楡家の人びと(上) の商品レビュー
たくさんの登場人物が出てきて混乱するけれど、それぞれの味わい深いエピソードがこの小説の色とりどりのスパイスになっている。
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「ブッデンブローク」に触発されたという北杜夫の長編小説。ある“家族”(モデルは著者の家)とそこに連なる個性的な面々が辿る、大正から昭和というこの“時代”ゆえの波乱の人生。興隆し衰退する楡病院の歩みは、泥沼の戦争の中で転落していく日本の歩みとも重なって…哀愁を感じずにはいられないそ...
「ブッデンブローク」に触発されたという北杜夫の長編小説。ある“家族”(モデルは著者の家)とそこに連なる個性的な面々が辿る、大正から昭和というこの“時代”ゆえの波乱の人生。興隆し衰退する楡病院の歩みは、泥沼の戦争の中で転落していく日本の歩みとも重なって…哀愁を感じずにはいられないその人生、そしてその“時代”の崩壊が、あくまで(それこそマン的な)アイロニーとユーモアに彩られた客観的で緻密な文章で綴られる。過ぎ行く時間は振り返れば空虚な一瞬で、けれどその一瞬にこそ「生」は輝き…生まれ滅び行くものへの哀惜の眼差しが、独特な目線からの反戦文学としての香りをも漂わせる名作。全二巻。
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斎藤茂吉を父に持つ作者の幼少時代の様子を元に書かれた作品です。 楽しく読めます。 斎藤茂吉、北杜夫ファンにとっても興味深い一冊。
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日本の戦後文学の最高傑作だとか三島由紀夫が絶賛しただとかそういう前振りなしに娯楽として読む方が良いと思う。純粋に面白い。
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