猫道楽 の商品レビュー
古本屋で題名に惹かれて読み始めました。 元々猫に関係する話なのだろうな、と思って読んでいましたが、読み進めるうちに雰囲気が変わっていき「これが、、あれなのか?」と訝しみ始めました。 別に僕はこの手の本が嫌いなわけではなく、全く触れてこなかった分野なものだけに少し警戒していたのです...
古本屋で題名に惹かれて読み始めました。 元々猫に関係する話なのだろうな、と思って読んでいましたが、読み進めるうちに雰囲気が変わっていき「これが、、あれなのか?」と訝しみ始めました。 別に僕はこの手の本が嫌いなわけではなく、全く触れてこなかった分野なものだけに少し警戒していたのです。何に警戒したのかはわかりませんが。 ただ物語に用いられる言葉や雰囲気がとても官能的なのはずっと感じており、それらにとても魅力を感じました。登場する家屋の描写もとても好みでした。 また、言葉の意味合いを含めて色々勉強になったのも確かです...。 改めて一通り読んだ自分を文字で表してみると、一郎とほとんど同じ道を辿っているのではないか?と少し不安になりました。 しかし、それも含めて心地よい読書体験でした。
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男性同士の恋愛要素があると小耳に挟んで読書したのだが、思っていた数倍官能的だった。 猫ってそっちの猫ね〜!やられた〜! 物語に登場する4兄弟の妖艶な魅力に虜にされると同時に、1度踏み入れたら抜け出せないドラッグのような危うさも感じた。 世界観にこだわっているのか建物の内装描...
男性同士の恋愛要素があると小耳に挟んで読書したのだが、思っていた数倍官能的だった。 猫ってそっちの猫ね〜!やられた〜! 物語に登場する4兄弟の妖艶な魅力に虜にされると同時に、1度踏み入れたら抜け出せないドラッグのような危うさも感じた。 世界観にこだわっているのか建物の内装描写がとても丁寧。 特に4兄弟が暮らす《猫飼亭》は浮世離れしていて、その馴染みのなさが魅力的だと思った。 物語がオムニバスなだけあって、猫飼亭に訪れる猫は多い。自由気ままに生きるその様はまるで生き物の猫のようで純愛が好きな私は少々物足りなさを感じたが、最後に物語序盤で登場した2人の恋路が読めて満足した。 新品の傘を渡すことの隠語を初めて知った。言葉以上の思いを読者に想像させる余地を設けていて妄想が捗る捗る。 他にも散りばめられているであろう隠語を理解することで物語をより深掘りしていきたい。
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匂わせのおすすめとして名前が上がっていたから読んでみた。これは匂わせというよりもダイレクトにそれだった。最近のBLと呼ばれるものはよく読む方ではあるけど、これが耽美の世界感か〜。BLとは似て非なるもののような気がする。その家を訪れた瞬間から、非現実の空間に迷い込んでしまったような...
