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古代から来た未来人 折口信夫 の商品レビュー

3.6

23件のお客様レビュー

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2013/10/24

多神教か一神教かと固まることもなく 個があって全体がありそして又個があるという この世の素朴な姿を素直に見ることに集中している そんな折口さんは 奇跡のような学問をなした人というよりも 社会的価値観である学問の枠を消し去って 個と全体を貫こうとした 稀有な人だったのではないだろ...

多神教か一神教かと固まることもなく 個があって全体がありそして又個があるという この世の素朴な姿を素直に見ることに集中している そんな折口さんは 奇跡のような学問をなした人というよりも 社会的価値観である学問の枠を消し去って 個と全体を貫こうとした 稀有な人だったのではないだろうか ここに長いこと探し求めてきた同じ匂いを感じることができる これほど納得できる思いを描き出したものに 巡り巡って出会えたことに感謝する それも沖縄・バリ島ウブドの引き合わせということが 今であることにも意味があるのだろうか p69の 共同体は人々の間に同質性を求める それによって内と外を見分け異質なものを排除する しかし「まれびと」の思想は外の異質なものを結びつけ 人間だけでなく動植物に鉱物を仲間としてきたのである 神人や童子のような宗教者は人間と神の境界を生きる人として 自分が異質な力の集合体になろうという 不遜な生き方を選んできた。 p106 宗教の組織化というのは国家の成立とともに起こるのが常である 文字のシステムが整い思考を理論立てる 自分の過去を組織化できてこそ宗教を構築できる そのために自然な共同体のレベルを超えた国家という欲望に満ちた 概念を必要とした だがそれが民族の自然智の茫漠たる集合体に深刻な改造を加える事になる アメリカインディアンは高度な自然智をつくりあげてきた 倫理観によって成り立つ環境を守り続けてきた 自然な中に霊的存在を実感できる暮らし方をしてきた しかもその背景に「グレートスピリット」なる 根源的で一成る存在を認めていた しかしその知恵の体系を宗教に成長させることを拒んできた あえて国家を作り出さなかった 神道的なものが宗教に育ってしまうとそもそもの神道的な世界は 質的に自己破壊を起こすのだ 宗教の果てに起こる超宗教は熟れきって落ちる時にあらわれる

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2013/05/28

中沢さんが折口信夫にいかに傾倒しているかがわかる一冊。「まれびと」「類化性能」「たま」「ふゆ」「ムスビの神」芸能の意味、「グレートスピリット」などとても興味深かった。とりあえず『死者の書』が読みたい。

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2013/01/29

 「まれびと」をキーに折口信夫の思想を紐解いていく、いかにも中沢新一らしい展開がとっても面白い。  シンプルで読み易いけど、折口信夫というより中沢新一の入門書といった趣で。

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2012/07/22

折口信夫について、読みやすく持ち運びしやすい大きさで。ただし、後半は書き口の柔らかさに乗ったままがんがん読み進めようとするとすっころげそうになるのでやや注意が必要な一冊。 著者の本を以前少し読んだことがあるので、ああお馴染みの三位一体かと思うものの、お馴染み過ぎて本当に折口の嗜好...

折口信夫について、読みやすく持ち運びしやすい大きさで。ただし、後半は書き口の柔らかさに乗ったままがんがん読み進めようとするとすっころげそうになるのでやや注意が必要な一冊。 著者の本を以前少し読んだことがあるので、ああお馴染みの三位一体かと思うものの、お馴染み過ぎて本当に折口の嗜好を反映させたものなのかなあと若干うがった見方をしてしまった。折口についてはいささか不勉強なので、勉強しなければならないなと思う。

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2012/07/14

折口信夫の類化作用 人々の精神活動を明らかにする →ユングに似てる。 古代人たち 夏至冬至の極端さと祭 仏教 春分秋分のバランスの先の¨浄土¨ →呼吸、瞑想:ヨガに似てる。そういえば、両方インド発だなぁ。 未完成な宗教としての神道:その先の超宗教へのまなざし →このへんは正...

