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春にして君を離れ の商品レビュー

4.7

11件のお客様レビュー

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春にして君を離れ症候群

「春にして君を離れ症候群」というのがあるそうだが、私も読み終えて短期間にすでに3回再読している。アガサクリスティの数ある作品の中で一番好きである。

ハルコ

アガサクリスティーの…

アガサクリスティーの犯人も探偵も登場しない小説です。彼女の有名なミステリー作品をいくつか読んだことがありますが、私もこの本が一番好きです。原題の「ABSENT IN THE SPRING」はシェークスピアの詩の一節から取られているそうですが、この「春にして君を離れ」というタイトル...

アガサクリスティーの犯人も探偵も登場しない小説です。彼女の有名なミステリー作品をいくつか読んだことがありますが、私もこの本が一番好きです。原題の「ABSENT IN THE SPRING」はシェークスピアの詩の一節から取られているそうですが、この「春にして君を離れ」というタイトルがこの小説の雰囲気をすごく表していると思います。幸福ってなんだろうと考えさせられます。

文庫OFF

淡々と主人公の心理描…

淡々と主人公の心理描写でお話が進んでいきますが、おもしろく読みながらやっぱりアガサクリスティーはすごい!と興奮しました。自己を内省するうちに、避けていた本当の自分をみつけ絶望するところは哀れともいえました。

文庫OFF

読み終わった後に、自…

読み終わった後に、自分が今満足している人生は、果たして幸せと言えるのだろうか?と考えてしまうお話でした。主人公の主婦が家族から離れ旅をするなかでそれまでの人生の概念が足元から崩れるような体験をしますが、描写が見事なので引き込まれてしまいます。私が読後感じたのはぼんやりとした恐怖で...

読み終わった後に、自分が今満足している人生は、果たして幸せと言えるのだろうか?と考えてしまうお話でした。主人公の主婦が家族から離れ旅をするなかでそれまでの人生の概念が足元から崩れるような体験をしますが、描写が見事なので引き込まれてしまいます。私が読後感じたのはぼんやりとした恐怖でしたが見る人によって様々な捉え方ができる作品だと思います。

文庫OFF

本書は、推理小説では…

本書は、推理小説ではないのでご注意ください。サスペンス系の心理小説ですよ。テーマは夫婦愛です。クリスティーならではの冷静な女性の心理分析とその豊かな表現力が冴えています。全体を通して緊張感と優和感が錯綜しており完成度の高い作品だと思います。主婦の方にもお薦めします。

文庫OFF

2021/08/22

メアリ・ウェストマコット名で出版された小説。 自分がひとりぼっちであることに気がつかず、幸せに生きている、と思い込んでいるのは幸せなのか否か。 ジョーンみたいな人って、結構いるんじゃないかしら。もしかして、自分も? そう思うと、怖い。

Posted byブクログ

2021/02/06

ジョーンは本当に可哀想な人だなあと思いました。自分の小さな物差しの中に無理矢理周りを当て嵌めようとして、周りに自分の物差しを合わせることができないから、物差しをはみ出たものは、"あり得ない"こと、"下等な"こと、"現実的じゃない"...

ジョーンは本当に可哀想な人だなあと思いました。自分の小さな物差しの中に無理矢理周りを当て嵌めようとして、周りに自分の物差しを合わせることができないから、物差しをはみ出たものは、"あり得ない"こと、"下等な"こと、"現実的じゃない"こと、としか思えないのだなあ、なんて残念な人なのだろうと思いました。  しかし、ジョーンだけがそうなのではなく、人間誰しもが程度の差こそあれ、そういう自己本位な所があり、ジョーンはその度合いが強く、人の目に分かりやすいだけなのではないか、とも思いました。  愛しているからなんでも赦されるというわけではないということが良く伝わりましたが、では、何が赦されるのかと言われれば答えられないのが、ちょっと悔しいです笑

Posted byブクログ

2021/01/07

クリスティーのミステリではない作品は初めて読みました。でも、ジョーンが回想から真実に気づいていくところは、さすがミステリ作家、という感じです。 真実は時に残酷ですね。知らない方が幸せか、苦しいほど後悔することになっても、真実を知った方が幸せか。知らずにいて欲しいと思うのは、本当に...

クリスティーのミステリではない作品は初めて読みました。でも、ジョーンが回想から真実に気づいていくところは、さすがミステリ作家、という感じです。 真実は時に残酷ですね。知らない方が幸せか、苦しいほど後悔することになっても、真実を知った方が幸せか。知らずにいて欲しいと思うのは、本当に優しさでしょうか。誰が間違っていたのか、裏切っていたのは誰なのか。赦しを乞うべきは誰でしょうか? ジョーンだけが悪いとは思いません。

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2010/10/27

これは非ミステリー作品です。 そう6作あるそうでない作品の 1つです。 この作品はロマンス系ではなく 子育てを終えた女性の回顧録 でもあります。 そう、完璧だ、と思っても 穴ってあるものなんですよね。 結局子供は最後には 言うことを聞かなくなるのです。 それを受け入れられるか...

これは非ミステリー作品です。 そう6作あるそうでない作品の 1つです。 この作品はロマンス系ではなく 子育てを終えた女性の回顧録 でもあります。 そう、完璧だ、と思っても 穴ってあるものなんですよね。 結局子供は最後には 言うことを聞かなくなるのです。 それを受け入れられるか否か… そして夫のそれは かなりさびしいものがありました。 かなうことのないものですし…

Posted byブクログ

2011/09/03

「結婚」について考えるときに、なんとなくこの小説のことを思い出してしまう。んだけど、本当によくできている。が、結局、死ぬまで続く孤独についても考えさせられる。

Posted byブクログ