匂わせのおすすめとして名前が上がっていたから読んでみた。これは匂わせというよりもダイレクトにそれだった。最近のBLと呼ばれるものはよく読む方ではあるけど、これが耽美の世界感か〜。BLとは似て非なるもののような気がする。その家を訪れた瞬間から、非現実の空間に迷い込んでしまったような感覚で、話に出てきた4人の男性たちもそんな感じだったんだろうな。猫にされるって言うんだから、つまりそういうことなんだろうけども、どっちがどっちかすらも、華美で妖艶な雰囲気の文章で見事にぼやかされていた。隠喩が直接的な表現もあったけれど、その手のシーンはそんなになかったから特に違和感もなく読めたなあ。最後の2人の話、空気感めっちゃよかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・2月19日に読み始め、22日に読み終えました。 ・たぶん10年?とかぶりの……再読でした! 長野まゆみで初めて読んだのがこれだったと思う。いや~~なんか、思ってたよりかなりド直球だったね……?? ・以前三浦しをんの書く色っぽめシーンを読んだとき、長野まゆみの匂わせる感じに慣れてたから三浦しをんは直接的でビックリだ~みたいなこと書いた気がするんですけど、長野まゆみもこれ……作品によっちゃしっかりだわ。耽美な雰囲気に惑わされてたけどしっかりだわ。 ・話の大枠だけ覚えてて内容はほとんど覚えてなかったんだけど、唯一3章だけ、当時読みながら想像してたデパートの提灯売り場ははっきり覚えてた。想像の景色が強く残ってるのは不思議だね。覚えてたからかわからないけど、3章が一番好みかも。長野まゆみの十八番というか、兄弟間の切なさ…… ・兄弟といえば、猫飼亭の四兄弟が全員異母兄弟なのもすごい、フェチを感じます。 ・これはフォロイーとお話してて出た話題なんだけど、やっぱ長野まゆみ作品固有の倫理観というか、(これは慣れてるからかもだけど)現実世界に照らしたらおかしいんだけど長野まゆみの文章だからこそスルッと受け入れられる設定とかが気持ちいいね。長野まゆみッ……読んでるッ……!!って気持ちになる。 ・全編通してお風呂のシーンがだいぶ多いの、やっぱり注文の多い料理店のオマージュだったりするのかな。 ・あと傘が結構出てくるのも。傘っていうモチーフはもちろん、それが男物か女物かでもかなり区別してるね。それ思うと、彫刻を施した持ち手で銀の房飾りがついてる立派な傘を見て猫飼亭までつけていったのってかなり…かなりだな。レモンタルトでも傘の話、あったな。 ・最初と最後でお話が繋がってるのよかったね。長野まゆみの主人公攻め(に見えた)って珍しくない……?女物の傘を渡すのとかさ…… 良かったね。 ・最近だいぶ再読の気持ち高まっているので、それこそレモンタルトとかもう一度読みたいなと思います!
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読了。猫飼亭の主人とその兄弟と、そこを訪れる人との不思議な世界。BL?官能小説?だけど直接的な表現はされておらず、綺麗な文章の中に妖艶な状態が織り混ざっている。独特で不思議な世界に迷い込んだ感じでした。
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長野まゆみさんの本を初めて読みました。可愛らしい表紙に惹かれて購入し、猫が出てくる幻想的なファンタジーだと思って読んでみたら…びっくり!でした。不思議な世界って、そういうことだったのですね。
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「猫」道楽、ね。 好きな人は好きな雰囲気の物語。 〈猫飼亭〉の屋敷の中のクラシカルな、薄暗い屋敷の中でキラキラしたものに囲まれているような感覚。 文庫自体も余白が多く古臭さが漂う感じも良い。 (一行35文字・一ページ14行、他の出版社の文字数・行数まで調べてしまい、河出文庫はダ...
「猫」道楽、ね。 好きな人は好きな雰囲気の物語。 〈猫飼亭〉の屋敷の中のクラシカルな、薄暗い屋敷の中でキラキラしたものに囲まれているような感覚。 文庫自体も余白が多く古臭さが漂う感じも良い。 (一行35文字・一ページ14行、他の出版社の文字数・行数まで調べてしまい、河出文庫はダントツに余白が多いことを知った、、、。) 3、の話では淳也のもどかしさが伝わり涙を誘われた。 どの話でも男たちが満たされていくのが艶めかしい。
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あはははは 長野まゆみさん、やっぱりBLなのね 日暮星のことば 「(略)どうせ、よけようとしても、べつの災難にぶつかる。何もかもがうまく進まない宿命なんだ。」 わたしもそうだな⋯(T‐T)
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男色の強い作品。 趣向が自分と異なるのであんまりでしたが、松下容子さんの絵柄でコミカライズを見てみたい気持ちはあります。
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日暮と一朗の話が一番好きだった 思ってた以上にガッツリBLでびっくりしたけど文章が綺麗でスラスラ読めた。 少しずつどこかで交わりを持つ登場人物達が物語を運んでいくのがおもしろい。猫が可愛かった。
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