なぜ絵版師に頼まなかったのか の商品レビュー
明治の新聞記事に載った事件をお金にもならない興味だけで解決すべく自費で探偵する話で1日をこの本と共に過ごした。 新聞記者から後は冬馬の弟子とまで早変わりするいい加減な男と共に少年冬馬は外国人ベンツ先生のお手伝いから仕事を始め、ベンツ先生の好意で大学まで行かせてもらい各章ごとに成長...
明治の新聞記事に載った事件をお金にもならない興味だけで解決すべく自費で探偵する話で1日をこの本と共に過ごした。 新聞記者から後は冬馬の弟子とまで早変わりするいい加減な男と共に少年冬馬は外国人ベンツ先生のお手伝いから仕事を始め、ベンツ先生の好意で大学まで行かせてもらい各章ごとに成長していく。シリーズにならないのが残念。文庫で欲しいがまだ見つからず。。そのぐらい楽しい時間を過ごした。
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日本贔屓の外国人医師ベルツに気に入られて給仕に雇われたチョンマゲ姿の日本人少年が、ベルツの指示で気になる事件を調査するミステリ。2話目でもう少年給仕ではなく、弟子として予備門に通うようになりチョンマゲも落としていて、各話ごとに数年成長していく。 謎解きよりも、明治の急激な変化に戸...
日本贔屓の外国人医師ベルツに気に入られて給仕に雇われたチョンマゲ姿の日本人少年が、ベルツの指示で気になる事件を調査するミステリ。2話目でもう少年給仕ではなく、弟子として予備門に通うようになりチョンマゲも落としていて、各話ごとに数年成長していく。 謎解きよりも、明治の急激な変化に戸惑う若者と日本という国そのものを重ねた視点が好きだった。これからも成長しそうなラストですが残念ながら続編はなし。あと各章のサブタイトルが面白い。
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なぜ絵版師に頼まなかったのか 九枚目は多すぎる 人形はなぜ生かされる 紅葉夢 執事たちの沈黙 何処かで聞いたこのタイトルにニヤリとして読んでみた。 何処かで読んだような、松山から上京してきた葛城冬馬、13歳。 新政府に招聘されたベルツの元で、生活をすることになる。 写真、コレラ...
なぜ絵版師に頼まなかったのか 九枚目は多すぎる 人形はなぜ生かされる 紅葉夢 執事たちの沈黙 何処かで聞いたこのタイトルにニヤリとして読んでみた。 何処かで読んだような、松山から上京してきた葛城冬馬、13歳。 新政府に招聘されたベルツの元で、生活をすることになる。 写真、コレラ、廃仏棄釈、脚気。 憲法制定、条約改正、軍が強くなり、世の中も不穏な空気に。 明治の市井の様子が細々と描かれていて楽しい。 名前を変え、職業を変えて冬馬を呼び出す、彼と、金襴緞子を羽織ってる酒盛りをするベルツたちが暗くなりそうな話を妙に明るくする。 冬馬の成長が頼もしいだけに、最後のため息交じりに語られる日本の未来が悲しい。
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暁英にも登場したお雇い外国人のベルツ先生の話・・・というよりも、ベルツ先生の助手になった少年の事件簿という感じです。 短編構成になっていて、あっさりと読む事が出来ました。 時代背景がよく分かっていないからなのか、中には???と首をかしげる部分もありましたが、概ね面白かったです。
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初めて読んだ作家さんだったけどまぁまぁ面白かった。明治のあの時期は、いろいろカオスな感じでお話にもしやすいんだろうな。 外人講師たちとの交流や転職ばかりしている友人もおもしろい。 続編があれば読んでみたい。
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文庫も出てたんだ! 明治初期の東京、しかもお抱え外国人がたくさん出てきて、面白いです。 この本読んでから、ベルツ先生の名前を見るとにやりとしてしまう。
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北森氏の本を見かけるたびに「あああああ…」という気分になります…。 もう、新刊が出ないなんて…既刊を読み切ったら終わりだなんて…; 明治13年。はからずも明治という時代と同い年の葛城冬馬はこの年、松山から帝都へ奉公に出ることになった。遠縁のおじの紹介である奉公先は新政府によっ...
