恋人たち の商品レビュー
久々に好きな文体の作家さんを見つけた!! 違う形の恋人達2組が偶然の導きで出会い、お互いの関係性に影響を与えていくお話。 最後の方は、予め終わり方を決めていてそこに残り数ページで帳尻を合わせていくような性急さが気になったけど、トータルして読みやすく寝る前の時間に読んで3日程で読...
久々に好きな文体の作家さんを見つけた!! 違う形の恋人達2組が偶然の導きで出会い、お互いの関係性に影響を与えていくお話。 最後の方は、予め終わり方を決めていてそこに残り数ページで帳尻を合わせていくような性急さが気になったけど、トータルして読みやすく寝る前の時間に読んで3日程で読了出来るボリューム感もよかった。
Posted by
大人の物語 みんなカッコいいし 素敵だった 含みを持たせて終わったから まだ続きそうな気もする
Posted by
主人公の彩夏は絵を書いていて、広告代理店の十五歳上の大貫さんと2年ほど同棲中。 でも、ふたりの間に明確なもの何もなくて、 『そばにおいてくれない?』 という彩夏の言葉で始まった生活。 恋人と言い切れる関係ではなく、 『でていきたくなったら、でていけばいいよ』 そんなゆるゆるしたも...
主人公の彩夏は絵を書いていて、広告代理店の十五歳上の大貫さんと2年ほど同棲中。 でも、ふたりの間に明確なもの何もなくて、 『そばにおいてくれない?』 という彩夏の言葉で始まった生活。 恋人と言い切れる関係ではなく、 『でていきたくなったら、でていけばいいよ』 そんなゆるゆるしたもので繋がっている。 (こういう設定は好き。でも、主人公の彩夏の感じがあまり好きにはなれなかったな…) それから、もう一組。 大貫さんの昔の恋人に似ている恭一さんと、その盲目の恋人、舞子さん。 (舞子さんも苦手な感じ。このお話に出てくる女性陣が苦手なのか…) この二組のカップルが些細なきっかけで知り合い、お互いの家を行き来するなかで仲良くなっていく内に、それぞれの恋人へ気持ちを深めていく… 進むことを恐れてしまい、一つのところにとどまってしまった人たち…そんなお話でした。 正直、感情移入はあまりできませんでした。 けれど、野中さん独特のふんわりした世界観は味わえました♡
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
空気中の埃が、光を受けて、きらきらと光っているように見えることがある。 あるいは、雨上がりに、道端の草が水滴をはじいて輝いている、とか。 そんな、はっとするような感覚を、持続的に描くのが、この人はうまい。 主人公の彩夏は絵描きで、広告代理店の十五歳上の大貫さんと二年間、同棲している。 とはいえ、ふたりの間に明確なものはなにもない。 そばにおいてくれない? でていきたくなったらでていけばいいよ。 こんなゆるやかなもので、二人は繋がっている。 彩夏はふと彼の部屋で、マチスの画集に挟まっていた一枚の写真を見つける。 若かりしころの大貫さんと、その彼女の写真。 食事した店先で見かけた男性が、その彼女に似ている。しかもマチスの画集を持っている。 きわめつけに、一緒にいる女性、舞子に、彩夏は一目惚れに近い感情を抱き、絵のモデルになってくれるよう依頼する。 舞子は盲目だけれど快活な女性で、すこし強気で、恋人である恭一を翻弄する。 結婚しようと言えば笑って受け流す。 それは、彼女と恭一の過去のせいだった。舞子の恋人であり恭一の友人だった彼を舞子の運転する車の交通事故で亡くしてから、ふたりは、ふたりだけで構成される繭の中で生きてきた。 彩夏のことばを借りるならば「他人を不在にするような」空気感をつくって。 この物語は、どういう方向に転ぶのか途中まで全く読めなかった。 予定調和的な筋運びというよりは、神さまのさじ加減のように新しい波紋が落ちて進む形になる。 ギリシャ神話の巨人、アーガスの眼。 読み終えてタイトルを見て、あ、と思った。 「すでに恋人である人たち」というよりも、 「これから恋人であるべく進みだすひとたち」の、 恋人たち、ではなかろうか。 進むことを恐れてひとところに留まってしまった、 二組の男女。 野中柊さんの表現は抒情的で好きです。
Posted by
しっくりいっているようで、綱の上を慎重に進んでいるような危うげな調子だったり…。そんな2組の恋人同士を見守るようなおはなし。野中さんの、この空気感すきです。
Posted by
わたしも、マティスのあおが好きだ。 大貫さんの家に居候する、恋人とは言い切らない彩夏。 大貫さんの昔の恋人に似ている(ように二人には見えた)恭一さんと、その盲目の恋人、舞子さん。 女性二人の関係が、とてもいいなあと思った。 彼女らは、これからも歩いていく。 そして、彼らも。
Posted by
表紙の鮮やかな赤に引かれて。 もともとよく手に取る作家さんだったけれど、これは文句なく好みでした。 過去の傷を身に抱えている女性たちが出会う話。 作中で、損なわれたままの肉体を抱える女性が言います。 「私たちはあからさま。人生はリセットできないって、身を持って証明してる」 ...
