オテル モル の商品レビュー
ホテルの場所設定が魅力的。 ニヤニヤしている間に読了。 家族って、ふわーっとしているくらいが丁度いいのかも。 おやすみなさい。
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『約束もしないで誰かをひたすらに待ち続ける』 不思議。と一言で片付けて仕舞えばこの物語は終わってしまう。 ただ素晴らしい眠りを提供するためだけに作られたオテルは、客従業員全員が心から安眠快夢を望み、それぞれの思考に影響を及ぼすくらい不安定なバランスで成り立っている。 主人公...
『約束もしないで誰かをひたすらに待ち続ける』 不思議。と一言で片付けて仕舞えばこの物語は終わってしまう。 ただ素晴らしい眠りを提供するためだけに作られたオテルは、客従業員全員が心から安眠快夢を望み、それぞれの思考に影響を及ぼすくらい不安定なバランスで成り立っている。 主人公はまるで自分は無害であるような顔して、静かに狂い、主人公の双子の妹はその矛盾を埋めるようにピエロを演じている。 世界はその世界を覗く人の数だけ広がっている。重なり合った世界は、夢の中でだけ調和を保ち、心の歪みを拭い去っていく。 読み終わった時、すごく満足した。とても良いものを読んだと感じた。わたしが覗く世界も、こんな風に狂っていて美しくて、苦くて優しい。今日の睡眠はきっと特別なものになる、そんな予感がある。
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よぎるのは双子の妹沙衣のこと、まつわる家族のこと。 そんな希里の働きはじめたこのホテル、地下13階建てである。 これだけでもう「ん?」となる。 たしかにねむりというのは、実体のあるようなないような不思議な時間空間かもしれない。 淡々と語られる難しい現実と、あいだに流れるゆるやか...
よぎるのは双子の妹沙衣のこと、まつわる家族のこと。 そんな希里の働きはじめたこのホテル、地下13階建てである。 これだけでもう「ん?」となる。 たしかにねむりというのは、実体のあるようなないような不思議な時間空間かもしれない。 淡々と語られる難しい現実と、あいだに流れるゆるやかでちょっとしたおかしさのある空気感。 希里とホテルには似ているところがあるような気がした。 3冊目を読み終えて、やっぱり好きだな栗田さん。
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眠りについて本を読みたくなったら手に取りたくなる一冊 これは時期的にすばるで読んだのかしら、それとも芥川賞予想で候補先読んで行ったときに読んだのかしら。なんとなく、単行本で読んではいなかった記憶があります。 そのあと出たマルコの夢は単行本で読んだけど興味はなく、それで栗田作品...
眠りについて本を読みたくなったら手に取りたくなる一冊 これは時期的にすばるで読んだのかしら、それとも芥川賞予想で候補先読んで行ったときに読んだのかしら。なんとなく、単行本で読んではいなかった記憶があります。 そのあと出たマルコの夢は単行本で読んだけど興味はなく、それで栗田作品は以降読まなかったな。 ただ、この間の白河夜船を読むにあたって、眠くて眠くて仕方がない物語に対して、眠るためのホテル、眠りに困っている人への物語をあてがいたかったのですね。 それで、約10年ぶりの再読です。 いいわぁ。このホテルの具合を想像していくだけで眠くなりますよ、私は。 読み進めて行って、ああああ双子だった双子だったから、その家族のいびつさを読み返し、ああそうだった! と思い出す。 フレンチトーストがインパクト強い場面に出てくる、という思いだけあったのでフレンチトースト出てきて衝撃的なシーンを見て、そうか、そうかこれだったぞとまた思いっきりパンチ食らい直します。 このシーンを読むと、風味絶佳が誘発されて、読みたくなるという小説数珠繋ぎ。ああこれも読み直すか。 女の子はなんだって言ってたかなぁ・・・。 この本の妙に美しいラストがこの年になると逆にしっくりこなくなってきた場面もありますが、また眠りについて本を読みたくなったら、白河夜船と共に、読みたくなるのでしょう。そして読んだら風味絶佳を読みたくなるのでしょう。
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作品中には色々と不条理なことが起こっているのに、悲惨さが強調されることなく描かれているのは、登場人物がみな、置かれている状況にただただ適応しようとしているから。作品中に良い意味で匂いや音を感じないのも新鮮だった。読後感は不思議な感覚。現実を見たのか、それとも夢を見たのか…といっ...
作品中には色々と不条理なことが起こっているのに、悲惨さが強調されることなく描かれているのは、登場人物がみな、置かれている状況にただただ適応しようとしているから。作品中に良い意味で匂いや音を感じないのも新鮮だった。読後感は不思議な感覚。現実を見たのか、それとも夢を見たのか…といった感じ。
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やっぱり栗田さんはいいなあ 昔ナツイチの冊子で見てあー面白そうと思って、でも気に留めたのはその一瞬で忘れてたんだけど、後日図書館でふっと目が合って借りた すごくぴたりとはまった 数年後に古本屋で、絶対なにかに出会えるはずと思って目を走らせてたら、今度は文庫本と目が合った やっぱり好き
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良質な眠りを提供する事が目的のホテル(オテル)が舞台なだけあって、読んでいる際に何度か眠くなった。 特に主人公の希里が、勤務中の眠りをこらえるシーンなんか一度本を置いてしまった。 常連客にしても外山さんにしても、不思議なキャラクターだった。 2015.2.24
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熟睡と快夢の提供を目的にした会員制ホテル「オテルモル」で働きはじめる主人公。オテルモルはとっても不思議なホテルで、いったいどういうカラクリのホテルなのかと、興味津々で読み進めた。さまざまな謎は、結局最後まで解明されないのだが、その奇妙さが読了後の余韻になって、不思議な感覚を味わうことができた。単なる職業小説というわけではなく、主人公の日常生活は波乱万丈で、日常生活の描写になると、少し重苦しい描写になる。小説が進むと、日常生活の数々の問題とオテルモルが巧みに結びついていくことを期待していたが、結局、最後まで、直接的には結びつかなかった。私は、この作品の不思議な世界観に魅了されてしまった。
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再読。もーのすごく眠かったので選んだ。やっぱりすごくいい。物語の空気感も主人公も魅力的。良質な眠りを得るための一体感。ぼんやり眠たくなるけど、読み終わったら素晴らしいサーヴィスについてちょっと我が身を振り返ったり。うん。よかった。
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久方ぶりにうーんと沈黙。 地下ホテルと家族の連関の必然性が見えない、妙に平仮名が多くその意図が分からんなど、まるで当方のセンスを問い質している感じさえありますが、何を言われようと面白ないものは面白ない。 あと食べ物の描写がイマイチ、美味しそうに見えませんでしたわ。
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