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禁断の市場 の商品レビュー

3.4

16件のお客様レビュー

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2020/08/26

天才、ブノワマンデルブロの本。 金融業界って正規分布という砂上の楼閣、「月並みの国」の統計をベースに頭の良い人たちによる攻略法の研究が勧められた。 しかし、この正規分布という土台が現実に即していないという悲しい事実を考えると、金融業界のこの取り組みって結局お遊びじゃん......

天才、ブノワマンデルブロの本。 金融業界って正規分布という砂上の楼閣、「月並みの国」の統計をベースに頭の良い人たちによる攻略法の研究が勧められた。 しかし、この正規分布という土台が現実に即していないという悲しい事実を考えると、金融業界のこの取り組みって結局お遊びじゃん...となるな 地動説を示す証拠がバンバン出てるのに、天動説を信奉する感じ。 現代は知らないけどコンピュータを一番使うのは金融業界らしい。どこに投資したら儲かるかというシミュレーションをやりまくるから。 マンデルブロの登場、フラクタルという概念の誕生が金融業界に与えた衝撃は計り知れない。 統計における尖度:料理における辛さ。正規分布からどれだけ離れてるか(正規分布は3 ) フラクタル→単純な規則の再起的な繰り返しで自然物のような複雑な造形が作れる。雪の結晶、海岸線のギザギザ、鳥の羽、銀河の分布。 ・複雑性は単純なもの繰り返しで発生する ・初期値の違いが最終結界大きな影響を与える→未来は予測できない。 フラクタルの次元→N回目とN+1回目の規則の繰り返しにより発生する面積や体積の増加割合の比率。4 ・過去の価格は未来にも影響する。独立ではない。 ・対数グラフをとると直線→冪乗則 バブル→真の価格との乖離、時間の経過とともに期待が膨らむ。そしてそれは突然弾ける。いつ弾けるかは全くわからない ・タイミングはとても重要。巨額の利益と損失は短期間に集中して起こる。 ・市場は正規分布で測られるリスクよりもハイリスク ・価格は不連続にジャンプする ・市場での時間は人によって進み方が違う(取引量とボラ ) ・価格の予想は無理だがボラの予想は可能 1980年、S&Pインデックスは40%の利益が10日間に集中

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2019/10/29

市場の時間は相対的である。 運が3つのランダムに支配されている。マイルド型、ワイルド型、その中間のスロー型。 今までの金融工学は、マイルド型の世界と考えられてきたが、実際はそうではない。 資本資産価格モデル(CAPM)、現代ポートフォリオ理論(MPT)、ブラックショールズの公式...

市場の時間は相対的である。 運が3つのランダムに支配されている。マイルド型、ワイルド型、その中間のスロー型。 今までの金融工学は、マイルド型の世界と考えられてきたが、実際はそうではない。 資本資産価格モデル(CAPM)、現代ポートフォリオ理論(MPT)、ブラックショールズの公式、の3つは正統派の金融理論。しかし、砂上の楼閣である可能性もある。 変動幅と価格は正規分布にならない。中央は高く、肩は低く、裾は太い。 べき乗則に従う。対数グラフでは直線になる。 物理学では大きなスケールと小さなスケールには大きなギャップがある。 宇宙は相対性理論、日常的なスケールはニュートン力学、電子は量子力学。 相場は、正常なときと異常な時で分布が違う。 価格の予想は無理。しかしボラティリティなら予測可能。ボラが大きいときは大きい、小さい時期は小さい。上がるか下がるかはわからない。

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2018/03/31

金融工学の理論の系譜について解説している。 理論よりもそれを作った人やその経緯についてが詳しい。 1市場は乱高下するもの 2市場とは、極めてリスクが高いものである。既存の金融理論では決して起こるはずのないリスクが現実には起こる。 3市場のタイミングは極めて重要。巨額の利益と損失は...

金融工学の理論の系譜について解説している。 理論よりもそれを作った人やその経緯についてが詳しい。 1市場は乱高下するもの 2市場とは、極めてリスクが高いものである。既存の金融理論では決して起こるはずのないリスクが現実には起こる。 3市場のタイミングは極めて重要。巨額の利益と損失は短期間に集中して起こる。 4価格はしばしば不連続にジャンプする。そして、それがリスクを高くする。 5市場での時間は、人によって進み方が違う。 6いつでもどこでも市場は同じようにふるまう。 7市場は本来不確実であり、バブルは避けることができない。 8市場は人をだます 9価格の予想は無理。しかし、ボラティリティの予測は可能。 10市場における価値は、限定された価値。

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2013/09/02

The (mis)behavior of markets: A Fractal View of Risk, Ruin, and Reward ― http://www.toyokeizai.net/shop/books/detail/BI/615e4307485bbf1689...

