無事、これ名馬 の商品レビュー
春風ぞ吹くの五郎太の息子、太郎左衛門が、鳶の頭に弟子入りして「男の道」を指南される? 弱虫の太郎左衛門が、弱虫を克服したいと鳶の頭に弟子入りするが、泣き虫はなかなか直らず…。 父の五郎太はある程度大人になった太郎左衛門をこう評する。 「無事、これ名馬」と。 武士の子に生まれ...
春風ぞ吹くの五郎太の息子、太郎左衛門が、鳶の頭に弟子入りして「男の道」を指南される? 弱虫の太郎左衛門が、弱虫を克服したいと鳶の頭に弟子入りするが、泣き虫はなかなか直らず…。 父の五郎太はある程度大人になった太郎左衛門をこう評する。 「無事、これ名馬」と。 武士の子に生まれ、手柄に逸りもせず、学問でしくじって自戒した友達のように生き急ぐこともなく。 長く生きて、よく働く馬が名馬である。 人も然別。 何も出世だけが名馬なわけではない。…確かに!
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江戸町火消しの親方一家と、ひょんなことからそこに弟子入りした武家の少年。 ブクログではじめて感想書きました。 う~む、なんだかよくワカンネ・・・・・・。
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宇江佐真理氏著作 「無地、これ名馬」です。 ”ああ、あれから茫々と時はすぎた。まるで夢のような日々だったと吉蔵は思う。” この段落こそ、氏は書きたかったのではと思ってしまう。 平家物語に、”清見が関うちすぎて、富士のすそ野になりぬれば、北には青山峨々として、松吹く風索々たり。南に...
宇江佐真理氏著作 「無地、これ名馬」です。 ”ああ、あれから茫々と時はすぎた。まるで夢のような日々だったと吉蔵は思う。” この段落こそ、氏は書きたかったのではと思ってしまう。 平家物語に、”清見が関うちすぎて、富士のすそ野になりぬれば、北には青山峨々として、松吹く風索々たり。南には蒼海漫々として、岸うつ浪も茫々たり。”とあるそうですが、劣らず引かれたしまう。「茫々と」はなんと素敵な言葉だ。茫々と時を過ごしてみたい……。 大辞林(三省堂)では、 ①果てしなく広々としているさま。 ②ぼんやりとしてはっきりしないさま。 ③毛や髪が草が生い乱れているさま。 ④風や波の音などの激しいさま。 なるほど、茫々は、”時の過ぎ行くままに”ではありえない。 「…とあったが、今見渡すと過ぎ越しき日々は広々な草原の只中にあり」 著者「文庫のためのあとがき」にて 『どの子も大人になれば社会の一員である。「は組」の吉蔵やお栄のように他人様の子供にも暖かい眼を注げる大人でありたいと、今は心底思っている。』 ペンネーム宇江佐真理は、”気まぐれ、お天気屋の女性が心理を追求する”だそうで。真理とは覚悟のほどをおもい至ネームです。
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難しい人間関係や淡い恋物語を、火消しの一家を主軸に、たろちゃんが一人前の武士に育っていく、涙無くては語れない物語。
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宇江佐さん、文句なし! わたしはぞっこんになりました。 皆さんも江戸市井ものを堪能あれ。
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再読した。 改めて、たろちゃんは愛しいナイスガイ! たろちゃんを囲む周りの人々も人間味があってしみじみと温かく、時には現代にも通じる厳しさも表現されていて、最後まで飽きること無く読ませます。
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吉蔵は、町火消しの「は組み」の頭。 その吉蔵の元に、武家の息子である村椿太郎左衛門が、「頭、拙者を男にしてください」と弟子入りを志願する。 少年の成長や、少年を見守る大人たちのエピソードを描いた作品。 読後感のよさは、さすが、宇江佐作品だなぁと。 太郎左衛門がかわいらしいです。
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宇江佐真理さんの作品は、いつも本当に美しい。 作者の心ばえがやさしく品があるのだろう。 表現がとっぴなのでもなく、唐突な設定もない。 市井の人々が過ごす日常。 時に涙し、理不尽に憤り、そうしてほっこりと笑う。 ただの日常がこんなにも貴重でいとおしい。 それに気づかされる...
宇江佐真理さんの作品は、いつも本当に美しい。 作者の心ばえがやさしく品があるのだろう。 表現がとっぴなのでもなく、唐突な設定もない。 市井の人々が過ごす日常。 時に涙し、理不尽に憤り、そうしてほっこりと笑う。 ただの日常がこんなにも貴重でいとおしい。 それに気づかされる、珠玉の作品。 巡りあえてよかった。
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思わず、ラストにほろりとしちゃいました。 火消しの頭のもとに「男にしてください」とやってきた坊ちゃんの成長物語。
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どうもボンヤリした印象です。 太郎左衛門が何か変貌を遂げるのかと思えばそうでもなく。ならばその優しさを思いっきり肯定してしまうエピソードなどあれば、それはそれでまとまると思うのだけど。 一方で金次郎とお栄はグズグズと。思い切るの訳でもなければ、突っ走るわけでもなく。まあ、最後には...
どうもボンヤリした印象です。 太郎左衛門が何か変貌を遂げるのかと思えばそうでもなく。ならばその優しさを思いっきり肯定してしまうエピソードなどあれば、それはそれでまとまると思うのだけど。 一方で金次郎とお栄はグズグズと。思い切るの訳でもなければ、突っ走るわけでもなく。まあ、最後にはケリがつくのだけど、どうもシャキッとした雰囲気がありません。 全体には暖かい雰囲気が有って良いのですが、なんだか成長物語という感じがしないですね。
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