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ダイバーシティ の商品レビュー

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17件のお客様レビュー

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2010/09/03

==================== 「囚人のジレンマ」だけは知っていた 沢山の概念が散りばめられているのは解った それは「社会科学的」概念らしい ==================== 二部構成の本で、どちらも「物語」を通じて 抽象的な概念を具体的に想像できるように...

==================== 「囚人のジレンマ」だけは知っていた 沢山の概念が散りばめられているのは解った それは「社会科学的」概念らしい ==================== 二部構成の本で、どちらも「物語」を通じて 抽象的な概念を具体的に想像できるように綴られています。 第一部は「六つボタンのミナ」 皆が七つのボタンを持つ世界で、六つしかボタンを持たないミナの物語です。 童話のような物語に散りばめられているのは社会科学的概念。 そのまま物語としても楽しめるため、大人でなくとも楽しめます。 第二部は「ライオンと鼠」 物語を使い、教育現場というシチュエーションのもと 日米の規範、捉え方を比較できるよう提示されます。 物語としても、とても興味深い本。 この本が描かれる事自体がとても面白く刺激的です。 タイトルのダイバーシティは「多様性」も説明される事も有りますが 第一部は個人的な、第二部は社会的なダイバーシティが具体的に感じられ 2つの物語を併せて「ダイバーシティ」という本が作り上げられています。 社会学や経済学などに興味があり、 どこから紐解けばいいかわからない方にオススメの一冊です。

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2011/07/01

21/6/17 90 多様な人々の達成能力の開発を進めるために経済的発展が必要なのであって、経済発展のために人材活用があるのではないと言う思想>アマルティア・セン(ノーベル経済学者) 日本では会議などの意思決定の場でも「空気を読んで」行動する人が多い。自分が少数派になって、孤...

21/6/17 90 多様な人々の達成能力の開発を進めるために経済的発展が必要なのであって、経済発展のために人材活用があるのではないと言う思想>アマルティア・セン(ノーベル経済学者) 日本では会議などの意思決定の場でも「空気を読んで」行動する人が多い。自分が少数派になって、孤立することを嫌がるからだ。でも、そうやって「空気を読んで」行動すると、「空気に合う」情報は出すが「空気に合わない」情報は出さないと言うことになりかねない。つまり、会議での合意は、偏った情報だけで達成されることになる。または、会議の最初のほうで誰が何を言ったかに基づいて皆が「空気を推測する」結果、どういうふうに議論が始まったか、と言うような偶然の事柄に結論が左右されかねない。これも非合理的だ。 「空気に合わせて」見掛け上の合意や調和を得ることは、人々の多様性のゆえに得られる豊かな情報を用いることができないということになるし、少数派の意見を差別しがちになる点で、自由な考えを抑圧する危険も大きいと思う。 思考や想像を要求される対話を不快と感じるほど、対話が消費的になっている。対話だけじゃない、人間関係そのものがそういう消費的な方向に向かっている。 人それぞれ価値観は違っていても、人から信頼を得るには、やはり態度に何らかの一貫性があることが重要だ。

Posted byブクログ

2009/10/04

一人の少女の旅の物語の中に、現代社会学の鍵となる概念がいくつか埋め込まれている。 挿画の印象とあいまって、不思議な夢のような印象。 日米文化比較についてのアメリカでの授業風景も戯曲風に載っていて、発言の様子が興味深い。

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2009/10/04

●No.26 〜オリジナル寓話「カズの魔法使いと六つボタンのミナ」とイソップ「ライオンと鼠」を社会学教育の題材として語る。 p.216〜217 【「どの様に達成される調和が良い調和なのか」という「調和形成」(合意形成)の質の問題を考察】       ★人々の自由はそれ自体に価...

●No.26 〜オリジナル寓話「カズの魔法使いと六つボタンのミナ」とイソップ「ライオンと鼠」を社会学教育の題材として語る。 p.216〜217 【「どの様に達成される調和が良い調和なのか」という「調和形成」(合意形成)の質の問題を考察】       ★人々の自由はそれ自体に価値があるというだけではなく、一般にものごとの合理的な解決を生み出す可能性を増大させる。       〜また「ダイバーシティ」(多様性)は、みなが協力して何かを作り上げようとするとき、豊かな創造を生み、        また多くの人々により平等な社会的機会を与えることができる。        まして、異文化交流の必要な現代日本の社会・経済にとって必要不可欠なものとなっていると言える。       ★物語では「空気を読んで」周囲に合わせるだけの人間を育てる社会環境について、否定的に取り上げている。       →そのような社会環境は、自由を狭め、多様性を否定し、合理的な判断を下せる土壌をも破壊するという意味で、        望ましくないと思うから。       〜「空気を読む」ことを求めるという若者の蛍光は心地よい友人関係を最後の逃げ場としている現代の若者の追い詰められた        心理の産物。(勉強しても働いても生活の向上に繋がらない閉塞感のある社会状況)       →《そういう心理を生み出すような社会状況そのものを変えていく必要がある》       ★「多様性」の望ましい規範のもう1つの条件とは、多様性が豊かな社会の再生産に貢献できるものである、ということ。       〜人々の選択は自由であるべきとはいえ、勝手気ままでいいという事ではない。        少なくとも、人々が、価値観の異なる他者との信頼関係を築く事ができ、協働して豊かな社会の実現に取り組むようなもの       でなくてはならない。(「豊かな」とは精神・物質両面での意味)      ★この物語は、人々が自由で豊かで、かつ信頼しあえるといった社会をどう達成するかについて、人々の多様性や個性を       プラスに考える「Valuing Diversity」の価値観や、より生産的な社会行動や人間関係の形成を重視するなどの方向性は       示しているものの、「解」を示してはいない。      〜それ(解)は、これからみなで考えていくべきことである。

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2009/10/04

社会学的考え方を学ぶ上で、寓話を用いてわかりやすく解説した良書です。 また、「六つのボタンのミナとカズの魔法使い」と「ライオンと鼠」という、表面的には、 まった関係のないく2つの物語が、「ダイバーシティ(多様性)」という点で 実は通じているという点が、とても興味深かったです。

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2009/10/04

読みやすく面白い。 言葉だけではわかりにくいものを、 物語、実話に基づく講義劇で 感覚的に伝えてくれるので、 理解しやすい。

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2011/08/07

書評などでは評判がよいみたいだが。。。一本目は創作童話。「カズの魔法使い」を訪ねてゆく少女が、道中さまざまなクイズを出される。囚人のジレンマ、共有地の悲劇、予言の自己成就、モンティ・ホールなど。ただ、とってつけたような印象が強く、それぞれのトピックの扱いが浅くてどうも。。。二本目...

書評などでは評判がよいみたいだが。。。一本目は創作童話。「カズの魔法使い」を訪ねてゆく少女が、道中さまざまなクイズを出される。囚人のジレンマ、共有地の悲劇、予言の自己成就、モンティ・ホールなど。ただ、とってつけたような印象が強く、それぞれのトピックの扱いが浅くてどうも。。。二本目は日米の文化論。イソップ童話の「ライオンとネズミ」の内容が微妙に異なっている(米国版は契約に応じて、、、というニュアンスになっているが、日本版は恩返しとして鼠が網を破る)ところから、両国の文化的な背景について考察を行なってゆく。こちらはそれなりに読み応えがあった。・ゼロサム社会においては、他者の成功は自分のパイが小さくなることを意味するので、全体が右肩上がりの社会とは異なり、成功者への風当たりが強くなるんだとか。

Posted byブクログ