美しい日本の私 の商品レビュー
古今東西の美術に博識の矢代幸雄博士も「日本美術の特質」の一つを「雪月花の時、最も友を思ふ。」という詩語に約められるとしてゐます。
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これまで読んでなかったのですが,ちょっとしたきっかけで手に取りました。講談社現代新書の一冊ですが,和文とサイデンステッカーの英訳が併載されています。「雪国」や「伊豆の踊子」の文章が心に染みいり,好きな作家の一人ですが,この「美しい日本の私」は,私には難しい。サイデンステッカーの英...
これまで読んでなかったのですが,ちょっとしたきっかけで手に取りました。講談社現代新書の一冊ですが,和文とサイデンステッカーの英訳が併載されています。「雪国」や「伊豆の踊子」の文章が心に染みいり,好きな作家の一人ですが,この「美しい日本の私」は,私には難しい。サイデンステッカーの英訳(苦労した英訳だと思う)も,同じように簡単ではないのですが,英訳を見て,川端の文章がどう解釈されうるのかを再認識したりして,短い本なのに,3度読んでも,まだ,明らかじゃない感じがしてます。
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川端康成がノーベル文学賞を受賞したときのスピーチの日本語と英語訳。日本の美しさの原点がたくさん。こういう感性を日本として大切にしたいもの。
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「Japan the beautiful and myself "In the spring, cherry blossoms, in the summer the cuchoo. In autumn the moon, and in winter the snow clear, cold" "Winter moon, coming from the clouds to keep me company, Is the wind piercing, the snow cold?" The first of these poems is by the priest Dogen(1200-1253) and bears the title "Innate Spirit" The second is by the priest Myoe(1173-1232). When I am asked for specimens fo my hand-writing, it is these poems that I often choose.」 英語版を初めて読みました。 道元,西行などの英語表現を知りました。 春は花夏ほととぎす秋は月 冬ゆきさえてすずしかりけり 道元禅師 In the spring, cherry blossoms, in the summer the cuckoo. In autumn the moon, and in winter the snow, clear, cold. Dogen(1200-1253) 雲を出でて我にともなふ冬の月 風や身にしむ雪や冷たさ 明恵上人 Winter moon, coming from the clouds to keep me company, Is the wind piercing, the snow cold? Myoe(1173-1232)
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侘び寂びとはむしろ心の豊かさ、狭小で簡素な茶室には無辺の広さと無限の優麗さがあり、一輪の花は百輪の花よりも花やかさを思わせる…と、日本の美しさが詰まっている。 そういう心をときどき思い出して大切にしてゆきたいです。 「色のない白は最も清らかであるとともに、最も多くの色を持ってゐ...
侘び寂びとはむしろ心の豊かさ、狭小で簡素な茶室には無辺の広さと無限の優麗さがあり、一輪の花は百輪の花よりも花やかさを思わせる…と、日本の美しさが詰まっている。 そういう心をときどき思い出して大切にしてゆきたいです。 「色のない白は最も清らかであるとともに、最も多くの色を持ってゐます」…いいなあ。美しいなあ。
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[ 内容 ] 雪、月、花に象徴される日本美の伝統は、「白」に最も多くの色を見、「無」にすべてを蔵するゆたかさを思う。 美の真姿を流麗な文章にとらえた本書は、ノーベル賞受賞記念講演の全文に、サイデンステッカー氏による英訳を付した、日本人の心の書である。 [ 目次 ] [ PO...
[ 内容 ] 雪、月、花に象徴される日本美の伝統は、「白」に最も多くの色を見、「無」にすべてを蔵するゆたかさを思う。 美の真姿を流麗な文章にとらえた本書は、ノーベル賞受賞記念講演の全文に、サイデンステッカー氏による英訳を付した、日本人の心の書である。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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(2005.12.14読了)(2005.12.10購入) この本には、1968年にノーベル文学賞を受賞した時に、受賞記念講演として行われたものの全文が収められています。30ページほどのものです。英訳と注釈も追加されているので、全体で70ページほどになります。 美しい日本と言う題名...
