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カニバリストの告白 の商品レビュー

3.3

22件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

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2022/02/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ジャンル分けとしては、これは哲学書になるのではないだろうか?と悩んだ末にそうした。 カニバリスト=食人鬼という意味だが、生まれついての肉欲のシェフが奇怪な事件を回想する物語なんだが、ボリュームもさることながら内容が小難しい。それでいてえぐい!所々に料理名とレシピが出てくるのだが、その作り方が調理人がすっぱになって肌で肉を温めるだの女性の例の穴の中で発酵させるだの、いやいやいや(笑) とりあえずゲテモノ好きのホモバイセクシャルに寛容な方はおすすめだが、普通のサスペンス小説を期待して読んだらえらいことになる。そう、自分はmさかこんな内容とは知らず、哲学書よろしく読破に一週間を要した。2月スタートを切っての本としてはおもいっきり転んでのスタートとなってしまった。

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2021/05/13

小気味悪い内容と表現かつテンポが良い展開ですっと読めてしまう。 哲学者で神学者(らしい)著者らしく、言葉使いが独特で難解な箇所もあるが、読み飛ばしてもストーリーは把握できる。 珍しいもの見たさで読んでみたが、2度目また読むことはないだろう。

Posted byブクログ

2020/10/13

性癖 サイコパスカニバリストの告白 終盤にかけてのサイコパスぶりの盛り上がりが良かった 読みやすい一品

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2019/07/09

刑務所に収監されて精神鑑定を受けるシェフが綴った手記と、 担当医の報告書(+α)という体裁の小説。 亡き母への強い愛慕の念と「肉(flesh)」へのこだわり、 そして、彼は邪魔者をいかに始末したか……という話だが、 そこそこの変態さんたちが跋扈する長編なので、 読後はお腹いっぱい...

刑務所に収監されて精神鑑定を受けるシェフが綴った手記と、 担当医の報告書(+α)という体裁の小説。 亡き母への強い愛慕の念と「肉(flesh)」へのこだわり、 そして、彼は邪魔者をいかに始末したか……という話だが、 そこそこの変態さんたちが跋扈する長編なので、 読後はお腹いっぱい、胸やけを覚えた。 主人公の名オーランドー(Orlando)は 男性から女性への転身を描いた ヴァージニア・ウルフ『オーランドー』を連想させる。 また、苗字のクリスプ(Crisp)には 「パリパリする」の他に「新鮮な」という意味もあり、 彼が愛する「肉(flesh)」に繋がる言葉と思われる。 叙述の形式も手伝って、 序盤はスタージョン『きみの血を』に似ているという印象を受け、 中盤ではオーランドーの自己陶酔ぶりが まるで出来の悪いレクター博士のようだと思ったけれども、 自慢の逸品のレシピが後半では悪意を以て、 却って料理を冒瀆するかのような内容に変わっていくので、 矛盾と胸糞悪さを覚えるようになった。 それでも最後まで読み進められたのは、 気障な主人公の破滅ぶりを、しかと確かめたかったからだが、 何だ、この結末(笑)。 想像だけど、作者がそもそも異常な人物の造形を行って、 その言動を批判的に描いていったならカタストロフを迎えたはずだと思う。 そうならなかったということは、 作者は主人公寄りの人間に違いないと邪推せざるを得ない。 [心の声]> ( ˘ω˘ ) .。oO(変態だっっ!) 母を恋うるあまり、行く手を阻む「父たち」を斃しまくった エディプスの物語は舞台を他国に移しても終わらないのかもしれない。

Posted byブクログ

2015/07/23

つくづく思うのだが、どうして欧米人って、カニバリズムをネタにした小説が好きなの?聖体拝領が背景にあるのかな。耽美的で母親崇拝の殺人シェフに、フロイト派の精神科医が敗れ去るのが笑える。読んで行くうちに何故かこのシェフがまともに思えてくるのが不思議だ。エロくてグロいんだけど、一種のユ...

