世界の測量 の商品レビュー
1700年代終わりから1800年代に生きた、ガウスとフンボルトの小説。 この時代の特有の文化や、天才たちの考え方などを垣間見るような小説で、不思議な世界観だった。 冒頭でガウスにかなり強烈な印象をもった。そのおかげか、どうやってこの人はこんな人になったんだろう、という興味がもて、...
1700年代終わりから1800年代に生きた、ガウスとフンボルトの小説。 この時代の特有の文化や、天才たちの考え方などを垣間見るような小説で、不思議な世界観だった。 冒頭でガウスにかなり強烈な印象をもった。そのおかげか、どうやってこの人はこんな人になったんだろう、という興味がもて、その後に続く二人の幼少期からの話が興味深かった。また、二人がどこで出会うのか、そしてその後にどうなるのかを、なんとなく楽しみにしながら読み進めた。 まだ馬車で旅をしていた時代の、今から見れば便利でもなく効率的でない時代。その時代ゆえの心の交わし方は、どこか懐かしく、甘く少し切なく、どこか愛おしささえ覚えた。同時に、郷愁のような感じもあり、肌寒い霧がかった朝のすっきりとした感じもした。 これはいつか、数年後にまた読み返したくなるような気がした。 2008年に日本語訳が刊行された際に購入し、その後15年間本棚に眠っていた小説。。おそらく、その若い頃に読んだらつまらないと思って途中で読むのをやめていたと思う。ちょっとツウな人向けの小説なのかもしれない。
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まだまだ地球上では解らない事がたくさんあって科学も発展途上にあった18世紀から19世紀にかけて知の歴史に偉大な足跡を残したガウスとフンボルトの物語。 前者は、圧倒的な知性を武器に自身の頭の中で世界を捉える。いわば定点観測。 後者は、類稀なる探究心と行動力で、極限の中で新しい世界を...
まだまだ地球上では解らない事がたくさんあって科学も発展途上にあった18世紀から19世紀にかけて知の歴史に偉大な足跡を残したガウスとフンボルトの物語。 前者は、圧倒的な知性を武器に自身の頭の中で世界を捉える。いわば定点観測。 後者は、類稀なる探究心と行動力で、極限の中で新しい世界を切り開く。いわば実地観測。 セリフが時の文と接続詞でつながってカッコがない間接話法で書かれてるため、慣れるまでは取っつきにくいのだが、慣れてしまえば、もうこっちのもの。対比的な2人の天才が逆に身近に感じて、夫々の目標に向かっていく彼らの物語に引き込まれた。 知の巨人がいてその功績が今まで繋がったからこそ、こうやって現代はスマホを使える世界があるんだなあって青臭い感動なんかしちゃったりして。
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丸善静岡店で平積みされているのを見かけて。十九世紀冒険ものであるが、それなら私はやっぱりヴェルヌのほうが好き。こちらは現実に忠実な分だけ夢を感じさせる部分が薄いのかも。
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冒頭、傲慢かつガサツなガウスの口の悪さに一気に引き込まれてしまったけど、フンボルトパートが地味過ぎる〜。探究心溢れる偉大な学者なのは分かるけど。。。むしろチラ見せされる、フンボルト兄との確執が興味深かった。 全体的なノリは、ユルスナールの「黒の過程」だけど、残念ながらガウスとフンボルトの二人掛かりでも、ゼノンの半分も魅力的でない。
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小説で、こんなに読み返したのは初めてかもしれない。 主人公をガウスとフンボルトの二人とし、交互に話が進んでいくが、とりあえず二人とも行動が破天荒で、読んでいて飽きない。 冒頭ガウスが馬車の中で退屈し、息子のオイゲンから寄越された本を読み、こいつは頭がおかしいと、一言感想を言...
小説で、こんなに読み返したのは初めてかもしれない。 主人公をガウスとフンボルトの二人とし、交互に話が進んでいくが、とりあえず二人とも行動が破天荒で、読んでいて飽きない。 冒頭ガウスが馬車の中で退屈し、息子のオイゲンから寄越された本を読み、こいつは頭がおかしいと、一言感想を言って馬車の外に投げ捨てる場面は、訳者の翻訳のうまさもあってか、一気に世界に引き込まれる。
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フンボルトの業績が分かりやすかった以外は、なぜドイツでベストセラーになったのか理解できなかった。グローバルに活躍したフンボルトを偉大と感じたためであろうか。
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[ 内容 ] 知の歴史に偉大な足跡を残した天才、ガウスとフンボルトを主人公とした哲学的冒険小説。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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強い意志を持つものが、歴史に名を残す。 そして彼等の個性も激しく強い。 いち測量士として、伊能忠敬と並んで、ルーツとして尊敬、特にフンボルト。
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文学・ドイツ・小説 NDC943 推薦理由: 18~19世紀という時代に大きな業績を挙げた数学者ガウスと地理学者フンボルトの波乱万丈の生涯を描く小説である。知の探究に生涯をかけた二人の人生とその時代背景が大変興味深い。 内容の紹介、感想など: これは、数学者・天文学者・物理学者...
文学・ドイツ・小説 NDC943 推薦理由: 18~19世紀という時代に大きな業績を挙げた数学者ガウスと地理学者フンボルトの波乱万丈の生涯を描く小説である。知の探究に生涯をかけた二人の人生とその時代背景が大変興味深い。 内容の紹介、感想など: これは、数学者・天文学者・物理学者であるカール・フリードリヒ・ガウスと地理学者・博物学者・探検家であるアレクサンダー・フォン・フンボルトという、18~19世紀に偉業を成し遂げた二人のドイツ人の生きざまを描いた小説である。本書に数式は出てこず、もちろん測量技術の教科書ではない。 この作品は、既に名声を挙げていた二人がベルリンの会議で出会う場面から始まるが、次の章からは、ガウスとフンボルトそれぞれの幼年期からの生涯を1章ずつ交互に描いていく。貧しい生まれのガウスの人生と、貴族の家に生まれ経済的に恵まれていたフンボルトの人生は無関係に思えるが、「知への欲望」と「世界を理解したいという願望」を抱き、世界の測量に取り組んだという共通点により、二人の人生に接点ができる。しかし、何事もよく思考し、高度な数式を駆使して答えを出す頭脳派ガウスと、とにかく自分の足で歩き回り、現場で観測し、標本を収集し、毒物までも自分の体で試してみる行動派フンボルトでは知の探究に対する姿勢が全く違い、そのことでやりあう場面も面白い。この作品は二人の波乱に満ちた生涯を描いた冒険小説であり、彼らの言葉は往々にして哲学的である。虚実織り交ぜながら描かれ、交錯する二人の人生の物語には、思わず引き込まれ、一気に読んでしまう面白さがある。本書は、ドイツで130週以上にわたりベストセラー・リストに載り、45か国で翻訳出版されるという国際的に人気を得た小説である。後世に名を残す偉業を遂げた二人の非凡な生涯と、意外に人間的な側面を楽しめる一冊である。
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第1章 旅 第2章 海 第3章 教師 第4章 洞窟 第5章 数 第6章 河 第7章 星 第8章 山
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