空の中 の商品レビュー
本当に人間って傲慢な生き物だなって。 非現実的なのに物語の中の「人間」が生きてるから、本当に起きたことのように思える。 このストーリーにラブストーリーも乗せてくるんだから有川浩はすごい。 読め。面白いから。
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絶品。何度目だろうか。 何回読んでも大好きだ。 国産輸送機開発の試験機と空自のイーグルが、同じ空域で謎の爆発。そこにいたのは高度2万メートルに潜む「かれ」。 空の中は、主軸となるW主人公たちと白鯨のそれぞれの視点から織り進められていく。初読時高校生だった私も、現在の私も、変わらずツンデレの光稀推し。 白鯨の存在自体に関しては、登場してすぐはフィクションの存在に感じるが、読み進めるうちにどんどん魅力的に思えて、こんな知的生命体がもしかしたら上空にいるかも、なんて思ってしまったり。 感情や集団という概念を持たない「全き一つ」である白鯨とのやり取りの中で、社会生活を営む人類の抱えた矛盾と愚かさを思い知り、そして同時に人間という在り方への愛おしさを感じさせてくれる。 戦闘機乗りの父親を持つ瞬。祖父を亡くし、事故で父親を亡くし、葬儀の日に偶然遭遇した未知の生命体で心の穴を埋めていく。明らかに不自然な瞬を心配しつつも波風を立てられない佳江。両者が自分の間違えたところに気付き葛藤し正解の方へと向かっていく様をハラハラと見守ってしまう。 目の前で上司を喪ってしまった女性のイーグルドライバー光稀。国産輸送機開発最後の砦と言われるプロジェクトに参加していた高巳。2人の組み合わせが最高に好きだ。どこが好きって細かく書き始めたらキリがないからやめておく。 それから、白川真帆と宮じい。この2人も絶対にこの物語に居なくてはならない存在。宮じいの言葉のひとつひとつが、とても重要なエッセンスとして生きている。後半瞬に語りかけるシーンや、屋上での真帆とのシーン。心の深いところに響く。この役割を演じるのは宮じいのような歳の重ね方をした老人でしか有り得ないだろう。 それからなんと言っても土佐弁!
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最近、「空飛ぶ広報室」といい「県庁おもてなし課」といい有川浩ばっかりだな。 けど、やっぱり面白いもんな。 この 「空の中」、前に読んだ「海の底」と、まだ読んでない「塩の街」で「自衛隊三部作」というらしい。 「空の中」って言うぐらいだから、これは航空自衛隊。 と言っても、物語は自...
最近、「空飛ぶ広報室」といい「県庁おもてなし課」といい有川浩ばっかりだな。 けど、やっぱり面白いもんな。 この 「空の中」、前に読んだ「海の底」と、まだ読んでない「塩の街」で「自衛隊三部作」というらしい。 「空の中」って言うぐらいだから、これは航空自衛隊。 と言っても、物語は自衛隊内部の事だけじゃないので、そう言うのに興味がなくとも楽しめると思います。 それにしても、この作者、女性のくせに相当な武器オタクですが。 ただ、SFチックな話なので、その辺ちょっとダメな人も居るかもね。 やっぱり有川浩は外れがないねぇ。 「塩の街」、「図書館戦争」、「県庁おもてなし課」、「空飛ぶ教室」… 全部、読みたいわ。
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男前な武田光稀! 彼女から最っ高にかわいい言動を引き出す春名髙巳。 この2人の関係がめっちゃ心地よいわ〰️♪ お話自体は単純な筋なんだけど、え?これどうやって収拾させるの?とワクワクドキドキさせる有川浩節。 解説の新井素子さんにも感動! 読め。 面白いから。
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少年が心を閉ざし悩むところと幼馴染がそれをどうもすることができない葛藤が切ない。 謎の物体の心理描写が分析されて行くところは面白い。
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「塩の街」と同じくあり得ない状況だけど、読んでいるうちに、もしかしたら、あり得るかもと思えてきちゃった。高巳と光稀のやりとり、瞬と佳江のお互いを思いやるが故のもどかしい感じに、今作品でも胸キュンしちゃいました。そして心の底にズシリとくる宮じいの流石な言葉の数々。有川さんの登場人物...
「塩の街」と同じくあり得ない状況だけど、読んでいるうちに、もしかしたら、あり得るかもと思えてきちゃった。高巳と光稀のやりとり、瞬と佳江のお互いを思いやるが故のもどかしい感じに、今作品でも胸キュンしちゃいました。そして心の底にズシリとくる宮じいの流石な言葉の数々。有川さんの登場人物って、ほんと温かいなぁ。
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いやぁ、よかった!! ディック/フェイクも、主人公達もとてもよかった!特に春名と武田三尉最高!!好き!! そして、やはり宮じいだよね…泣いた…こんなおじいちゃん近所に1人はほしい… クジラの彼をもう一度読みたくなったなぁ
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久しぶりの2回目。新たな気持ちで読みました。 やっぱり有川さんって感じ!読みやすい。 追加の仁淀川の神様、に泣かされ号泣でした
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2004年作。 気晴らしになるような胸躍るエンタメ小説が欲しくなって買っておいた本だが、巨大な生物が出現するSF小説で、さほど胸躍るエンタメでもなかった。 「先を早く知りたく」はなったのだが、ここで示される人間観は非常に浅はかで、皮相的、したがって駆り立てられる情動が湧いてこ...
2004年作。 気晴らしになるような胸躍るエンタメ小説が欲しくなって買っておいた本だが、巨大な生物が出現するSF小説で、さほど胸躍るエンタメでもなかった。 「先を早く知りたく」はなったのだが、ここで示される人間観は非常に浅はかで、皮相的、したがって駆り立てられる情動が湧いてこず、何とも退屈しながら読んだ。 この薄っぺらな「意味」の網目は、日本のアニメに似ている。じっさい、本作はアニメ映画のノベライズものと言った方がふさわしいような品質である。人物たちの言動はいかにも芝居がかっており、作者の人間観察の薄っぺらさが如実に出て彼らにはリアリティが無く、そのためにアニメレベルのちゃちな世界観に終止する。たとえば若い女性が登場したと思ったら、彼女たちが「かわいい」かどうかで価値判断され、みんなかわいくて嬉しい、そんな他愛も無い欲望がストレートに顕れるだけだ。 あとがきを読むと「大人ライトノベル」が書きたかったという話が書かれていて、なるほどそうか、と思った。ライトノベルだったのである。大人が真面目に読むものではないし、アニメ映画で表現されればいいものを予算がないために小説で書いてみました、といったところか。 おまけにところどころ言葉遣いがおかしい。明らかに間違っているというわけではないかもしれないが、奇妙な、不自然な言葉の組み合わせが見られた。最近は言語能力の低い人でも作家になれるようだから、こんなものか。
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恋愛要素はオマケで良いくらい。 瞬と佳江と宮じいのストーリーがとても良い。 宮じいの言葉ひとつひとつが深い。 同時にストーリーが進んでいくが、絶妙にその2つが絡まっている。 私にも宮じいのような人が身近にいて欲しい。
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