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大飢饉、室町社会を襲う! の商品レビュー

3.9

10件のお客様レビュー

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2024/11/25

本書では室町、戦国時代のアナーキーな時代をもたらした大きな要因のひとつである飢饉について語られていきます。 『室町は今日もハードボイルド』と同様、著者の語りはとてもわかりやすく読みやすいです。飢饉については藤木久志著『土一揆と城の戦国を行く』ともテーマが重なりますが、本書ではま...

本書では室町、戦国時代のアナーキーな時代をもたらした大きな要因のひとつである飢饉について語られていきます。 『室町は今日もハードボイルド』と同様、著者の語りはとてもわかりやすく読みやすいです。飢饉については藤木久志著『土一揆と城の戦国を行く』ともテーマが重なりますが、本書ではまた違った視点から飢饉やその時代背景を学ぶことができますので合わせて読まれることをおすすめします。

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2023/07/17

室町時代の大飢饉に焦点を当てて、当時の農民の生活や風俗について語られている。 農民たちはどのように考えて行動していたのかが少しわかるようになる。 金持ちが徳をため込んでいるから徳を放出させるために酒屋なんかを襲うというのは、現代では理解しづらい思考だけど当時としては筋の通った考...

室町時代の大飢饉に焦点を当てて、当時の農民の生活や風俗について語られている。 農民たちはどのように考えて行動していたのかが少しわかるようになる。 金持ちが徳をため込んでいるから徳を放出させるために酒屋なんかを襲うというのは、現代では理解しづらい思考だけど当時としては筋の通った考えだというのは面白かった。 現代の思考で中世の出来事を理解しようとすると、中世の人々は意味わからないことをすると思ってしまうが、当時の人々も当時の論理的思考で動いていたんだな。

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2022/11/08

1420年の応永の大飢饉。約600年前、室町時代の京都周辺の大飢饉の状況を当時の文献から得られる情報をもとに再構築した異色の本。例えば「新米よりも古米のほうが取引価格が高のは古米の方が炊いた時に分量が増えるから」「飢饉で水不足になり別の集落に分水してもらう際に夜間だけ分けてもらう...

1420年の応永の大飢饉。約600年前、室町時代の京都周辺の大飢饉の状況を当時の文献から得られる情報をもとに再構築した異色の本。例えば「新米よりも古米のほうが取引価格が高のは古米の方が炊いた時に分量が増えるから」「飢饉で水不足になり別の集落に分水してもらう際に夜間だけ分けてもらうことを「夜水」と呼ぶ」「飢餓に襲われた大量の人々が京都に流入し餓死者が増えた結果、足の踏み場のないほどの死体が路上に溢れた」のような話が多い。室町時代という特異な時代を知るためには有益な本だけど誰もが楽しむかは疑問な本。

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2021/07/10
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時代が感性を相当に規定していると。日本人に限らず飢えてきた時代のほうがずっと長かった。p183当時を生きた人々の心性を当時の人々と同じ目線で私たちはもっと積極的にとらえることはできないだろうか。p196持てるものが出すべきだという素朴ながらも頑強な思想は、過酷な環境の中で生き抜いてゆかねばならない人々に、ついに生き抜くためのひとつの闘争のかたちをあたえることになったのである。もう為政者の徳政など待つ必要などない、私たち自身が徳政を実現すればいいことなのだ。 若いころに網野善彦を読んだとき違いが言語化できるといいのだけれど。

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2020/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

<目次> プロローグ いま、飢饉を考える 第1章   謎の異国船襲来 第2章   室町人の「死」と「生」 第3章   なぜ巨大飢饉が起きたのか? 第4章   足利義持の「徳政」 第5章   荘園と町の飢饉習俗 第6章   難民は首都をめざす エピローグ 大飢饉のあとに <内容> 室町幕府4代将軍足利義持の時代に起きた、「応永の大飢饉」を話をベースに、将軍や幕府、貴族や荘園関係者、庶民の生きざまを描く。気候のデータなどを使いながら(歴史学者っぽくない)、飢饉の原因を前期の干ばつ、後期の豪雨と説き、その中で米屋などの横暴の様子、中世人の「徳政」の考え方など、興味深い話が続く。

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2020/09/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いまから600年前、応永27年(1420)大飢饉が京都を襲う ※次の寛正の大飢饉(1460~61)も影響は大きい 地方で餓死者はあふれ都に難民はおしかけ物価は上がり疫病がとどめをさす 応永26年(1419)朝鮮国正規軍による対馬襲来事件はしらなかった(応永の外寇)

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2021/01/07

日本の中世はまだまだ飢餓との闘い。大飢饉ともなれば、正にサバイバル。それでも民衆は、荘園領主への損免(=控除)要求やら、「有徳思想」という名のノブレス・オブリージュの強制やらで、結構たくましいのだ。 ともあれ、頰髯がご立派・足利義持の治世を中心に据えたのは、完全に著者の趣味だよ...

日本の中世はまだまだ飢餓との闘い。大飢饉ともなれば、正にサバイバル。それでも民衆は、荘園領主への損免(=控除)要求やら、「有徳思想」という名のノブレス・オブリージュの強制やらで、結構たくましいのだ。 ともあれ、頰髯がご立派・足利義持の治世を中心に据えたのは、完全に著者の趣味だよね(笑)。 女子高の非常勤講師時代に執筆した前書を、女子高生達がお小遣いで買ってくれてた…ってあとがきが泣かせる。そう言えば、我が母校の世界史の先生も人気あったなあ。お元気かなあ。

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2016/06/28

大飢饉が起きてしまったシステムはまるで現代の貧困の連鎖のようだし、外夷への反応は現在の私達とそっくり。どこか賢くなっている部分があったかな。

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2014/03/30

Lv【初心者】 ・室町時代の社会(人口男女比、出産年齢など)が知りたい ・大飢饉が発生した頃の気候記録などを簡単にみたい ・足利義持について書かれた本が読みたい 応永の大飢饉の有った応永二十七年の通史的な出来事ならず、社会、政策、民俗、そして足利義持の生き様を通して語る一冊。 ...

Lv【初心者】 ・室町時代の社会(人口男女比、出産年齢など)が知りたい ・大飢饉が発生した頃の気候記録などを簡単にみたい ・足利義持について書かれた本が読みたい 応永の大飢饉の有った応永二十七年の通史的な出来事ならず、社会、政策、民俗、そして足利義持の生き様を通して語る一冊。 他にレビューしている「室町人の精神」「破産者たちの中世」や「一揆の原理」と合わせ読みすると非常に面白い

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2009/10/07

ゼミの清水克行氏が書いた本。高校の教科書にはないようなミクロな視点から見た中世。個人的にはかなり興味深かった。ちなみに明大商学部で開講されている日本文化史?の教科書でもある。

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