五匹の赤い鰊 の商品レビュー
シリーズ第六弾。 スコットランドの田舎町で、嫌われ者の画家・キャンベルの死体が発見されます。 最初は事故死と思われましたが、当地に滞在していたピーター卿が、これが巧妙な偽装殺人であることを看破し、早速調査に乗り出しますが・・。 赤い鰊(red herring):にせの手がか...
シリーズ第六弾。 スコットランドの田舎町で、嫌われ者の画家・キャンベルの死体が発見されます。 最初は事故死と思われましたが、当地に滞在していたピーター卿が、これが巧妙な偽装殺人であることを看破し、早速調査に乗り出しますが・・。 赤い鰊(red herring):にせの手がかり ・・とのタイトルにもあるように、錯綜する情報に翻弄されてしまいそうになりながらも、楽しく読ませて頂きました。 容疑者となった六人の画家の動きが皆怪しくて、事件が発生したとされる、月曜日の晩から火曜日までの彼らの動向を地道に追っていく展開についていくのが結構大変でしたね。 それこそ、“誰が何時、何処にいて・・”(しかも列車の時刻もかなり細かく検証)という情報を巻頭の地図と照らし合わせながら、ガッツリ情報整理する気合のある方なら、ゲーム感覚でお楽しみ頂けると思いますが、私のように、寝っ転がって“オレオ”を食べながらダラダラ読んでいると、すぐに置いていかれて訳が分からなくなってしまうので要注意ですw で、例によってピーター卿は活き活きと動きまわっておりまして、特に終盤での地元警察の方々と組んでの“再現劇”ではすごく楽しそうにしておりました。 因みに、ここで死体役をやらされていた警察長のサー・マクスウェルさんが、かなりお気の毒な役回りで完全にピーター卿のおもちゃにされていましたね。 てな感じで、かなり入り組んだ事件なので情報の海におぼれそうになりがらも、地元警察の方々のスコットランド訛りにほんわかしつつ、焦点となっている月曜から火曜に彼らはどこで何をしていたのか・・?という謎が順々に明らかになってきて、真相を絞り込んでいく過程は、やはり“謎解き”の醍醐味というか引き込まれるように読みました。 それにしても、何気に怖かったのは似非ゴシップを申告してきたレムジュラ―夫人ですね。 彼女のタレコミによって、“お相手”とされた“彼”が誤解されたくないが為に“噤んでいた口を割る”結果となったので、事件の真相解明的にはまぁ良かった訳ですが、なんていうか、サイコな女性だな・・と若干鳥肌でした。 そして、シレっと女中さんを映画に誘って色々聞き出していたバンターも恐るべしw。
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シリーズ6冊目、バーイセコォ▲スコットランドの田舎町で嫌われ者の画家の死体が発見された。崖から転落?巧妙な擬装殺人?怪しげな六人の容疑者▼御前と五人の警察官が六人の容疑者を追う、五つの赤い鰊(偽の手掛り)を見破りながら…まるで、コマンド総当たり式の推理アドベンチャーゲームをしてい...
シリーズ6冊目、バーイセコォ▲スコットランドの田舎町で嫌われ者の画家の死体が発見された。崖から転落?巧妙な擬装殺人?怪しげな六人の容疑者▼御前と五人の警察官が六人の容疑者を追う、五つの赤い鰊(偽の手掛り)を見破りながら…まるで、コマンド総当たり式の推理アドベンチャーゲームをしているようだ。捜査側が、みながみな意欲的に証拠・証言を蒐集する姿をグーグルマップで追うのが楽しい。ただ、あまりに冗長過ぎて、推理力が減退…。ノリノリの御前による『毒入りチョコレート』を拝聴して終わってしまった感があります(1931年)
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「我が生涯最良の瞬間です。これでやっと本当にシャーロック・ホームズの気分ですよ。警察長と警部と巡査部長と巡査二人に、自説を判定してくれと頼まれた今、僕は胸高鳩みたいに胸を張り、椅子の上でふんぞり返ってこう言えるわけです。『紳士諸君、あなたがたは全員間違っている』とね」 2020...