(2005.12.14読了)(2005.12.10購入) この本には、1968年にノーベル文学賞を受賞した時に、受賞記念講演として行われたものの全文が収められています。30ページほどのものです。英訳と注釈も追加されているので、全体で70ページほどになります。 美しい日本と言う題名にもある通り、日本の美しさは、四季により多様に変化する自然の有様にある。自然を読み込むだけの短歌にでも、表現したい事は十分に伝わってしまう。例えば、次のような歌がある。 春は花夏ほととぎす秋は月 冬雪さえて冷(すず)しかりけり 道元 形見とて何か残さん春は花 山ほととぎす秋はもみぢ葉 良寛 四季の遷り変わりについては、文学、美術、音楽を始め生活のすべてに深くはまり込んでおり、日本の美意識の源泉になっている。 川端さんは、「末期の眼」についても述べています。芥川龍之介の遺書の中に、「自然はいつもよりも一層美しい。自然の美しいのは、僕の末期の眼に映るからである。」と言う文章があるそうです。一休禅師も二度も自殺を企てたと言うことも述べています。「物思う人、誰か自殺を思わざる。」と言う言葉もあるそうです。日本には、自殺の美学もあるのでしょうか。太宰治も自殺し、三島由紀夫も自殺し、川端康成も。 ノーベル文学賞の受賞講演で、作家の自殺について述べているのは、川端さんの自殺の予告だったのでしょうか?興味深いことです。 禅のこと、水墨画のこと、枯山水のこと、茶道のこと、日本の美意識のポイントを述べています。禅の言葉は意味がよく読み取れないのが残念です。 「仏界入り易く、魔界入り難し」「仏に逢えば仏を殺せ、祖に逢えば祖を殺せ」 ☆川端康成さんの本(既読) 「雪国」川端康成著、新潮文庫、1947.07.16 「伊豆の踊り子」川端康成著、新潮文庫、1950.08.20 「花のワルツ」川端康成著、新潮文庫、1951.08.10 「千羽鶴」川端康成著、新潮文庫、1955.02.28 「眠れる美女」川端康成著、新潮文庫、1967.11.25 「古都」川端康成著、新潮文庫、1968.08.25 著者 川端 康成 1899年6月14日 大阪生まれ 1901年1月 父結核で死去 1902年1月 母結核で死去、祖父母に引き取られる 1924年 東京帝国大学国文科卒業 1926年 「伊豆の踊子」発表 1935年 「雪国」発表 1949年 「山の音」「千羽鶴」発表 1960年 「眠れる美女」発表 1961年 文化勲章受賞 1968年 ノーベル文学賞受賞 1972年4月16日 死去 ☆関連図書(既読) 「あいまいな日本の私」大江健三郎著、岩波新書、1995.01.31 「創造への飛躍」湯川秀樹著、講談社文庫、1971.07.30 「生涯最高の失敗」田中耕一著、朝日選書、2003.09.25 「やれば、できる。」小柴昌俊著、新潮文庫、2004.08.01 内容紹介(amazon) 雪、月、花に象徴される日本美の伝統は、「白」に最も多くの色を見、「無」にすべてを蔵するゆたかさを思う。美の真姿を流麗な文章にとらえた本書は、ノーベル賞受賞記念講演の全文に、サイデンステッカー氏による英訳を付した、日本人の心の書である。
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川端康成がノーベル文学賞を受賞し、ストックホルムで袴を着用してスピーチしたそれ。平安から鎌倉の僧人+千利休の歌をとおしての日本の叙情性やその空間性まで及ぶ解説。 「春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえて冷しかりけり」 これに尽きる。たぶん半分くらいしか理解できていない。でも川...
川端康成がノーベル文学賞を受賞し、ストックホルムで袴を着用してスピーチしたそれ。平安から鎌倉の僧人+千利休の歌をとおしての日本の叙情性やその空間性まで及ぶ解説。 「春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえて冷しかりけり」 これに尽きる。たぶん半分くらいしか理解できていない。でも川端の言葉はいつも頭半分、腹十分。これも叙情てやつですか川端氏。また読みたくなる言葉。
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使われている日本語は比較的難しいが、 日本語の美しさに気づかない人はいないはず。 川端の日本語から日本の風景の美しさも伝わってくる。
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