年代から20世紀初頭までの作品が収録されている。短編という性質上、ネタバレに触れたレビューが多くなっている。 「人を呪わば」 ウィルキー・コリンズ 自信過剰な男が盗難事件の調査に割り込んで酷い目に遭う話。読者はマシュウ・シャーピン氏がどや顔で書いた手紙を苦笑して読んでいくことになるが、その行間に真犯人の手掛かりが散りばめられているのは見事な構成。結局刑事も手紙を読むまで犯人が分からなかったのだから、彼が事件を解決したと言えないこともない。フリーライターとか向いてるんじゃないかな。 「安全マッチ」 アントン・チエホフ ロシアの小説。行方不明になった退役将校の遺体を探す話。積極的に推理し証拠を見つけていく若手検事補のデューコフスキイが探偵役なのかと思いきや、実は将校は情婦の家に転がりこんでただけというひどいオチ。ウォッカばっかり呑んでるからこんなことになるんだ。 「レントン館盗難事件」 アーサー・モリスン 一言で言うと鳥がトリック。昔自分でも似たようなトリックを考えたことはあるので、珍しいネタというわけではなさそうだが、本作は事件の設定に細部まで注意が行き届いていた。流石はプロの作家である。 「医師とその妻と時計」 アンナ・カサリン・グリーン 男が寝室で殺され、隣に住む盲目の医師が犯人だと名乗り出る話。医師と献身的な妻の心のすれ違いが非常に切なく、幕切れも悲劇的。ユーモラスだった前三作の後に位置するので余計に物悲しく感じる。 「ダブリン事件」 バロネス・オルツィ 「隅の老人」が出てくる作品。「隅の老人」は安楽椅子探偵として有名だが、現在日本語版書籍が絶版のため読みづらく、自分も本作で触れるのが初となる。アイルランドの富豪の遺言状をめぐる相続人兄弟の争いの話。「どうせ偽造してもバレるから相手に有利なように偽造しよう」という発想は凄いが、殺された弁護士が完全にとばっちりで可哀相だった。 「十三号独房の問題」 ジャック・フットレル これまた名前は有名だが書籍は絶版の「思考機械」ことドゥーゼン博士の脱獄もの。ほぼ徒手空拳で監獄に入り、宣言通り一週間で脱獄を完遂する博士。流石は思考機械と呼ばれるだけのことはある。ネズミが使えなかったらどうするつもりだった?自分ならどうする?等、想像を巡らせるのも楽しい。 「放心家組合」 ロバート・バー 江戸川乱歩によると「奇妙な味」系の最初期の作品。放心家(要するに呆けている人)につけ込んでお金を巻き上げる、現代日本にもいそうな詐欺師集団を調査する話だったらしいが、最後の展開が展開なので最初に読んだ時は煙に巻かれた。しかし読み返してみると、販売員のマックファーソンの証拠隠滅方法があまりに鮮やかなのでクセになった。 一巻は、全体的にユーモラスな作品が多かった印象。一番気に入っているのは「十三号〜」で、「人を呪わば」「安全マッチ」の順に続く。
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巨星・江戸川乱歩が編んだ推理小説アンソロジーの最高峰。 第一巻には、思考機械ヴァンドゥーゼン教授が活躍するフットレルの傑作「13号独房の問題」隅の老人が名推理を見せるオルツィの「ダブリン事件」などが入っている。もちろんそれ以外もどこから読んでも傑作ぞろい。ミステリー好きなら必読の...
巨星・江戸川乱歩が編んだ推理小説アンソロジーの最高峰。 第一巻には、思考機械ヴァンドゥーゼン教授が活躍するフットレルの傑作「13号独房の問題」隅の老人が名推理を見せるオルツィの「ダブリン事件」などが入っている。もちろんそれ以外もどこから読んでも傑作ぞろい。ミステリー好きなら必読のシリーズだ。
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ミステリーの短編集。江戸川乱歩編。どれも百年前の作品とは思えないものばかり。 以下、印象的だった短篇についてネタバレにならない程度に。 「医師とその妻と時計」 人の感情が丁寧に描かれていて、ミステリーに終わらない所が良かった。 「十三号独房の問題」 思考機械と呼ばれるヴァン...
