古代から来た未来人 折口信夫 の商品レビュー
「カイエソバージュ」の中沢 新一氏の折口信夫論。 「猿丸幻視行」に名探偵的な役回りで折口信夫が登場しているのと中沢氏繋がりで購入。 宗教が渡来、系統づけられる以前から日本に存在する「神」について、 折口氏はその存在や意義についてフィールドワークとともに深く考察し、 神道の「...
「カイエソバージュ」の中沢 新一氏の折口信夫論。 「猿丸幻視行」に名探偵的な役回りで折口信夫が登場しているのと中沢氏繋がりで購入。 宗教が渡来、系統づけられる以前から日本に存在する「神」について、 折口氏はその存在や意義についてフィールドワークとともに深く考察し、 神道の「宗教化」をめざす。 中沢氏のルーツは折口氏なのだな、と。 * 「天地初めて発けし時、高天の原に成れる神の名は、 天之御中主神、次に高御産巣日神、次に神産巣日神、 此の三柱の神は、みな独神と成り座、身を隠したまひき。」 このあと記紀に全く記されないムスビの三神。 すべてのものを司る「神」を文章にしたら それに限定されてしまうから、編纂者は書けなかったんじゃないかと…。 つまり折口氏の臨んだ「超宗教化」は無理なのでは?と思いつつ読了。
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ここのところすこしばかり自分的に折口信夫プチブームである。。 一番良いのはご本人の著作なんだけど通勤電車には向かないので(笑)、この本は読みやすくてgood。 萌えます。
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〈ことばは思考の源泉であり、母国語の深みでわたしたちは思考を超えた存在の根にふれることができる。折口信夫の思考と文章を通して、日本語というローカルなことばの全能力は開かれ、思考のことばが存在の根になまなましいほどの感触をもってふれる奇跡が実現されている。〉中沢が折口の核心にどこま...
〈ことばは思考の源泉であり、母国語の深みでわたしたちは思考を超えた存在の根にふれることができる。折口信夫の思考と文章を通して、日本語というローカルなことばの全能力は開かれ、思考のことばが存在の根になまなましいほどの感触をもってふれる奇跡が実現されている。〉中沢が折口の核心にどこまで迫れているのかを判断することは、私にはできないけれど、ここで語られている折口像はなかなかに魅力的である。また、この新書が中高生向けということなのか、平明な文章に仕上がっているのも好ましい。
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