著作権という魔物 の商品レビュー
在日朝鮮人や沖縄を主なテーマとするノンフィクション作家: 岩戸佐智夫(いわとさちお)氏が、著作権について、業界の関係者 にインタビューしたものをまとめた本。 「放送と通信の融合」といった言葉に興味があったのですが、 『新刊JP』で紹介されたPodcastを聞きこの本を知りました...
在日朝鮮人や沖縄を主なテーマとするノンフィクション作家: 岩戸佐智夫(いわとさちお)氏が、著作権について、業界の関係者 にインタビューしたものをまとめた本。 「放送と通信の融合」といった言葉に興味があったのですが、 『新刊JP』で紹介されたPodcastを聞きこの本を知りました。 利用者の立場から見て、インターネットをつかったオンデマンドTV のサービスがなかなか始まらない理由が、様々な利害関係者の既得権益 や著作権に関する法整備の遅れが原因の1つであることが、わかりました。 ちょっと気になったURL ハミングで音楽を検索するサービス http://www.midomi.co.jp/ 気になった記事 ・「結局のところ、技術的なものをどう法解釈するかってこと」 (下町 永野商店 の 永野) ・地球温暖化の3つのウソ ・かつてないペースで気温が上昇した →過去1万年でも10回あった。 ・かつてない高温 →人類誕生後で北極の氷がないことが何回もあった ・地球が悲鳴をあげている (ココロジスト 岡本) ・「著作権法上どっちなの? という議論が依然続いていて、IPマルチキャストが ビジネスとして大きく立ち上がれない。」 ・「日本ではTBSと楽天の問題が生じて2年経つけど、結局一歩も動かない 世界では、ネットと新聞とか、メディアの再編に向かっている。 それが、アメリカとヨーロッパそしてアジアを股にかけた再編に行っちゃってる」 (慶応大学教授 中村 伊知哉)
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■魔物に対峙しない著者 ニコニコ動画やYouTubeの人気が高まるのと比例するように、世の中の著作権への関心も増大した。二次創作への過剰な取り締まりも行われ、ネット上でのコンテンツの流通がぎくしゃくし始めているのは多くの人が感じることだろう。 そんな状況を整理するためにも、著作権...
■魔物に対峙しない著者 ニコニコ動画やYouTubeの人気が高まるのと比例するように、世の中の著作権への関心も増大した。二次創作への過剰な取り締まりも行われ、ネット上でのコンテンツの流通がぎくしゃくし始めているのは多くの人が感じることだろう。 そんな状況を整理するためにも、著作権というものの実体を知りたい。よって、本書への期待はその実体の概要と、スムーズな運用方法への道筋を示して欲しいということだ。 しかし、残念ながら本書では著作権の成り立ちや法規上の明文などはあまり触れられていない。あくまでも著者が関係者へのインタビューを通じ、「著作権(魔物)」という幻想を求めて彷徨うといった趣のもの。 彷徨うという言葉がピッタリと当てはまるほどに、内容も迷走気味に思える。 コンテンツの番人や製作者、従来の流通経路を転換させようとする者など、各方面への取材は丹念に行っているように見える。 だが、それぞれが各々の主張を展開するにとどまり、著者もまた「古き良き時代は過ぎ去ってしまった…」といったノスタルジーに浸るのみで論の進展がない。最終的には格差が広がる社会構造と照らし合わせるという何とも強引な手段でしめくくり、読み終わった後には真意を掬い取ろうとして失敗した疲労感しか残らない。 雑誌連載を書籍化するに際しての基本的な修正も行われていない箇所もあり、やり逃げのように思えなくもない。 ■権利の保護=文化の発展なのか 「(双方にとって)有益なコンテンツは社会の共有物だ」という概念はネットが媒介する現在だからこそ言えるものだろう。オリジナルと二次創作が同等の価値判断を下される時代に、オリジナルだけを絶対視するのは前述のような違和感(ぎくしゃく)を生む。 専門家でさえも確固たる結論が出せていない現状においても、コンテンツの流出・消費は加速している。国内でのイタチごっこに夢中になるあまりに、国外市場への有意義な文化発信は後手後手になりつつある。 議論の過程は大事だが、結論を早く規定して欲しい。流通システムの構築には時間がかかるだろうが、共通の理解があればそう難しいことではない。 今後は議論と共に、コンテンツのダムを少しずつ開門すべきだ。流れはゆっくりと下流へと行き渡り、やがては大海へと注がれる。遡上できる川があってこそ、実りの多い収穫が味わえるのだから。
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著作権ってのは、どうしてもこのネット社会には合っていないよな。 もともと、紙媒体に向けたものであったわけだし。 YouTube、ニコニコ動画。 新たな法整備が必要なのだろう。 しかしながら、読み進めるにつれ、日本の長閑さに暗澹とする。 本書にも記されている、牧歌的という言葉がピ...
著作権ってのは、どうしてもこのネット社会には合っていないよな。 もともと、紙媒体に向けたものであったわけだし。 YouTube、ニコニコ動画。 新たな法整備が必要なのだろう。 しかしながら、読み進めるにつれ、日本の長閑さに暗澹とする。 本書にも記されている、牧歌的という言葉がピッタリだな。 どうしても、村社会根性が日本人は抜けないよね。既得権益者達の馴れ合いね。 JASRACって、社団法人だったんだね。 なーんだかなー。
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著作権に関わるあらゆる立場の人にインタビューし、問題の本質を立体的に描き出そうとした意欲的な書。 これはいわゆる「著作権」ってなに? という本ではありません。 また、著作権なんてイラネーゼ ファック!! という本でもありません。 著作権に関する問題を論じる時、つい、「著作権...
