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フレンチ警部最大の事件 の商品レビュー

3.7

8件のお客様レビュー

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クロフツの持ちキャラ…

クロフツの持ちキャラクターであるフレンチ警部が初登場する作品。魅力あふれる長編ミステリです。

文庫OFF

2024/04/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1925年作、ロンドンの宝石商でおこったダイアモンド盗難事件を追うスコットランド・ヤードのフレンチ刑事が捜査で、オランダ(アムステルダム)、スイス(シャモニー)、スペイン(バルセローナ)、フランス(ル/アーブル)、ポルトガル(リスボン)などを旅する。とにかく、犯人に振り回されっぱなしで、解決できそうな捜査の糸が途切れることが多い。フレンチ警部は妻に相談したり、とにかく足をつかって捜査をし、とにかくまじめに犯人を追い詰めていく。名探偵のような閃きはない。だが、この謎の解明過程がとても面白いんである。探偵小説ではなく、地道な捜査小説といえる。フレンチには息子がいたが、戦死したらしい。 作者のクロフツ(アイルランド 1879-1957)は17歳で土木技師見習いをし、50歳までベルファストの鉄道技師をしていた。処女作の『樽』(1920)は40歳の作らしい。本作は五作目。フレンチ警部の登場作である。

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2023/04/30

宝石店の支配人が殺され、宝石やダイヤが盗まれる。怪しい人物はどんどん現れるのだが、絞れずに肩透かしを喰らう。 それにしてもクロフツの描く刑事、穏やかで紳士的…これと言った特徴のないフレンチ警部には親近感を抱いてしまう。失敗しながらもコツコツと犯人に近づいていく姿に、一緒に歩いてい...

宝石店の支配人が殺され、宝石やダイヤが盗まれる。怪しい人物はどんどん現れるのだが、絞れずに肩透かしを喰らう。 それにしてもクロフツの描く刑事、穏やかで紳士的…これと言った特徴のないフレンチ警部には親近感を抱いてしまう。失敗しながらもコツコツと犯人に近づいていく姿に、一緒に歩いているような錯覚さえ覚える。期待通りの一冊。

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2019/01/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

解説によると、著者の第五作でフレンチの初登場の作品。初版1925年。 業後に誰もいなくなった宝石商の事務所で支配人が殺され、金庫から宝石が盗まれた事件を捜査するフレンチ。 イギリスだけでなく、オランダ・スイス・フランス・ポルトガルなどを舞台に、 入手することができないはずの金庫の鍵の合鍵をどうやって作ったのか? アムステルダム支店に勤めている従業員の失踪? 盗まれた宝石の一部を売った謎の女? ヒロイン(?)とその婚約者の不審な言動? でたらめな証券取引表? といった、謎を解いていきます。 不可解な謎や意外な犯人(やや意外性の演出が過剰かも(笑))といったミステリ要素も豊富で、 「ひとつの謎を解くとその先で新しい謎に出くわす」といった構成も、 名探偵による一気の解決ではなく、警察による事件の捜査という雰囲気を出していて、 読み物としてよくできた作品だと思います。 ただ、共犯者はスーパーマンすぎるかな・・・ なお、被害者は事件の日に周囲の人間に「今夜これから重要な仕事がある」とだけしか言ってませんが、 「今夜これから○○○○が来るので仕事がある」と言ってしまえば犯人の計画は水の泡です(笑)

Posted byブクログ

2011/07/17

宝石商の支配人が殺され、ダイヤが盗まれた。金庫の鍵は1つは銀行の金庫の中、もうひとつは社長が肌身離さず持っている。 さて、犯人はどうやって鍵を手に入れたのか? トリック暴きを主においた本格もの。 決して頭のいい法ではないというフレンチ警部が足を使い人を使い、地道に捜査を進めてい...

宝石商の支配人が殺され、ダイヤが盗まれた。金庫の鍵は1つは銀行の金庫の中、もうひとつは社長が肌身離さず持っている。 さて、犯人はどうやって鍵を手に入れたのか? トリック暴きを主においた本格もの。 決して頭のいい法ではないというフレンチ警部が足を使い人を使い、地道に捜査を進めていく。 捜査というのは結局迷路の間違った道を塗りつぶしていく作業なんだなと思わせる作品。先は行き止まりになっていて犯人に行き着くという意味では徒労に終わるのだけど、その過程を追うことで読んでいる側も捜査を追体験できる。 途中、一人の女が捜査線上に浮かび上がり、その正体を追うあたりから俄然物語に動きが出てくる。 暗号解読あり、追跡劇ありでそれまでと雰囲気が一変する。そこもまた面白い。 ありがちだけど、共犯者が意外かな。面白かった。

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2009/10/04

小さな事件に思えたのに、確かに「最大」の事件に展開していく。行き詰まりながらも、しらみ潰しに一歩ずつ前進していくテンポが特に後半に入ってから良かった。

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2011/01/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フレンチ警部シリーズ 殺害された宝石商ゲシング。盗まれた宝石と紙幣。 使用された紙幣から男デューク・アンド・ピーボディ社の外交員ファンデルアイクを追ったフレンチ。バルセロナでの捜査の行き詰まり。ファンデルアイクに渡された紙幣はゲシングが渡した物。 新たに詐欺に使われた宝石。ルート夫人を名乗る謎のX夫人。本物のルート夫人と同じ船だやってきた女。数年前に引退し消えた女優・シシー・ウィンター。自殺したデューク・アンド・ピーボディ社の支配人デューク。ヴァエイン夫人を名乗るX夫人。残された暗号の謎。 市川図書館  2009年2月23日再読  2010年12月12日購入  2011年1月11日読了

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2009/10/04

フレンチシリーズの第一作である。最初の作品からフレンチは容疑者や 手掛かりを求めて、フランス、スペイン、スイスなどを飛び回っている。 作品自身は、フレンチが壁にぶつかるとすぐにつぎの手掛かりが 現れるという展開で少し興ざめを覚える。この作品の主体は いかに他人に化けて、逃亡するな...

フレンチシリーズの第一作である。最初の作品からフレンチは容疑者や 手掛かりを求めて、フランス、スペイン、スイスなどを飛び回っている。 作品自身は、フレンチが壁にぶつかるとすぐにつぎの手掛かりが 現れるという展開で少し興ざめを覚える。この作品の主体は いかに他人に化けて、逃亡するなり捜査の目をくらますなりしたかと いうことであろう。最後、デュークが捕まったところで目出度し目出度しになっており、いくつか存在していた謎を解かずに作品が終わってしまって おり、読後感はすっきりしない。 作品の途中でデュークが犯人であると予想がついてしまうが、 デュークが自殺したという場面を入れることで補われている。

Posted byブクログ