この最後の者にも・ごまとゆり の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
この当時に、経済学が数式では表しきれない学問であることを見抜いており、その先見性には驚かざるをえない。 まさに「ポリティカル/エコノミー」というところにふさわしいと思われる。 貧しいがゆえに掠め取りってはいけない、安い理由を考慮しない安い値段で売るのは国家単位で見るとマイナスである。また、富は有益なものが使うこと、良い消費と悪い消費の区別等、経済学のなかに、何かいわゆるwinwinの関係を、時間軸を持って持ち込んだのだろうか。 目先の支払いはその人にとって損であるようにみえるが、そもそもその値段の成り立ちになっているところを考慮するとマイナスだろう。 持続可能性というワードを思い起こさせる。
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J・ラスキンはこの本で経済について、あるいは人間の精神について語っている。経済についてはマルクスのような『労働者を搾取する資本家』についての批判を加えている。マルクスと決定的に異なるのはマルクスは無神論者でありラスキンは宗教色が強いことである。資本家のあるべき姿などを読むと、渋沢...
J・ラスキンはこの本で経済について、あるいは人間の精神について語っている。経済についてはマルクスのような『労働者を搾取する資本家』についての批判を加えている。マルクスと決定的に異なるのはマルクスは無神論者でありラスキンは宗教色が強いことである。資本家のあるべき姿などを読むと、渋沢栄一のようである。 もう一つは人間の精神についてである。機械文明が作り出した社会悪についての批判をしていて、西欧文明批判を熱烈に加えている。宗教・道徳・倫理に重きをおいた生き方が必要であるといっている。 J・ラスキンはどうも有名でないようであるが、かなりの良書であると思う。
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