折口信夫の類化作用 人々の精神活動を明らかにする →ユングに似てる。 古代人たち 夏至冬至の極端さと祭 仏教 春分秋分のバランスの先の¨浄土¨ →呼吸、瞑想:ヨガに似てる。そういえば、両方インド発だなぁ。 未完成な宗教としての神道:その先の超宗教へのまなざし →このへんは正直ちょっと不気味で怖い。私は生きてる間は分からない(あんまり分かりたくない)と思う。 三位一体理論はもうちょっと深く知りたいと思った。とくに宗教と経済の文脈で読み取りたい。 あんまり深く理解出来た気がしないが、期待というかエッセンスは心に打たれたので☆4つ。

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2012/02/20

折口信夫の唱えた概念、「まれびと」、「類化性能」、「ムスビの神」、芸能の意味、また「死者の書」の位置づけなど、極めて明快に解説してくれています。そう言えば「冬」は「ふゆ」、精霊が増えて踊る季節なのでした。

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2011/02/21

折口信夫の「死者の書」を借りようと、いつものように図書館の棚をつらーっと眺めていて見つけました。しかも中沢新一さんの著作。早速借りて読みました。 中身はいつもの中沢調の文章ですが、(この「ちくまプリマー新書」は恐らく中・高生向けのシリーズなのだと思われるので)難解さはなくするっ...

折口信夫の「死者の書」を借りようと、いつものように図書館の棚をつらーっと眺めていて見つけました。しかも中沢新一さんの著作。早速借りて読みました。 中身はいつもの中沢調の文章ですが、(この「ちくまプリマー新書」は恐らく中・高生向けのシリーズなのだと思われるので)難解さはなくするっと入ってきます。 折口信夫は古代人の心で感じ、考え、表現することができる稀有の人であったということ。それがこの本が訴えていることだと思います。折口信夫の著作への入り口としては絶好の1冊です。お薦め。

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2010/11/26

柳田は祖霊こそが日本人の神観念の原型と考えていた。 折口の考えでは、民族的な魂のふるさと的な民族の集合記憶が、なんらかの手段を通じて、現代の私たち日本人の魂のうちに貯蔵され、長い休眠期間に入っていたのだが、それがふとしたきっかけで間欠泉のように折口という近代人の心にほとばしり出た...

柳田は祖霊こそが日本人の神観念の原型と考えていた。 折口の考えでは、民族的な魂のふるさと的な民族の集合記憶が、なんらかの手段を通じて、現代の私たち日本人の魂のうちに貯蔵され、長い休眠期間に入っていたのだが、それがふとしたきっかけで間欠泉のように折口という近代人の心にほとばしり出たのである。 神とも精霊ともつかない不思議な存在を日本列島のいたるところの祭りに見出すことができる。「まれびと」は折口の詩人的な幻想などではなく、たしかに実存していた。 「まれびと」への直観から出発した折口の学問は、ついにこれほどまでの大きさを備えるに至ったのである。折口学の目指していたのは、人類の行ったすべての観念活動の意味を一貫した視点から再構成することによって、西欧的な進化主義的なものの見方を覆すことにあった。 宗教は超越的なものに触れているからこそ、人々の情熱をも掻き立てる力を持っているのだが、その宗教が世俗的な思考にのっとられてしまえば、ただの支配の道具に出していってしまうだろう。

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2010/07/03

[ 内容 ] 古代を実感することを通して、日本人の心の奥底を開示した稀有な思想家折口信夫。 若い頃から彼の文章に惹かれてきた著者が、その未来的な思想を鮮やかに描き出す。 [ 目次 ] 序文 奇跡のような学問 第1章 「古代人」の心を知る 第2章 「まれびと」の発見 第3章 芸能...

[ 内容 ] 古代を実感することを通して、日本人の心の奥底を開示した稀有な思想家折口信夫。 若い頃から彼の文章に惹かれてきた著者が、その未来的な思想を鮮やかに描き出す。 [ 目次 ] 序文 奇跡のような学問 第1章 「古代人」の心を知る 第2章 「まれびと」の発見 第3章 芸能史という宝物庫 第4章 未来で待つ人 第5章 大いなる転回 第6章 心の未来のための設計図 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2010/01/25

中沢新一にはまっていて、 だから当然というか、 折口信夫にもはまりつつある。 おもしろすぎる。

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