守銭奴 の商品レビュー
こんな強欲みたことな…
こんな強欲みたことないというほどの「けちんぼ」アルパゴン。彼の拝金主義、打算主義的な考えにあきれてしまいました。ホリ○○ンを思い出しました。
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ヒップホップではサンプリングを行う。他人の曲からメロディやリズムを拝借してきて編集し、自分のラップの伴奏として使用する行為だ。このサンプリングに対して「剽窃だ!」、「著作権侵害だ!」と声を荒げる人々の気持ちはわかるし、至極ごもっともな主張だと思う。ただ、コピー元の作曲家やその支援...
ヒップホップではサンプリングを行う。他人の曲からメロディやリズムを拝借してきて編集し、自分のラップの伴奏として使用する行為だ。このサンプリングに対して「剽窃だ!」、「著作権侵害だ!」と声を荒げる人々の気持ちはわかるし、至極ごもっともな主張だと思う。ただ、コピー元の作曲家やその支援者、ファンの方々には申し訳ないが、ヒップホップを聞く側からしたら、編集された曲がカッコよければどうでもよいのである。トラックメイカーが必死にディグして素材を見つけ、何度も何度も聴き込み、その良さを見出して「置かれるべき場所にそのフレーズを配置した」場合、時として模造品といってしかるべきトラックは、原曲のイメージを超越する。誰しも本当に求めているものは「カッコイイもの」なのだ。 なぜこんな話を始めたかと言うと、モリエールもまたサンプリングに近い行為を行なっていたからである。訳者によるあとがきによれば、モリエールは本書『守銭奴』において、ギリシャの古典から同時代の戯曲まで、ありとあらゆる作品からセリフを拝借したり、着想を得て登場人物を生み出したのだという。悪く言ってしまえば、多くの作品からパクリまくり、それを編集した結果が本書なのだ。ここまでの下りからするとモリエールの喜劇というのは薄っぺらで下等な作品に思えるかもしれない。しかし、これが面白い、本当に腹を抱えて笑いたくなるほどに面白いのだ。 特に主人公アルパゴンの設定が面白い。倹約家、なんて言葉で済ませられないほどにケチで、自身の子供に対してすら金を出すことを惜しみ、飼っている馬は餌を与えられず骨と皮だけの幽霊のような見た目になっている。調子良くおべっかを使ってくる者や自らのために尽くしてくれる者に対しても、感謝はするが絶対に財布を開かない。最終的に金を愛しているとまで言い出し、息子や自身の婚約相手と金を天秤にかけ、金を選択するほどに資産に執着しているのである。この設定を元に、本作では現代でいうところの陣内智則やアンジャッシュのようなすれ違いのコントが展開するのだが、その運びが技巧に富んでいて知的だ。笑いのツボを抑えつつ、太陽王による中央集権化が進んでいた当時のフランスにて台頭してきたブルジョアジーを痛烈に皮肉ったこの喜劇は、パクリだなんだと文句をつける余地がないほどに完成されている。400年も昔の作品だが、現代人が見ても十分に笑える。批評家ボワローの言う「置かれるべき場所に置かれた言葉の威力」とはこういうものか、と思わず唸った。モリエールの中に独創的で知的な世界観がなければ、いくら他所から言葉を引っ張ってきたところでここまでの作品にはならなかったであろう。まさに鮮やかで芸術的な大悪党だ。私はどうもこういう魅力的なアウトローに弱い。しかしまあ、モリエールが世界史にも名を連ねる大人物で、戯曲が現代でも上演されているあたり、こんなアウトロー好きというのは想像以上に多いのではあるまいか。 普段戯曲というものはあまり読まないのだが、たまたま図書館で見つけて読んでみて本当に良かったと思う。モリエールといえば他に『ドン・ジョアン』や『人間ぎらい』という傑作がある。早急に読まなければいけないなと思った。
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単純で面白いので、寝る前に読む読書に最適。 戯曲を読んでいると劇場で劇を見ている気分になれる。 モリエール全集、買おうかな。
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もとが劇の台本なためか、本で読むとあっさりした物語。アルパゴンという60過ぎの守銭奴が何でもかんでもケチをつけ、年頃の娘と息子が結婚したいと言っても大反対。周りはアルパゴンに意見を聞いてもらおうと従順に接するも、アルパゴンは傲慢さに拍車をかけ、話し合いは頓着状態に陥っていく。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「このわしはあのかわいい箱を見に行くとしよう」で幕を閉じる。最後まで気になるのは、戻ってきた自分の”お金”ということですね。 箱の中には、金貨。現在(令和4年)の価値にして約数億~十億円程度。アルパゴンって、子どもも大きくなっているから、そろそろ「老」の部類に入ると想定される。この金塊をどうするのでしょう。