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切羽へ の商品レビュー

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148件のお客様レビュー

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2012/08/14

生まれ育った静かな島で、夫と穏やかで幸福な日々を送るセイ。ある日彼女の勤める小学校に新しい男性教師、石和がやって来た。島の人々に馴染まずどこか浮いた存在である石和にセイはなぜか惹かれてゆく。 何かが起こりそう、起こるだろう、そろそろ起こるだろう…あれ、終わっちゃった…。読み終わっ...

生まれ育った静かな島で、夫と穏やかで幸福な日々を送るセイ。ある日彼女の勤める小学校に新しい男性教師、石和がやって来た。島の人々に馴染まずどこか浮いた存在である石和にセイはなぜか惹かれてゆく。 何かが起こりそう、起こるだろう、そろそろ起こるだろう…あれ、終わっちゃった…。読み終わっての第一声はそんな感じ。表面上は石和が島に来る前となんら変わらないセイと夫との暮らし。本当にそこに新たな恋愛なんて生まれたのだろうか…と思うくらい。 恋愛小説としては好みがはっきり分かれるところだろう。私には少し物足りなかった。でも島の(方言からして九州、しかも長崎あたり?と思っていたら佐世保市の崎戸という島がモデルらしい)自然とか人々とか、何となく惹きつけられる雰囲気が作品全体に漂っていたので、読後感はそんなに悪くなかった。 ☆直木賞

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2012/07/29

愛し、愛され、夫との生活には何の不満もない。 それでも、突然現れた石和に、苛立ちや不安を抱きながらも、惹かれていくセイ。 彼女にはきっと最初から、石和に惹かれることが分かっていた。 なんとか理性で追い出そうとしても、いつの間にか彼が心の中に棲みついていることに気づく。 ...

愛し、愛され、夫との生活には何の不満もない。 それでも、突然現れた石和に、苛立ちや不安を抱きながらも、惹かれていくセイ。 彼女にはきっと最初から、石和に惹かれることが分かっていた。 なんとか理性で追い出そうとしても、いつの間にか彼が心の中に棲みついていることに気づく。 セイの気持ちが、じわりと伝わってきました。

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2012/06/25

綺麗な文章。穏やかな島でのやわらかな風が、急に向きを変え通り抜ける感じ。だが、その風は崖から海へ落ちる事は無く…切羽で戻る。セイの揺れる気持ちを表す言葉が幾つも散りばめられ、最後の一行まで見落とせない。石和に惹かれた理由は、しずかさんだけが見抜くのか!

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2012/05/14

これぞ井上荒野。 彼女の得意とするものが集結したような作品でした。 しあわせだけど、ものがなしくて、 さみしいような日常。

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2012/04/30

余韻と余白を楽しむ小説なんですね。 少し時代設定が分かりませんでした。 現代なんだろうけど…。 終始古いイメージ。 主人公と男のトンネルのシーンで一瞬ボッ気持ちが燃え上がるが そこ以外はゆるやかに「何か」を「感じさせる」小説だった。 しかしやっぱ別れ際のあの男のしぐさとか…...

余韻と余白を楽しむ小説なんですね。 少し時代設定が分かりませんでした。 現代なんだろうけど…。 終始古いイメージ。 主人公と男のトンネルのシーンで一瞬ボッ気持ちが燃え上がるが そこ以外はゆるやかに「何か」を「感じさせる」小説だった。 しかしやっぱ別れ際のあの男のしぐさとか…。 古りぃーな、まじで。と思ってしまう自分のひねくれ度なのか…。 ちょっとその瞬間、もともと低かった物語への熱がさらにさーっと冷めてしまった。

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2012/04/01

アフターザレインで借りてきた。「号泣できる恋愛モノを貸してくださたい」と伝えたのですが、その意が届いたかどうはかびみょうでござい。何よりも九州弁とかアゴとかおきゅうととか、舞台が気になって気になって集中できず。 で、感想は。うーーん、いまいち入り込めなかった。私は「妻」であったた...

アフターザレインで借りてきた。「号泣できる恋愛モノを貸してくださたい」と伝えたのですが、その意が届いたかどうはかびみょうでござい。何よりも九州弁とかアゴとかおきゅうととか、舞台が気になって気になって集中できず。 で、感想は。うーーん、いまいち入り込めなかった。私は「妻」であったためしがないので、そのせいということにしておきましょうか。絶対的な人生経験不足ということに。 3組(3.5組かな)の男女の話だね。そうだね。うん、「妻」の話だな。ゆるりと幸せ。ただ、それは安定ではなく不安定でもない。というイメイジ。

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2012/03/21

表題の意味がいまいち読み取れなかった。切羽が炭鉱の穴の先端という意味で穴が繫ってしまえば切羽は無くなる。主人公の奥さんの不倫とも言える恋愛のような行動も相手が消えてしまい恋愛が無くなったという解釈でよいのだろうか。不倫を不倫と認識しようとしない主人公の旦那が不憫でならなかった。あ...

表題の意味がいまいち読み取れなかった。切羽が炭鉱の穴の先端という意味で穴が繫ってしまえば切羽は無くなる。主人公の奥さんの不倫とも言える恋愛のような行動も相手が消えてしまい恋愛が無くなったという解釈でよいのだろうか。不倫を不倫と認識しようとしない主人公の旦那が不憫でならなかった。ああ無情。

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2012/03/15

 南の島の小学校の養護教員として暮らす女性の心の揺らぎを描きます。夫は画家で、夫婦仲は極めていい。なのに現れた若い男性教員のことが気になり始めます。  島の偏屈ばーちゃんがいいですね。同僚の露出好きな女性教員に振り回されることもありますが、ラストは穏やかでした。  まあ、ちょ...

 南の島の小学校の養護教員として暮らす女性の心の揺らぎを描きます。夫は画家で、夫婦仲は極めていい。なのに現れた若い男性教員のことが気になり始めます。  島の偏屈ばーちゃんがいいですね。同僚の露出好きな女性教員に振り回されることもありますが、ラストは穏やかでした。  まあ、ちょっと物足りないかな。

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2012/01/21

井上荒野さん作品初。 直接言葉にしていないのに だからこそ主人公の気持ちがよけいに強く伝わってきて、 その書き方が、 とてもおもしろかった。

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2012/01/16

切羽とは掘り進む最先端のことを言うのですが、このタイトルを付けた真意はどこあるのでしょうか。両方から掘り進み、繋がったら切羽でなくなるということでしょうか。読後しばらく考えてしまいました。柔らかな文体と、方言が生かされていて良かったです。

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