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人生の歩き方 12月・1月 の商品レビュー

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2010/10/27

田辺聖子「まいにちばらいろ」は、NHKアナウンサーがインタビューを務め、作家が語るというツクリ。NHKの朝ドラで取り上げられたり、『文藝春秋』で「田辺写真館」のシリーズがあって、すっかりおなじみでもある。金物問屋に勤めることがなかったら、小説家としての深まりはなかったであろうとい...

田辺聖子「まいにちばらいろ」は、NHKアナウンサーがインタビューを務め、作家が語るというツクリ。NHKの朝ドラで取り上げられたり、『文藝春秋』で「田辺写真館」のシリーズがあって、すっかりおなじみでもある。金物問屋に勤めることがなかったら、小説家としての深まりはなかったであろうというし、これからも恋物語を書き続けたいとする。四話の冒頭には著作の一部が引用され、話題が展開するが、やはり聞き手の話題の引き出し方が、冴えている。  宮本亜門「僕が居場所を見つけるまで」は、沖縄に根拠地をかまえブロードウエイに進出、「新しいミュージカルの演出」で話題をさらう。意外であったのは、「まとめるのではなく、人それぞれが光輝いてくれればいいとおもっています」とある、冒頭のくだり(80p)。既存の「出演者やスタッフを一つにまとめて成功に導く」とする舞台演出家像に、自らアンチテーゼを示す。亜門といえば「違いのわかるコーヒー」のCMでおなじみながら、新橋にある喫茶店の子息とは、本書を読むまで知らなかった。

Posted byブクログ