夜 の商品レビュー
ふいに家に帰ってこなくなった男を持つ家族の風景と心情を 描いた四編と、ゲイの男の機微を描いた一編から成る短編集。 題材そのものは昼メロのネタになりそうなどろどろしたもの なんだけれど、それを決して昼メロ調にしないで適度にクールな 視点でまとめている感じがある。そこがいい...
ふいに家に帰ってこなくなった男を持つ家族の風景と心情を 描いた四編と、ゲイの男の機微を描いた一編から成る短編集。 題材そのものは昼メロのネタになりそうなどろどろしたもの なんだけれど、それを決して昼メロ調にしないで適度にクールな 視点でまとめている感じがある。そこがいい。 最も印象に残ったのは、ゲイの男を描いた五番目の『暁闇』。 「ゲイだからキモイ」の一言で片付けてしまうのはとても もったいないくらい二人の男の心情を描ききっていて出色の出来。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人間の欲望とその輪廻についての5つの短編が収められている一冊。 展開も早く、さくさくと読めると思います。 しかし、矛盾してしまいますが比較的重みのある内容が多く、 電車でさらり、と読めるものではないと思います。 私は最後に収められていた「暁闇」はが好きです。 しかし、設定に同性愛が入っているので苦手な方も いらっしゃるやもしれません。 ただ、性についてではなく、依存による執着から生まれる物を どろどろと書きあげられているような印象をもちました。 同性愛が苦手な方もぜひ・・・とお勧めしたい一冊です。
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同性間、異性間との関わりの中で男の闇の部分が描き出されているが、対人間同士の関わりの中で言葉にして説明できない微妙なズレ、秘めた部分とでも言おうか。あると思うのです。 互いに生じた微妙なズレは、言葉をもって説明しても拗れるばかりってことが往々にしてある。説明が出来ない部分、聞きた...
同性間、異性間との関わりの中で男の闇の部分が描き出されているが、対人間同士の関わりの中で言葉にして説明できない微妙なズレ、秘めた部分とでも言おうか。あると思うのです。 互いに生じた微妙なズレは、言葉をもって説明しても拗れるばかりってことが往々にしてある。説明が出来ない部分、聞きたくても聞いてはいけないような部分、闇の部分が一人一人にあるんではないでしょうか。 時間をおいて再読してみようと思っている。
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図:限りなく☆4つに近い3つ。男の夜は長い。 出版社 / 著者からの内容紹介 男の夜は長い―― 女を中心として書かれた『蝶のゆくえ』に続く、男をめぐる短編小説。娘、妻、愛人、知人等、男を取り巻く身近な人物たちの視点から男の暗闇を描き出す。 内容(「BOOK」データベースより)...
図:限りなく☆4つに近い3つ。男の夜は長い。 出版社 / 著者からの内容紹介 男の夜は長い―― 女を中心として書かれた『蝶のゆくえ』に続く、男をめぐる短編小説。娘、妻、愛人、知人等、男を取り巻く身近な人物たちの視点から男の暗闇を描き出す。 内容(「BOOK」データベースより) 「自分の父親」の見慣れた目の向こうに、自分の知らない「父親という男」の別の顔がある―そのことを考えるのがつらいから、「分からない」という拒絶のままになる(「暮色」)。なぜ泣いているのか、自分でもよく分からなかった。泣けば、問題は解決して、うやむやになってしまうような気がした(「灯ともし頃」)。三年間妻子のところへ帰らなかった。三年たった霧の深い夜、ふらっと一人で帰って来た(「夜霧」)。男が去って行った理由は、分からない。分かりたくはない。分かったとしても、認めたくはない。去って行ったことさえも、認めたくはない(「蝋燭」)。誰も彼もが、「自分の胸の内」だけを見ていた(「暁闇」)。男の心の中には何があったのだろうか?男の「性」と「愛」を描いた橋本文学の新境地。
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短編集。男が自分のもとを去っていく話。 「暁闇」は男同士の話でした。思うに幼い人物はなんかをしでかすなあと。
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久々に橋本さんの本読んだ。 あれだけ文中でたたみかけるように説明してしまうのに、それでも思考の余地を残せる、というのはなんだろう。 やっぱり内容が分析的ではあるんだけれども、だからこそなんだろうなぁ。
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いつまでも待っちゃう妻達の話。 暗い!!! こんなのやだよー!!って思いながら読んじゃった。 浮気されても、いつかは帰ってきてくれると信じて絶対帰ってこない夫を待ち続け、離婚に承諾しない奥さんたちの心理がよくわかりました。。
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気まぐれに家を出て、不意に帰ってくる男、 かたくなに離婚を拒否する女、 浮気をする男と、それを許す女、 愛情と憎しみが混同する夫婦の愛とは。。 まるで、メロドラマのような短編集なのだが、 それ程のドロドロ感は無くて、 妻・愛人・夫・娘。。。 それぞれの視点で、思いがクールに描か...
気まぐれに家を出て、不意に帰ってくる男、 かたくなに離婚を拒否する女、 浮気をする男と、それを許す女、 愛情と憎しみが混同する夫婦の愛とは。。 まるで、メロドラマのような短編集なのだが、 それ程のドロドロ感は無くて、 妻・愛人・夫・娘。。。 それぞれの視点で、思いがクールに描かれている。 夫の帰り待つでもなく、静まり返った家の中で、 ただ、夜の空間にさまよう心を見つめる女。。。 登場人物たちは、上手い解決法が見つからないまま、 すれ違った心を放置し、時間の流れに身を任せる。 波乱に富む展開ではないけれど、 妙に現実的で、ついつい引き込まれてしまった。
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うーん、きっついねー。苦しいっすよ。 なんだかなぁ。 すぐに関係を明解に説明してくれちゃうあたりが笑えます。
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とりあえず、ゲイとノンケの関係を扱った最後の「暁闇」を読了。ときどき橋本治の批評家部分が顔を出してたりするが、やはり並みのゲイ作家は足元にも及ばない小説を書いている。
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