恋人たち の商品レビュー
2008.08.18. 野中さんらしいラブストーリー。ちょっと理想的過ぎる感じもあるけど、私は好き。
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私の足にはめられた枷。ひとには限界があることを、それは私に教えようとしているのだろうか。でも、自分自身の可能性を無限だと妄信するよりも、微かな諦念は、ずっとやすらかな境地をもたらしてくれる。 うんうん。
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歳の離れた大貫と彩夏、事故で失明した舞子と恭一。2組の恋人たちがマチスの画集と古い写真に導かれ、それぞれの未来に向かって歩き出す物語。生活臭のない物語だけど、登場する人物はみな透明な空気を持ち、気持ちよい人に描かれていて、好きです。
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どこか世捨て人的な年上の恋人と暮らす主人公の女性。 共通の友人であった彼女の運転で、友人を亡くした男性。 自分の運転で恋人を亡くし、視力もなくした女性。 それぞれが淡々と、どこか相手の領域を侵さぬように暮らしているカップル。 だけれど、絡み合うことでいろんな変化が生まれてきて、...
どこか世捨て人的な年上の恋人と暮らす主人公の女性。 共通の友人であった彼女の運転で、友人を亡くした男性。 自分の運転で恋人を亡くし、視力もなくした女性。 それぞれが淡々と、どこか相手の領域を侵さぬように暮らしているカップル。 だけれど、絡み合うことでいろんな変化が生まれてきて、 領域の変化に戸惑い合う内容。 今日一日を、きちんと。 変化を受け入れる勇気。 日々の小さなことで満たされることの、貴重さ。 忘れがちな大切なことを気づかせる一冊です。 今の私にはちょっとつらい。かな。
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なんだか上品な小説だった。 泥臭さの正反対をいくような、まるで生活感を感じさせない、けれど、別にうわっつらの偽物とも思わない、 自分がいる世界とはまた別の世界のお話。 主な登場人物は広告代理店勤務の大貫さん。 大貫さんのマンションに居候している恋人なのか同居人なのか立場は曖昧な...
なんだか上品な小説だった。 泥臭さの正反対をいくような、まるで生活感を感じさせない、けれど、別にうわっつらの偽物とも思わない、 自分がいる世界とはまた別の世界のお話。 主な登場人物は広告代理店勤務の大貫さん。 大貫さんのマンションに居候している恋人なのか同居人なのか立場は曖昧な絵描きの彩夏。 事故で視力を失ったものの、それを感じさせない凛としたたたずまいの舞子。 舞子のそばに寄り添うようにして暮らす恭一。 大貫さんは40代だけど、後の3人は20代後半。 なのに、みんな妙に落ち着いている。 余計な事を語らない。言葉にしない。 語り手が彩夏になり、恭一になり、そして周囲の様子が少しずつ明らかになる。 でも、語られない事の方が多い。 その語られない部分がなんだか透明ですっきりしている。 彼らを結びつけたものはマチスの画集。 あんなに色彩にあふれているのに、実際の彼らからは鮮やかな色彩よりはもっと薄く繊細な色合いを感じる。 うまく説明はできないけれど、小説の中の世界は割と居心地がよかった。 今までに体験したことのない場所だけど。 彼らの「今」がうまく切り取られていたからかもしれない。
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