「我が生涯最良の瞬間です。これでやっと本当にシャーロック・ホームズの気分ですよ。警察長と警部と巡査部長と巡査二人に、自説を判定してくれと頼まれた今、僕は胸高鳩みたいに胸を張り、椅子の上でふんぞり返ってこう言えるわけです。『紳士諸君、あなたがたは全員間違っている』とね」 2020/8/10読了(再読) 容疑者は6人、内5人がRed Herring という訳。スコットランドを又にかけたアリバイ崩しの要素もあるが、土地勘無しの日本人には理解が厳しい。付属の地図も些か判り難かったし……。ピーター卿のこの台詞は、きっとシャーロック・ホームズの『技師の親指』を意識しているに違いない。
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話長っ!ウィムジィ卿シリーズ大好きなのに、これなちょっと長すぎる。人名多いし、地名わかんないし、電車とか自転車とかわけわかめ。もう理解することはやめました。冒頭に地図ありましたけど、地名多すぎて確認できない。これから読み始めてたら絶対に嫌いになってました。犯人わかっても全然すっき...
話長っ!ウィムジィ卿シリーズ大好きなのに、これなちょっと長すぎる。人名多いし、地名わかんないし、電車とか自転車とかわけわかめ。もう理解することはやめました。冒頭に地図ありましたけど、地名多すぎて確認できない。これから読み始めてたら絶対に嫌いになってました。犯人わかっても全然すっきりしませんでした。
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その名が示すようにこれは推理小説でいうレッド・ヘリング物、つまり疑わしき潔白者が何人もいる小説で、セイヤーズにしては珍しく、純粋本格推理小説である。 しかし、レッド・ヘリング物は誰も彼もが怪しいという趣向であり、とどのつまり、意外な犯人というものが真相にならない。従って、途中で「...
その名が示すようにこれは推理小説でいうレッド・ヘリング物、つまり疑わしき潔白者が何人もいる小説で、セイヤーズにしては珍しく、純粋本格推理小説である。 しかし、レッド・ヘリング物は誰も彼もが怪しいという趣向であり、とどのつまり、意外な犯人というものが真相にならない。従って、途中で「もう誰が犯人でもいいや」というある種の諦観を抱くようになるのだ。 それは本作も例外ではなく、キャンベルという嫌われ者の画家が殺されるという1つの事件だけで、460ページ弱を引っ張るのはあまりにもきつい。しかもレッド・ヘリングでは尚更なのだ。 さらに今回は西村京太郎氏ばりの時刻表解析があったりと、好きな人は堪らないかもしれないが、興味がない、いや寧ろ苦手な私にとってみれば、退屈以外の何物でもなく、はっきりいってこの段階で興味を失したのはまず疑いない。 セイヤーズの小説はなかなかノレないのにもかかわらず最後は素晴らしいカタルシスを提供してくれるので今回も期待したのだが、どうも読者を置き去りにしてしまった感が強い。苦言を呈して今回は1ツ星としよう。
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ピーター卿の久しぶりの良作!面白かった。赤い鰊(red herring)は人の注意をそらすもの。情報。という意味らしいねー。
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赤い鰊 とは偽の手がかりのこと。全員が怪しくて、次々に湧く疑問をひとつひとつ潰していく推理パズル。読むのが面倒くさくてとても好き。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
複数の人物から複数の解決が乱れ打たれるシーンから毒チョコの影響が語られることが多い作。次作『死体をどうぞ』ともあわせてバークリーからの影響は法月綸太郎によるその次作の解説にくわしい。(「セイヤーズを解剖する」として『謎解きが終わったら』にも収録されている) >おそらくバークリーの変則的な構成を、通常のフーダニットがたどる起承転結の時系列に組み替えて、「読者への挑戦」方式の長編として再提出することだった 『毒入りチョコレート事件』は多重解決というよりも前の推理を後の推理が乗り越えた…みたいな言い方をしてたのが誰かは忘れてしまったのだが、あれは素直に読んでいけば各人の推理が順繰りに否定されていく作品ではある。それがセイヤーズが行った組み替えよって真相前に各人が各様に指摘する推理はどれも明確に否定されることなく流れていくのだが。結果、その工夫は殊能将之の言うところのノイズとなってしまっているように思える。 >ブランドの作品では全登場人物が一度ならず犯人と目されることがある。これは確かに複雑化の極限だ。