人間の測りまちがい(上) の商品レビュー
2022年12月 白人男性による測り間違い、差別の歴史である。有色人種、黒人、女性は劣っている…なぜなら… 測り方、統計の計算方法の選択は自分の仮説を"証明"するように数字を容易に変容させていく。無意識のうちに自分の差別意識を正当化する研究結果を出してしまう。...
2022年12月 白人男性による測り間違い、差別の歴史である。有色人種、黒人、女性は劣っている…なぜなら… 測り方、統計の計算方法の選択は自分の仮説を"証明"するように数字を容易に変容させていく。無意識のうちに自分の差別意識を正当化する研究結果を出してしまう。 読みやすい本ではないが読むべき本だと思う。愚かな主張の歴史を辿るのはぐったりする。しかし読んでいるうちに自分の偏見による思い込みにも気付かされる。
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[ 内容 ] <上> 人種、階級、性別などによる社会的差別を自然の反映とみなす「生物学的決定論」の論拠を、歴史的展望をふまえつつ全面的に批判したグールド渾身の力作にして主著。 知能を数量として測ることで、個人や集団の価値を表すという主張はなぜ生まれたのか。 差別の根源と科学のあり...
[ 内容 ] <上> 人種、階級、性別などによる社会的差別を自然の反映とみなす「生物学的決定論」の論拠を、歴史的展望をふまえつつ全面的に批判したグールド渾身の力作にして主著。 知能を数量として測ることで、個人や集団の価値を表すという主張はなぜ生まれたのか。 差別の根源と科学のあり方を根底から問いかえすための必読の古典。 <下> 進化論の第一人者にして科学エッセイストであるグールドが科学の名のもとに「人間」を測ることを徹底的に検証しつつ告発した歴史的名著。 下巻はその迫真の結論とともに知能が人種・民族によって決定されているとする『ベル・カーブ』への批判などのエッセイを収録。 あらゆる差別と偏見とたたかうために読み継がれるべき書。 [ 目次 ] <上> 第1章 序文 第2章 ダーウィン以前のアメリカにおける人種多起源論と頭蓋計測学―白人より劣等で別種の黒人とインディアン(共有された文化の状況;進化論登場以前の科学的人種差別論の二つのスタイル―人種単起源論と多起源論 ほか) 第3章 頭の計測―ポール・ブロカと頭蓋学の全盛時代(数学の魅力;頭蓋計測学の大家―ポール・ブロカとその学派) 第4章 身体を測る―望ましくない人びとの類猿性の二つの事例(我々にはみんなサルの状態があった―反復現象;我々の誰かに存在するサル―犯罪人類学) 第5章 IQの遺伝決定論―アメリカの発明(アルフレッド・ビネーとビネー尺度の本来の目的;H.H.ゴダードと精神薄弱児の脅威 ほか) <下> 第1章 IQの遺伝決定論―アメリカの発明(承前)(R.M.ヤーキーズと陸軍知能テスト―IQ時代の到来;心理学の急成長 ほか) 第6章 バートの本当の誤り―因子分析および知能の具象化(シリル・バートの事例;相関、原因および因子分析 ほか) 第7章 否定しがたい結論(実証科学として誤りを暴露すること;誤りを暴露することによる学習 ほか) 『ベル・カーブ』批判(『ベル・カーブ』;不誠実な内容 ほか) 三世紀間に見られた人種に関する考えと人種差別主義(古くから見られた思考と悪臭についての謬論;人種の幾何学 ほか) [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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上下巻に分かれていて、量的にも質的にも読みごたえがあります。 内容は、これまで人間が人間をどのように測定して、人種や民族での分類と科学的調査を関連づけようとしてきたのかの歴史が細かく書かれています。 もう少し詳しくは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijo...
上下巻に分かれていて、量的にも質的にも読みごたえがあります。 内容は、これまで人間が人間をどのように測定して、人種や民族での分類と科学的調査を関連づけようとしてきたのかの歴史が細かく書かれています。 もう少し詳しくは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120429/1335667748
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骨相学による人種的優劣からIQテストによる知性の序列化まで、「人間の知的優秀さ」を明らかにしようとした過去3世紀にわたる試みの挫折を追う。取り上げられている事例それぞれも興味深いが、なにより「学問における誠実な姿勢とはなにか?」という根源的な問いを、改めて考えずにはいられない。...
骨相学による人種的優劣からIQテストによる知性の序列化まで、「人間の知的優秀さ」を明らかにしようとした過去3世紀にわたる試みの挫折を追う。取り上げられている事例それぞれも興味深いが、なにより「学問における誠実な姿勢とはなにか?」という根源的な問いを、改めて考えずにはいられない。統計上の不備やア・プリオリな価値観に縛られ、大いなる失敗として人類史に名を遺すことになった彼らであっても、その当時にあっては間違いなく第一級の知性の持ち主と考えられており、また主観的には科学的な事実としてその学説を主張したはずである。そして「人間の頭がい骨の容量と知性は比例する」という素朴な考えを実証しようとするのは実に科学的な発想であって、本来そこに批判されるべきいわれなどありはしない――本書で明らかにされているような恣意的な操作が認められなかったならば――。 チェンバレンからヒトラーに「文化創造的人種」という考えが伝承されたのをその頂点として、本書内で扱われている学説は、大いに政治的な言説として盛んに援用された。改訂版で新たに批判されているBell Curveもまた同様に政策提言の色彩が濃く、その流れは現代まで綿々と続いている。しかしだからといって、そのイデオロギッシュな側面だけを強調してこれらを批判することもまた不適切だ。目の前で確かに起こっている現象、格差の原因を探求し、その改善のためにささやかな手立てを考案することをまったく試みようともしない人間が、果たしてまともな学者といえるだろうか。 (一時中断、後日加筆)
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第1章 序文 第2章 ダーウィン以前のアメリカにおける人種多起源論と頭蓋計測学 第3章 頭の計測 第4章 身体を測る 第5章 IQの遺伝決定論
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今見るとわざとデータを歪めているようにしか見えないけど(それはもう笑えるくらい可笑しなデータもある)、当時の科学者(の多くは)本気で正しいと思っていたのだろう。 科学もあくまでその社会の中でのものなんだなあ。 今科学的に絶対だと思っていることももしかしたら・・・と思うとおもしろい...
今見るとわざとデータを歪めているようにしか見えないけど(それはもう笑えるくらい可笑しなデータもある)、当時の科学者(の多くは)本気で正しいと思っていたのだろう。 科学もあくまでその社会の中でのものなんだなあ。 今科学的に絶対だと思っていることももしかしたら・・・と思うとおもしろい。
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