なぜ絵版師に頼まなかったのか の商品レビュー
著者が得意とする、ウィットに富んだユーモア・ミステリ。歴史的考証も緻密で、そうした視点で読んでも面白い。
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明治政府に東京大學医学部主任として招聘されたドイツ人、エルウィン・フォン・ベルツのもとで給仕として勤めることになった葛城冬馬。 彼ら2人が元新聞記者の市川歌之丞らとともに、周囲で起きた事件の謎を解いていく短編集。 サブタイトルに「明治異国助人(おたすけガイジン)奔る!」とあるよう...
明治政府に東京大學医学部主任として招聘されたドイツ人、エルウィン・フォン・ベルツのもとで給仕として勤めることになった葛城冬馬。 彼ら2人が元新聞記者の市川歌之丞らとともに、周囲で起きた事件の謎を解いていく短編集。 サブタイトルに「明治異国助人(おたすけガイジン)奔る!」とあるように、同時期に来日されていたお雇い外国人たちも登場します。 「なぜ絵版師に頼まなかったのか」 明治13年の設定ですが、これもある意味攘夷行動になるのかなぁ。 「九枚目は多すぎる」 明治15年。冬馬は東京大學予備門生。市川歌之丞は骨董商・市川扇翁に。 これまた明治の闇の部分ですね。 「人形はなぜ生かされる」 明治16年。市川歌之丞こと市川扇翁は小説家・小山田奇妙斎に。 出てきましたね、岩倉、伊藤、井上。 でもやっぱり伊藤と井上は仲がよかったと思うのですけど。 「紅葉夢」 明治20年。市川歌之丞こと市川扇翁こと小山田奇妙斎は住職・鵬凛に。 脚気って、そうとうに恐ろしい病気だったのですね。 「執事たちの沈黙」 明治22年。市川歌之丞こと市川扇翁こと小山田奇妙斎こと鵬凛は文人・仮名垣魯人、又は冬馬の一番弟子・葛城頓馬に。 森有礼暗殺に帝国憲法発布。その裏側ですけど、スッキリしません。 これまた軽いタッチですね。 先日読んだ「裏京都」も光文社だったのですけど、光文社の仕事はこういう路線ばっかし? 同じ光文社、ユーモア系ということで東川篤哉さんを思い出しますけど。 舞台が明治で、政府から雇われている外国人が出てきますから、明治政府の裏の事情なども絡めてあるのですけど、短編だからかどれもあっさりとした印象でした。
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明治政府に雇われた東大医学部ベルツ教授のもとで給仕をはじめる少年が教授と一緒に東京と横浜の怪事件を次々解決する話。短編連作なのですが表題作の「なぜ~」が一番面白いうえ小説一本書けるほどの内容なので短編なのがおしかった。主人公が英語とフランス語とドイツ語を1年ちょいでマスターしちゃ...
明治政府に雇われた東大医学部ベルツ教授のもとで給仕をはじめる少年が教授と一緒に東京と横浜の怪事件を次々解決する話。短編連作なのですが表題作の「なぜ~」が一番面白いうえ小説一本書けるほどの内容なので短編なのがおしかった。主人公が英語とフランス語とドイツ語を1年ちょいでマスターしちゃうのもあれだけど面白かったし明るい話なので堂々とおすすめします。
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維新後の「大改革」期の日本を、外から来た 異国人の見た様子がリアリティがあってよかった。 もちろんミステリーとしても。
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著者急死の死亡記事の切り抜きを「花の下にて…」の文庫にはさみ、那智先生の続きも新しいシリーズも読めないのだなあと悲しかったです。 たまたま未読であったこの作品。 短編それぞれのタイトルは外国作品のもじりなんですね。でも3つくらいしかわからなかったです。
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明治初期を舞台とした、ややユーモア要素もあるミステリ連作。時代背景や、その時代特有の風刺も効いています。それぞれ有名なミステリタイトルのもじりですね。ああでも「紅葉夢」の元ネタだけが分からない~。 お気に入りは表題作「なぜ絵版師に頼まなかったのか」。事件の真相もさながら、動機が何...
明治初期を舞台とした、ややユーモア要素もあるミステリ連作。時代背景や、その時代特有の風刺も効いています。それぞれ有名なミステリタイトルのもじりですね。ああでも「紅葉夢」の元ネタだけが分からない~。 お気に入りは表題作「なぜ絵版師に頼まなかったのか」。事件の真相もさながら、動機が何とも言えませんね。恐ろしいながらも悲しい企み。時代背景をもっとも色濃く表している作品じゃないかと思いました。
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タイトルがパロディなのでユーモアミステリかと思ったが、軽いタッチのミステリだった。 読後感もよし。 明治の初め、孤児な冬馬少年がベルツ先生の下で書生として働き、さまざまなことを学んでゆく…といった発端。ベルツ氏(ベルツ水が有名)の他にナウマン(ナウマン象)やらフェロノサやらやたら...
タイトルがパロディなのでユーモアミステリかと思ったが、軽いタッチのミステリだった。 読後感もよし。 明治の初め、孤児な冬馬少年がベルツ先生の下で書生として働き、さまざまなことを学んでゆく…といった発端。ベルツ氏(ベルツ水が有名)の他にナウマン(ナウマン象)やらフェロノサやらやたら有名な外国人が登場し、事件に絡んでゆくのは面白い。 キャラも設定も細かいところまで面白い(花瓶がツボ←意味不明だな) ちょっと不満なのは時間経過が早い。冬馬もあっという間に大きくなってしまうし。 サクサク時代が進むのじゃなくもっと書いて欲しいな。シリーズ化希望 ちなみに章題 ・なぜ絵版師に頼まなかったのか →なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか (アガサ・クリスティ) ・九枚目は多すぎる →九マイルは遠すぎる(ハリィ・ケメルマン) ・人形はなぜ生かされる →人形はなぜ殺される(高木彬光) ・紅葉夢 →紅楼夢 (曹雪芹) ・執事たちの沈黙 →羊たちの沈黙 (トマス・ハリス)
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明治初期。 東京大学医学部の外国人教師ベルツの給仕として松山から冬馬がくる。 その冬馬を手足にして、不思議な出来事を解決していく。 当時こんなことがおこったんじゃないかなと思わせられる。 短編集なので、冬馬が成長していく過程も面白い。 でもちょっと、あっさりと謎解きをするところが...
明治初期。 東京大学医学部の外国人教師ベルツの給仕として松山から冬馬がくる。 その冬馬を手足にして、不思議な出来事を解決していく。 当時こんなことがおこったんじゃないかなと思わせられる。 短編集なので、冬馬が成長していく過程も面白い。 でもちょっと、あっさりと謎解きをするところが物足りないかな。
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変革の嵐が吹き荒れる、明治年間の帝都。帝國大学には多くの雇われ外国人が教師・研究者として赴任していた。エルウィン・フォン・ベルツ先生もその一人。並はずれた日本びいきで知られるベルツ先生とその弟子・葛城冬馬が、次々に出来する新時代の事件に挑む。
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表題作「なぜ絵版師に頼まなかったのか」を含む短編集。 まず表紙にびっくりしました(笑) 物語としては、明治維新直後の帝都を舞台にしたミステリ。ですが、ミステリの要素は薄味な感じがしました。 市川歌之丞さんのキャラがツボでした。改名しすぎー!!
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