しかし、その一方で「だったら誰が犯人でもいいじゃねえか」とも思わせる。ここでは「意外な犯人」の楽しみが、ノイズに埋没してしまっている。 http://www001.upp.so-net.ne.jp/mercysnow/Reading/read0306.html さらに言えば「だったら誰が犯人でもいい」だけでなく、こっちはピーター卿がどうせ最後に真相明かすと思ってるので「どうせどれも正解じゃない」との二重苦になってしまい折角の多重解決趣向に緊張感がないのである(ロジャー・シェリンガムの信用のなさを見習って欲しい)。法月が他に比較に挙げる『ギリシア棺』にしてもコリン・デクスターにしても、一つの推理が否定され壁に当たって、そこからエラリイもモース警部も苦悶煩悶していくのがポイントであって、並列状態の脇役推理というのもなかなか難しい。 まあバークリーとの比較はこのくらいにして。で、作中において『マギル卿最後の旅』の名前を持ち出すあたり、アリバイモノの先駆としてクロフツへの意識もセイヤーズにはあったのかもしれない(らしい)。 被害者が絵を描いていた途中で事故にあったと見せかけるトリックは早々に割れてしまい、「画家」という条件で絞りこまれた6人の容疑者たちの前夜の犯行と偽装工作が可能であったかどうかが検討されていく。アリバイ崩しとフーダニットの両立といえば聞こえはいいのだが、実際はやたら煩雑なアリバイの検討が6人絡み合って続けられるのでうっとおしいことこのうえない。 このあたり、クロフツの同種の作品がアリバイ崩し自体は単線で進んでいって(複数人の捜査するにしても1つ1つ潰していき)最後犯人が絞りきれなかったり、サプライズが仕掛けられてたりするのとは対照的である。試みとしては分かるけど、あまり成功しているようには思えない。 延々と続くアリバイ検討に幅を取られるせいか、これだけの分量がありながら事件が起こるのは早々30ページ。そのせいもあるのか被害者のキャンベルにしても周囲から嫌われまくってるクソヤロー感がイマイチ薄い。それこそクロフツ流に彼のクソヤローぶりと殺されるまでを前半でジックリ書いて(クロフツなんか裸足で逃出すセイヤーズの筆力で)、本作の美点である「犯行現場になかったモノ」からのネタをメインに仕上げてもらえればなどと考えてしまった。 それにしても本作の翌々年にバークリーが『ジャンピング・ジェニイ』で周囲から嫌われまくってるクソヤローが殺される話をクソヤロー感たっぷりに書いたのは彼流の返礼ではないのかと。
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ピーター卿はカークブリーを訪れていた。ここは画家と漁師の村。そこで一番の嫌われ者であらゆる人間と悶着を起こしていた男が川で死体で発見された。死体を見たピーター卿は殺人であることを指摘する。捜査で浮かんだ容疑者の画家は六名。ところが揃いも揃って怪しく、揃いも揃ってアリバイがある。犯...
ピーター卿はカークブリーを訪れていた。ここは画家と漁師の村。そこで一番の嫌われ者であらゆる人間と悶着を起こしていた男が川で死体で発見された。死体を見たピーター卿は殺人であることを指摘する。捜査で浮かんだ容疑者の画家は六名。ところが揃いも揃って怪しく、揃いも揃ってアリバイがある。犯人は誰? どう考えても怪しい人間が揃いも揃って犯行時に村にいないとか、アリバイが完全にあるというのはうさんくさい。ここはパズルと割り切らなければならないが、そう思って読むとアリバイ崩しはなかなか面白い。 (2002-01-27)
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セイヤーズでは読むのに苦労した1冊。日本語訳が読みにくいなどという理由ではなく、今回、私が苦手な時刻表アリバイトリックものだったためだと思われる。 土地勘のないイギリスの地名とマイルという距離の単位、そして容疑者が全員画家という普段海外翻訳モノを読むときに頼りにしている職業との名...
セイヤーズでは読むのに苦労した1冊。日本語訳が読みにくいなどという理由ではなく、今回、私が苦手な時刻表アリバイトリックものだったためだと思われる。 土地勘のないイギリスの地名とマイルという距離の単位、そして容疑者が全員画家という普段海外翻訳モノを読むときに頼りにしている職業との名前のセットでキャラクターの判別を行っていたのができない、という諸々の要因により、読書スピードが落ちてしまった。 ストーリー自体はとても考えられているのは判るので、再読する時は、メモを片手に各キャラクターの特徴を整理しながら読み進めたい。
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