北森氏の本を見かけるたびに「あああああ…」という気分になります…。 もう、新刊が出ないなんて…既刊を読み切ったら終わりだなんて…; 明治13年。はからずも明治という時代と同い年の葛城冬馬はこの年、松山から帝都へ奉公に出ることになった。遠縁のおじの紹介である奉公先は新政府によって東京大学に招聘されたドイツ人医師・ベルツ先生。彼が奉公人の唯一の絶対条件として挙げているのが”髷頭”という変わり者であるが、非常に日本という文化を愛しており、それは身の回りの世話からいつしか助手の立場になった冬馬には困ることではなかった。それよりも困るのは、彼とその友人らの好奇心のせいか、なにかと巻き込まれることなのだ。 明治13年。米国水夫2人が「なぜエバンスに頼まなかったのか」などと言い争い、相手を短銃で殺害後自害した事件。(「なぜ絵版師に頼まなかったのか」) 古物商の男性が自宅長屋で毒殺され、元新聞屋現骨董屋の扇翁が官警に疑われていた事件。(「9枚目は多すぎる」)。 元記者で骨董屋現文字書きの奇妙斎につき合わされた見世物小屋の多弁児の活き人形、それが夜中に何回か動き歩いているという噂の事件。(「人形はなぜ生かされる」) 鹿鳴館よりも昨今流行りの紅葉館にて、人気の芸妓・小梅が毒殺死体で発見された事件。(「紅葉夢」) 東京大学の構内、寄宿舎から出火し、火災現場から身元不明の男性遺体が見つかった事件。(「執事たちの沈黙」) いつしか時は明治22年。冬馬も22歳となっていた。 開化し、諸外国の文化知識を異常な速さで吸収したがゆえに、同時に生まれた歪みを内に含んだ明治という時代に、あったかもしれない事件5つからなる短編集。 時代考証に即しているので、歴史上の人物の名前が重要ポイントで登場するのでドキっとしますね!事件自体はまぁ、ありふれて見えるんだけども、実はなにかしら関与してるあたりが北森さん作品だなぁと思います。 ベルツ先生ほか外国先生たちの間違った日本認識にニヤニヤしてしまうんだけど、海外から見たら日本という国はこう”ふぁんたすてぃっく!”だったのかしらん(笑) 髷にちゅーされていた少年冬馬くんは不憫としか言いようがないけども、案外すぐに切ってしまったのは少々残念な気持ちがします。そういう笑い部分は歌之丞さんが引き受けたのかもしれないけど。というかあの人は生涯で何個名前を持ったのか知りたいものです…絶対この後も変えてる。絶対。 ちなみに各話のタイトルはパロディになっています。でもあの、執事~は正直ちょっとどうかと思うよ先生!(笑)
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高橋克彦リスペクトでしょうか? 話の内容も展開も面白いんですが、登場人物が酷似しているように感じました。
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なんか軽すぎて薄っぺらな印象。 明治十三年から明治二十二年にかけての帝都・東京。東京大學医学部主任のベルツ先生に就いて勉学に勤しみ、給仕として働くことになった若者、葛城冬馬(かつらぎ とうま)。彼が、友人の市川歌之丞(うたのじょう)こと市川扇翁(せんおう)こと小山田奇妙斎こと鵬...
なんか軽すぎて薄っぺらな印象。 明治十三年から明治二十二年にかけての帝都・東京。東京大學医学部主任のベルツ先生に就いて勉学に勤しみ、給仕として働くことになった若者、葛城冬馬(かつらぎ とうま)。彼が、友人の市川歌之丞(うたのじょう)こと市川扇翁(せんおう)こと小山田奇妙斎こと鵬凛(ほうりん)こと仮名垣魯人(かながき ろじん。という具合に、話が変わるごとに名前が変わってゆくのです)とともに、身近に起きた事件の謎を調べ、解き明かしていく連作短編集。
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北森鴻の作品は大好きだけど、過去の名作へのオマージュのためか、謎解きがややこじつけが多い感じがした。
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