ミステリーの短編集。江戸川乱歩編。どれも百年前の作品とは思えないものばかり。 以下、印象的だった短篇についてネタバレにならない程度に。 「医師とその妻と時計」 人の感情が丁寧に描かれていて、ミステリーに終わらない所が良かった。 「十三号独房の問題」 思考機械と呼ばれるヴァン・ドゥーゼン教授のキャラクターが鮮烈。最初からラストには解決できると予感させつつも、途中で不安にさせ、それでいて期待を裏切らない。なおかつ物語は教授の行動の謎で引っ張られていく。最高! 「放心家組合」 謎が解決した時の爽快感とは違うのだけれど、いい意味で期待以上。
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【出版社/著者からの内容紹介】 短編は推理小説の粋である。その中から珠玉の傑作を年代順に集成したアンソロジー。1には、巻頭に編者江戸川乱歩の「序」を配し、まず1860年のコリンズ「人を呪わば」に始まり、チエホフ「安全マッチ」、モリスン「レントン館盗難事件」、グリーン「医師とその妻...
【出版社/著者からの内容紹介】 短編は推理小説の粋である。その中から珠玉の傑作を年代順に集成したアンソロジー。1には、巻頭に編者江戸川乱歩の「序」を配し、まず1860年のコリンズ「人を呪わば」に始まり、チエホフ「安全マッチ」、モリスン「レントン館盗難事件」、グリーン「医師とその妻と時計」、オルツィ「ダブリン事件」、フットレル「十三号独房の問題」そして今世紀初頭のバー「放心家組合」までの7編。全編に江戸川乱歩の解説、全巻末には中島河太郎の短編推理小説史を付した。 コリンズ「人を呪わば」 チエホフ「安全マッチ」 モリスン「レントン館盗難事件」 グリーン「医師とその妻と時計」 オルツィ「ダブリン事件」 フットレル「十三号独房の問題」 バー「放心家組合」 先日読んだ、有栖川有栖の密室大図鑑に触発されて読んでみた1冊。 現代のミステリからすれば、コレでミステリ?といいたくなるかもしれませんが、やはりちゃんとミステリしてます。 科学捜査やインターネットなどのない時代の捜査が、とても興味深かったです。 フットレルの「十三号独房の問題」が一番のお目当てでしたが、どの作品もおもしろかったです。 グリーンの「医師とその妻と時計」は悲しい物語でした。
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欧米を中心とした短編推理小説アンソロジー全5巻。この第1巻では、1860年~19世紀初頭まで、短編推理小説の創世記の作品を収める。 前々から「傑作ぞろい」と各所で噂を目にしていたこのアンソロジー。ようやく第1巻を読めました。 この巻は短編推理小説の創世記の作品を収めているとあ...
欧米を中心とした短編推理小説アンソロジー全5巻。この第1巻では、1860年~19世紀初頭まで、短編推理小説の創世記の作品を収める。 前々から「傑作ぞろい」と各所で噂を目にしていたこのアンソロジー。ようやく第1巻を読めました。 この巻は短編推理小説の創世記の作品を収めているとあって、さすがに物語もトリックも古めかしく感じられ、なんだか全体的にどこかで見たような印象を受けた感は否めない。 しかし、それが読み手に「古き善き」時代の純粋な「推理(謎解き)小説」という読み心地を抱かせるのも確かで、ノスタルジックな雰囲気に浸れ、その読み心地にミステリーの滋味を感じた。 フットルの「十三号独房の問題」は他のアンソロジーに収録されているもので既読だったので、この第1巻で私が印象に残ったのはオルツィ「ダブリン事件」とバー「放心家同盟」。 オルツィーが簡潔にして展開に富んだ語り口で魅せるのに対し、バーは鋭い洞察力とウィットに富んだユーモアで魅せるタイプなのかな? と思いきや・・・ラストの展開に驚いてしまった。 「放心家同盟」までの作品が割とスタンダードな謎解きものだったので、油断していたせいもあるだろう。いやはや、お見事である。 ミステリーを読む醍醐味を満喫させてくれそうなこのアンソロジー、これからじわじわと読んでいきたいと思います。
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それまでも本を読むのは好きだったが中学生になったときの読書はホームズと「吾輩は猫である」から始まった。 小学5年生のとき初めてホームズに触れ中学になってから小遣いで創元推理文庫を揃えた。 そして次に読みはじめたのがこのシリーズだった。 良質な選集でありミステリ入門書。 いい選択だ...
それまでも本を読むのは好きだったが中学生になったときの読書はホームズと「吾輩は猫である」から始まった。 小学5年生のとき初めてホームズに触れ中学になってから小遣いで創元推理文庫を揃えた。 そして次に読みはじめたのがこのシリーズだった。 良質な選集でありミステリ入門書。 いい選択だったと思ってる。 ボクの持ってるのは巻ごとに色違いの縦ストライプの表紙カバー。
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