The (mis)behavior of markets: A Fractal View of Risk, Ruin, and Reward ― http://www.toyokeizai.net/shop/books/detail/BI/615e4307485bbf1689076525fc0e5702/

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2013/07/13

正方形の土地の面積は一辺の長さの二乗に比例して増加します。一辺が2倍になると面積は4倍になり、一辺の長さを3倍すると面積は9倍になる。もう一つは万有引力です。宇宙船から地球までの距離が2倍になると地球の引力は1/4になる。 資本資産価格モデル(CAPM)、現代ポートフォリオ理論...

正方形の土地の面積は一辺の長さの二乗に比例して増加します。一辺が2倍になると面積は4倍になり、一辺の長さを3倍すると面積は9倍になる。もう一つは万有引力です。宇宙船から地球までの距離が2倍になると地球の引力は1/4になる。 資本資産価格モデル(CAPM)、現代ポートフォリオ理論(MPT)、ブラック=ショールズの公式の3つは、正統派の金融理論において最も重要な要素です。 シェイクスピアの「ヴェニスの商人」にみる分散の妙 「ありがたいことに、荷は一つの船だけに運ばせているわけではないし、一つのものにだけ投資しているわけでもない。ぼくの全財産のすべて今年の運にかかっているわけでもないんだ。だから船荷のことで心配することはないのさ。」 CAPMを使うと、投資家が期待するだけのリターンを生み出すためには向上が最低限どれだけの利益を生み出さなければいけないか、という「ハードル値」をも設定できるようになる。 ブラックショールズの公式はリスクに値段を付けているのです。

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2013/02/27

長いので読むのは大変でした。ランダムウオークが一般的な理論だと思っていた私にとって、フラクタル理論の方が、確かに現実のチャートを的確に表現しているなと思った。 「価格の上り下がりを予測することはできないが、価格の変動は確率に関する数学的法則によって表すことができる。それ故にリスク...

長いので読むのは大変でした。ランダムウオークが一般的な理論だと思っていた私にとって、フラクタル理論の方が、確かに現実のチャートを的確に表現しているなと思った。 「価格の上り下がりを予測することはできないが、価格の変動は確率に関する数学的法則によって表すことができる。それ故にリスクを予測することができる」  つまり、フラクタル理論が分かったからと言って、もちろん株の予想屋になることはできないが、リスクに対する予防措置はとることができると思う。そしてリスクは想定外に起こりうるものだということ。  これだけはしっかり押さえておかないと、痛い思いをするということだ  

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2012/11/23

前半では金融工学が辿ってきた歴史を見る. 理論を理解した上で,現在の金融工学を砂上の楼閣だと批判し,理論と現実のどこに乖離が存在しているかを指摘している. マルチ・フラクタルが実際の金融モデルにも使われている.らしい. 一部のヘッジファンドでも使っているとか.

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2018/10/31

・試行間に相関がないコイン投げの場合は平均の変動幅は試行回数の平方根で見積もられる。結果間に相関がある自然界では、変動の幅は時間の3/4乗で広がる。

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2012/02/11

 「なぜナイル川が氾濫するか分からなくても,どれくらい氾濫するか知りたい」と書かれているが,被害の大きさを見積もることの重要性を説明すると共に,古典的な方法と著者の提唱するマルチフラクタルモデルを説明している.    フラクタル,べき乗則まではなんとなく分かるが,金融にどう使われ...

 「なぜナイル川が氾濫するか分からなくても,どれくらい氾濫するか知りたい」と書かれているが,被害の大きさを見積もることの重要性を説明すると共に,古典的な方法と著者の提唱するマルチフラクタルモデルを説明している.    フラクタル,べき乗則まではなんとなく分かるが,金融にどう使われているかは全く分からなかった.  リスクを算出するための古典的なランダムウォークモデルは,①マルチンゲール(明日の最適な期待価格は今日の価格によって与えられる),②価格変異の独立性(明日の価格は今日と無関係),③価格変異の正規性(正規分布に従う).②と③が正しくないために,1998年8月のロシアの流動性危機(2000万分の1=10万年に1度あるかないか),1987年10月19日のブラックマンデー(10の50乗分の1)というようにリスクを正しく見積もることができない.  著者は,(a)長期記憶(価格の変化は過去の変化から独立ではなく,ある種の記憶を持って変動する),(b)価格はべき乗則に従う,という点から,マルチフラクタルモデルを発明し,ボラタリティ(価格の変異の絶対値)とリスクを計算する手法を提案している.  例えば,VaR(Value at Risk)において「資産が12%以上変動する確率は5%以下である」とした場合で考えると,前者(ランダムウォークモデル)は5%に当たってしまっても,12%程度の被害で済むようなモデルである,しかし,現実は5%に当たってしまうと,▲12%から▲無限大の被害になる.マルチフラクタルモデルを使ってモンテカルロシミュレーションを繰り返し,確率と被害をしっかりと見積もることが重要である.

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2012/01/09

素人には難しく、結局フラクタルとはどういうもので、どう活用できるのかが想像できなかった。 もっと勉強して読みなおしたい。

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