表紙の鮮やかな赤に引かれて。 もともとよく手に取る作家さんだったけれど、これは文句なく好みでした。 過去の傷を身に抱えている女性たちが出会う話。 作中で、損なわれたままの肉体を抱える女性が言います。 「私たちはあからさま。人生はリセットできないって、身を持って証明してる」 過去の出来事は普段目には見えないけれど、それが彼女たちには目に見える形で現れて、他者にさらして生きている。 「私が世界を肯定的に受け入れた途端に、世界も私を温かく抱きしめてくれたような気がした」 こういった類のことを改めて誰かが言葉にしてくれることにほっとする。 つまり、自分次第、ということだと、改めて思えるから。
Posted by
二組のカップルがひょんなきっかけで知り合い、お互いの家を行き来して仲良くなっていく過程で、それぞれの恋人への愛情を深めていく、そんなお話でした。大きな愛で包み込むようにお互いを思いやり、お互いを大切に思いながら暮らすって、素敵だな。相方のことを心から大切に思っていたら、自分優先の...
二組のカップルがひょんなきっかけで知り合い、お互いの家を行き来して仲良くなっていく過程で、それぞれの恋人への愛情を深めていく、そんなお話でした。大きな愛で包み込むようにお互いを思いやり、お互いを大切に思いながら暮らすって、素敵だな。相方のことを心から大切に思っていたら、自分優先の度が過ぎることもないだろうし。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
だから、私も歩きだした。 15歳年上の大貫さんの家に転がり込んで、イラストを描く仕事をする彩夏。 マチスの写真集にはさまっていた、大貫さんとかつての恋人との写真。 その写真の人とそっくりな人を、レストランで偶然見つけた。 恭一と、目の見えない舞子だった。 何かの縁としか言えないような出会いを果たし、彩夏は舞子を描きはじめた。 目が見えないハンデを抱えても、堂々と臆することのない舞子と、それを見守る恭一と 自由奔放だけれど、年上故の落ち着いた、やわらかな優しさをもつ大貫さんがいて 力強く、だから、私も、前へ進む。 食べ物が読んでるだけで、おいしそう。 最後の一言がいいね!)^o^(
Posted by
図書館で。 野中さんは『ダリア』を読んで苦手意識をもっていたけど これを読んで、「そうでもないかもしれない」 と思い直した。 大貫さんの部屋に居候する彩夏。 大貫さんの昔の恋人に顔が似た男性がマチスの画集をもっていたことから その男性の恋人に絵のモデルになることを依頼する。 ...
図書館で。 野中さんは『ダリア』を読んで苦手意識をもっていたけど これを読んで、「そうでもないかもしれない」 と思い直した。 大貫さんの部屋に居候する彩夏。 大貫さんの昔の恋人に顔が似た男性がマチスの画集をもっていたことから その男性の恋人に絵のモデルになることを依頼する。 視点が途中で彩夏や恭一にわるのが、 そんなに不自然でない。 読みながら、大貫さんと彩夏がどうにかうまくいってほしいと願ってしまった。
Posted by
- 1
- 2