見えない橋 の商品レビュー

澤田ふじ子(著者)

2022/02/08

表題の「見えない橋」とは、夫婦の歩むべき姿を「橋」として捉え、女敵討ちとなった妻、加奈の後を追う主人公、岩間三良の心の変化を描いた作品。苦労の末にひょんなことから加奈を見つけ出す。だが、思いもよらぬ事態へと発展することになる。家と家、武士の面目が最優先の時代に妻の後を追いかけながら、無益な殺生をするのか、見逃すのか、揺れ動く主人公の心の葛藤をハラハラしながら読み進んだ一気読みの一冊。疲れたー。

2011/01/04

大垣藩の群同心、岩間三良と加奈は共に将来を夢見る若い夫婦だった。
しかし、忙しい夫を待つ寂しさから、加奈は過ちを起こし、相手の佐四郎と出奔する。
残された三良は、女敵討ちを許され果てしない旅に出る。

時代は違っても、どこにでもある話だと思う。しかし、武士というのは、なんて生きにくいものだろうか。三良も加奈も佐四郎もみんな哀しい。