墓場に持っていけるわけでもなし。 喜劇の扱う、人間の狂気っていうのは、きっとそんなものかもしれない。家族よりも、恋しい人よりも、目の前の金が。しかも、使う訳でもなく増やすわけでもなく、貯めて眺めるだけ。 本書は、守銭奴の喜劇だから、敢えてそのような設定になっているかと思うけど、息子たちは毎日何をしているんでしょうか。親の遺産を待っているのか? そもそも、は、どうやってお金を貯めたの? まさか相続ではないでしょうね。高利貸しかな? いつまで働いて、いつ息子たちに引き継がせないのか? 分をわきまえた生活ができず、金利も考えず借金をするクレアント。慕う人以外には横暴なヴァレーヌなど、なんか”ちょっと”の性格の人が多い。遊んでいる2つの家族に、それぞれ大金。子どもはそれを当てにするだけ。親はお金を見せびらかせて若い娘に結婚を迫る。当時のよくある設定なのかもしれないけど、設定自体が少し納得できない。400年近く前の西欧、時代背景ごと受け止めるには少し勉強不足でした。
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モリエールの作品を読むのは「人間ぎらい」以来。 この作品も風刺というか、皮肉っぽさが感じられた。 子どもたちに人並みの身だしなみもさせないけちん坊なアルパゴンが、年甲斐もなく、息子が想いを寄せる女性に恋をする。が、恋愛すれば金がかかることが何よりも辛いアルパゴンがどういう行動に出...
モリエールの作品を読むのは「人間ぎらい」以来。 この作品も風刺というか、皮肉っぽさが感じられた。 子どもたちに人並みの身だしなみもさせないけちん坊なアルパゴンが、年甲斐もなく、息子が想いを寄せる女性に恋をする。が、恋愛すれば金がかかることが何よりも辛いアルパゴンがどういう行動に出るか....というところが、根っからのけちさがあらわれているなと思った。周りの登場人物も、ものすごく人間らしい描かれ方をしていた印象。 2人の言い分を直接ではなく間に立って介す「とりもちばばあ」の言葉の翻訳ぶりが、人間の通じなさの所以よなぁとしみじみ思った。
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めちゃくちゃ笑いました。まずフランスの喜劇役者ルイ・ド・フュネスが演じる劇場版『守銭奴』を観て笑い、原作読んで笑い、大変ほがらかな気持ちになりました。
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他人の評価よりも、家族よりも、とにかく金! 金がすべて!という、実にわかりやすいオジサン。最後は上手いことまとまってハッピーエンドに終わる。アルゴパンも多少痛い目にあったけど、全然反省の色がなく、ただただ自分の財産が減らなかっただけで満足してしまう。ここまで徹底した拝金主義は、逆...
他人の評価よりも、家族よりも、とにかく金! 金がすべて!という、実にわかりやすいオジサン。最後は上手いことまとまってハッピーエンドに終わる。アルゴパンも多少痛い目にあったけど、全然反省の色がなく、ただただ自分の財産が減らなかっただけで満足してしまう。ここまで徹底した拝金主義は、逆に微笑ましくさえ思えてしまう。 シェークスピアの戯曲が人気があるのはわかる。彼の戯曲にはドラマがあって、人が死んだり殺されたり狂ったり…喜劇でも変装したり…といろいろ手が混んでいる。文学的な意義もあるのだろうけど、とりあえずドラマがあるので一般人にも面白く読める。 対してモリエールはこれといったドラマ、ストーリーの盛り上がりに欠ける。日常をデフォルメして面白おかしく描いてるだけ。だから若い頃はモリエールが全然面白く思えなかった。でも今読むと、こういう単調なものも楽しめる。年をとるのも、悪いことばかりじゃない。
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守銭奴。モリエール先生の著書。守銭奴は古い戯曲だけれど、時代を超えて読む価値があるのが守銭奴がいまだに名作として高く評価されているゆえん。こんな守銭奴が身近にいたら気が狂ってしまいそう。でも気が狂ってしまいそうと思わされるほどの守銭奴の存在を文章で表現できるのがモリエール先生の凄...
守銭奴。モリエール先生の著書。守銭奴は古い戯曲だけれど、時代を超えて読む価値があるのが守銭奴がいまだに名作として高く評価されているゆえん。こんな守銭奴が身近にいたら気が狂ってしまいそう。でも気が狂ってしまいそうと思わされるほどの守銭奴の存在を文章で表現できるのがモリエール先生の凄さ。
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モリエールの代名詞と言っていいほどの作品。それなりに楽しめたし、舞台で見てみたいとも思ったが、終盤の展開が唐突なのがちょっとだけ引っかかった。
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