葉桜の日 の商品レビュー
鷺沢さんの本。この作品は彼女が21歳、22歳のときに書いた短編が2作入っている。 解説で山田太一が言っているように、本当にすばらしい作家だ。若さを女性を感じさせない落ち着いたしっかりした作品。確かに。帰れぬ人々よりは微妙だが。でも、やっぱり落ち着いた素敵な小説を書く人だ。
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「葉桜の日」と「果実の舟を川に流して」の二作。過去にどう向き合い、今をどう生きるか。二作に共通するテーマはこれだと僕は思った。「葉桜の日」では、自分の出生、いわば生まれ背負った宿命に対し、目をそむけながらも強気に生きる志賀さんが印象的だ。「果実〜」では、生きていく過程で生じたズレ...
「葉桜の日」と「果実の舟を川に流して」の二作。過去にどう向き合い、今をどう生きるか。二作に共通するテーマはこれだと僕は思った。「葉桜の日」では、自分の出生、いわば生まれ背負った宿命に対し、目をそむけながらも強気に生きる志賀さんが印象的だ。「果実〜」では、生きていく過程で生じたズレをどこかで引きずりながらも、陽気に生きようとする人達がたくましい。僕は過去を割り切って生きれるほど強いタイプではないので(笑)、この作品には非常に考えさせられる部分が多かった。それにしても、若くしてこれほど素晴らしい小説をお書きになった鷺沢さんはやはりすごいと改めて感じた。ご冥福をお祈りしたい。
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