著作権に関わるあらゆる立場の人にインタビューし、問題の本質を立体的に描き出そうとした意欲的な書。 これはいわゆる「著作権」ってなに? という本ではありません。 また、著作権なんてイラネーゼ ファック!! という本でもありません。 著作権に関する問題を論じる時、つい、「著作権、あり・なし」という単純な構図で話してしまいそうになりますが、そう、事は簡単ではありません。 それは、著作物(音楽、TV、プログラム)によっても違いますし、主張する立場(著作者、権利者、ジャスラック、国、学者)によっても複雑に絡み合っています。 それを的確に理解するためには? その問題の当事者に直接あって話を聴く、それに優る方法は無いのではないか、そう、ひざを叩かざるを得ない程、この本の構成は秀でています。 もちろん、著者の主張はしっかりあります。 それに反するような部分は、地の分でちゃんと異論を呈していますし、理想とするこれからのあり方についても主張しています。 でも、そういう理想論・べき論だけでは見えてこない、問題の本質を、この本を読んで感じることが出来るのではないでしょうか。 少し、専門的な部分もあり、業界等の前提知識を要する部分もあるように思えましたが、著作権に関する問題点を知りたい方にはこの本を一番に勧めたい、そう思える内容でした。 私自身この本で何か目が開かれる部分がありました。
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[ 内容 ] コンテンツがネット上に溢れだすと同時に、著作権のありかたが問われることとなった。制限すべきは消費者の自由なのか、表現者の権利なのか、「文化」に名を借りた既得権者のふるまいなのか―。 本書は、当事者であるJASRAC、民放連、YouTubeのほか、識者たちへの取材を通...
[ 内容 ] コンテンツがネット上に溢れだすと同時に、著作権のありかたが問われることとなった。制限すべきは消費者の自由なのか、表現者の権利なのか、「文化」に名を借りた既得権者のふるまいなのか―。 本書は、当事者であるJASRAC、民放連、YouTubeのほか、識者たちへの取材を通じ、われわれが取りうる視座を探し求めた記録である。 [ 目次 ] テレビ局を震撼させた下町の小さな商店 ロケフリは何をもたらすのか 録画ネットはなぜ違法とされたのか コロロジストと著作権 米国に見る日本の未来 日本ブランドは世界に流通するのか 停滞し続ける日本のビジネス 権利者にとっての著作権 著作権の番人『JASRAC』 テレビに未来はあるのだろうか(前編) テレビに未来はあるのだろうか(中編) テレビに未来はあるのだろうか(後編) 著作権法の問題点について考える ネットの自由を守るため 自由競争の果てにあるもの [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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著作権に関することを さまざまな立場の人にインタビューした本。 いろいろな意見が一冊にまとまっているので、 非常に手軽に読める割には勉強になる。 仕事の関係上読んでおいて損はない本。 著者の個人的な意見があって、調べられたいわゆる学術的な要素は薄い本だけれど、 読み...
著作権に関することを さまざまな立場の人にインタビューした本。 いろいろな意見が一冊にまとまっているので、 非常に手軽に読める割には勉強になる。 仕事の関係上読んでおいて損はない本。 著者の個人的な意見があって、調べられたいわゆる学術的な要素は薄い本だけれど、 読みやすく、文章も嫌味じゃないので、とっかかりとして読むのにうってつけ。
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卒論の参考に読んだ本。適当な新書でも…って思っていたら意外と面白かった。著作権に対して誰がどのように思っているのかがインタービュー形式になっているので、それぞれの業界の人が著作権のあり方をどのように思っているのかが何となく見えてきます。専門的な内容ではないにせよ、著作権を取り巻く...
卒論の参考に読んだ本。適当な新書でも…って思っていたら意外と面白かった。著作権に対して誰がどのように思っているのかがインタービュー形式になっているので、それぞれの業界の人が著作権のあり方をどのように思っているのかが何となく見えてきます。専門的な内容ではないにせよ、著作権を取り巻く「空気」のようなものが感じられたので読んで損はないと思います。また、結論がはっきりしないところがかえって著作権を取り巻く問題の多元性を表しているような気がして、個人的には誰かの利益だけを優先するような結論を出す著作「権」的な本よりはいいんじゃないかと思います。
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creativeな仕事を志す人は読むべき。全16章、去年から今年アタマにかけて週刊アスキーに連載されていた話題連載の集成もの。それぞれの章毎に日本のコンテンツ産業に深く関わる人々が登場し創造やrights、産業について語る。最終章のオチは、ホントかよ、俺たちゃお釈迦様の掌の孫悟空...
creativeな仕事を志す人は読むべき。全16章、去年から今年アタマにかけて週刊アスキーに連載されていた話題連載の集成もの。それぞれの章毎に日本のコンテンツ産業に深く関わる人々が登場し創造やrights、産業について語る。最終章のオチは、ホントかよ、俺たちゃお釈迦様の掌の孫悟空かい、と深いモノ。読者に「自由競争社会の行く末は格差社会にも繋がりかねない。デジタルデバイドも同じ」と問いかけ、熟考を促す渾身のリポート。
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