草すべり その他の短篇 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
~穂高よさらばまた来る日まで 奥穂にはゆるあかね雲 かえり見すれば遠ざかる まぶたにのこるジャンダルム~♪ 佐久平に住み、千曲川、浅間山を眺めながらの暮らし、南木佳士さんの私小説「草すべり」、2008.7発行。草すべり、旧盆、バカ屋根、穂高山の4話。17歳、高校のクラスメイト兼松沙絵ちゃんが英国引越しで別れ、約40年振り、55歳で一緒に浅間山に登った日のことを描いた「草すべり」がお気に入りです!
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ネガティブな感情にしがみついたまま放さないのが後悔. 出来事を知的に分析して将来に備えるのが反省. . なるほどね… . 登山の話を読むと 登山が好きな人はこんな気持ちで登っているんだなぁ…と. まぁ私は絶対登らないけど. でも…登りたくなる日がくる事もあるのかもしれない.
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著者の「山行記」を読んで以来,行ってみたかった浅間山に夏休みに登ってきた.(思ったよりずっと大変だった). 戻ってきて「山行記」を再読.さらにルートの中で印象的な急斜面「草すべり」をタイトルにもつこの短編集を読む. 「草すべり」高校時代の女性の同級生と浅間山に登る. 「旧盆」旧...
著者の「山行記」を読んで以来,行ってみたかった浅間山に夏休みに登ってきた.(思ったよりずっと大変だった). 戻ってきて「山行記」を再読.さらにルートの中で印象的な急斜面「草すべり」をタイトルにもつこの短編集を読む. 「草すべり」高校時代の女性の同級生と浅間山に登る. 「旧盆」旧盆に廃墟となった実家の庭で隣人とバーベキューをする. 「バカ尾根」浅間山が目の前に見える近所の丘で花見酒を飲む.(実にうまそうだ). 「穂高山」涸沢で穂高岳を見ながら偶然隣り合わせた高校教師の話をきく. こう書いて見ると,改めてなにも起こらない小説たち.「わたし」はこれらの出来事を通して,過去を回想し,現在の自分を確認する作業をしている.著者はこれを書いたときまだ50代半ばだったが,病後ということもあってか,諦念というか,悟りというか,そのような気持ちがにじみ出て,とても静かな老境小説となっている. 私は著者よりも若いにもかかわらず,自然に感情移入ができてしまう小説たちであった. 蛇足だが,この本,字が大きくて老眼のすすみつつある私にもとてもやさしい.
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医療の現場にあり、パニック障害を抱えながら小説を書いている著者。 山に登ることを中心に現在の心境を丹念に綴る。 小学校時代の同級生と登山の記録が心に残った。 気にかかって新刊が出ると読む作家の1人。
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作家の感性をもって山に登るとこんな愉しみ方ができるのか・・・。山が好きなのでときどき山岳小説も読んでみるのだが、フィクション/ノンフィクションを問わず、「上へ上へ!」「前へ前へ!」という努力&根性ものが多くて、自分の感覚とは合わないでいた。 『草すべり』は、山岳小説というより...
作家の感性をもって山に登るとこんな愉しみ方ができるのか・・・。山が好きなのでときどき山岳小説も読んでみるのだが、フィクション/ノンフィクションを問わず、「上へ上へ!」「前へ前へ!」という努力&根性ものが多くて、自分の感覚とは合わないでいた。 『草すべり』は、山岳小説というよりは、山を舞台にした人間ドラマだ。ザイルもアイゼンもピッケルも出てこない。主人公(著者)は心を病んでから山に登り始めた老年に近い医師で、山の高さや難しさや数には強い関心がなく、ただ自然の中で、自然のエネルギーを感じながら、自分のペースで歩くことを好む。ぜんぜんがんばらない。文章全体に漂う諦観の念が、なぜか山の空気のように清々しく感じられる。読んだことはないけれど、『アルプ』的な空気感を想像させた。10年後くらいにまた読んでみたいと思った。
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暗い、重苦しい小説は好き。が、これはかなり重い。人の死に関わるのが当たり前の医者でも、やっぱり神経が参るのかと素朴な疑問に答えてくれたのと、そういうまともな医者もいるのか、と少し安堵感を覚えてのはこれを読んだ副産物。やっぱり神経が参るとこういうトーンの小説を書くものかしら・・。途...
暗い、重苦しい小説は好き。が、これはかなり重い。人の死に関わるのが当たり前の医者でも、やっぱり神経が参るのかと素朴な疑問に答えてくれたのと、そういうまともな医者もいるのか、と少し安堵感を覚えてのはこれを読んだ副産物。やっぱり神経が参るとこういうトーンの小説を書くものかしら・・。途中でやめるのは勿体ないと思わせる小説なので、どうにかがんばって最後まで読んだ。でも面白くはない。
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高校の同級生だった女性・紗絵ちゃんから、 浅間山へ登ろうと誘われ、40年ぶりに再会した。 もう、どうこうなる年でもない2人なのだが、 ほのかに、何かを感じる。。。 過ぎ去った過去を懐かしみ、今の現実を見つめる時、 そこには、40年の月日が。。。 何気ない別れのシーンが、せつな...
高校の同級生だった女性・紗絵ちゃんから、 浅間山へ登ろうと誘われ、40年ぶりに再会した。 もう、どうこうなる年でもない2人なのだが、 ほのかに、何かを感じる。。。 過ぎ去った過去を懐かしみ、今の現実を見つめる時、 そこには、40年の月日が。。。 何気ない別れのシーンが、せつなく、思わず胸がジーン。。。 どの短編も、これといった、起伏のあるストーリーではないのだけれど、 じんわりと心に染みるのでした。 芥川賞作家だとは知らずに読んだのだけど、 もっともっと他の作品も読んでみたい!と思わせる何かが。。。 私の満足度★★★★☆
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短編集。最後の短編「穂高山」を、奥穂高に連れて行ってくれた上司が「映像がよみがえるぞ」と勧めてくれた。 表題作もよかった。 山と人生と生死を重ね合わせる、著者。 表題作は、人生の難所を越えた、元同級生の男女が、40年ぶりに浅間山を登る話。 「穂高山」の、主人公がジャンダルムを眼下...
短編集。最後の短編「穂高山」を、奥穂高に連れて行ってくれた上司が「映像がよみがえるぞ」と勧めてくれた。 表題作もよかった。 山と人生と生死を重ね合わせる、著者。 表題作は、人生の難所を越えた、元同級生の男女が、40年ぶりに浅間山を登る話。 「穂高山」の、主人公がジャンダルムを眼下にのぞんだときの描写が、自分の経験と同じだったので はっと息を飲んだ。 感傷的ながらも、静謐な文章で、いい作家だなーと思った。第100回芥川賞受賞作家(「ダイヤモンドダスト」)なのね。 そっちも読んでみよう。
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