つくづく思うのだが、どうして欧米人って、カニバリズムをネタにした小説が好きなの?聖体拝領が背景にあるのかな。耽美的で母親崇拝の殺人シェフに、フロイト派の精神科医が敗れ去るのが笑える。読んで行くうちに何故かこのシェフがまともに思えてくるのが不思議だ。エロくてグロいんだけど、一種のユーモアも感じる。

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2012/09/22

人によっては、少々刺激的過ぎる面もあるのではないのか。でもそれが、僕には心地よかった。最後まで「何をやらかしてくれるのか」・・料理の知識ももっとあれば、楽しめるのかな。

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2012/06/17

前半までのレシピは非常に食欲をそそるものばかり。文体も読みやすく、コメディ的な雰囲気もある。が、全体を通して性的描写が散りばめられているので読む際は注意が必要かもしれない。

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2012/02/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

このタイトルに惹かれないはずがありませんでした。 オーランドー・クリスプという人物について、狂人と呼ぶか、芸術家と呼ぶか、それは彼の述べるとおりに人それぞれですが、私はただ一言、彼はあらゆる面で「無実」であると言いたいです。人としての道は外れていると思うし、道徳や倫理などという人間の価値観の物差しで測る以前に、法という大きな基準も踏み外している(もっとも法というものも人間が作ったものであるといえばそれまでなんですが)し、彼が殺人犯であるという事実は揺るがないものです。 けれどそれの何が悪いのでしょうか?復讐が動機ならばとても愚かしいことですが、彼はただ単に人を「食材」と、この上もない、彼の言葉を借りるならば「プリマ・マテリア」とみなしただけであり、「食材」を「料理」という作品にすることは、ごく普通のことですよね。彼は料理人として、むしろ芸術家として当たり前のことをしていただけ。それの為なら手段を選ばなかっただけ。確かに非人道ではあるのでしょうけど、本当にただそれだけ、法という規則さえなければ、これは料理人のサクセス・ストーリーにすぎない。 でも、結局のところ、あらゆる面で本当に「サクセス・ストーリー」なんだろうなあ。最近読んだ中で一番面白い小説でした!

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2011/10/02

デヴィッド・マドセンという作家はどうも下品なのだ。でも、その下品さが、なんともいえない味を出していて、訳者も作家の個性をよくわかって訳されている。なかなかの絶品である。

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2018/11/22

天才シェフオーランドーの波乱の生涯の話。 大好きな本のひとつ。 タイトルはわりと衝撃的ですが、食人に重点をおいているわけではなく、「肉」そのものが重要なのだと思う。 無論食人もしているわけなんだけれども、食人をしているのはオーランドーではなく寧ろ……。 グロテスクで、耽美で、...

天才シェフオーランドーの波乱の生涯の話。 大好きな本のひとつ。 タイトルはわりと衝撃的ですが、食人に重点をおいているわけではなく、「肉」そのものが重要なのだと思う。 無論食人もしているわけなんだけれども、食人をしているのはオーランドーではなく寧ろ……。 グロテスクで、耽美で、変態的で、ゲイとバイとビッチと変態と頭のねじが外れた人しか出てこない小説だった。 (普通の料理の)レシピが時々載っていて、それがまた美味しそう……。 出てくる料理も前半は普通においしそうでお腹が減った。 彼は多分紛れもなく天才で、彼の語り口調を読み彼に同調している間は狂気が狂気だと気付かないのだけれども、話の途中に度々挿入される精神科医の手紙を読むとふと現実に引き戻される。 ただ精神科医もなんだか途中から病んできて悪魔だのなんだの言い始めるので、あとはもうどっぷりとグロテスクお耽美。面白かった…。 途中から参加する双子がまたいい味出してた。 最後の悠々とした結末といい、すべからく人間が気持ち悪くて大好き。

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