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真実一路 の商品レビュー

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24件のお客様レビュー

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 真実とは、正直とは…

 真実とは、正直とは、誠実さとは、考えさせられる作品。冒頭、子どもが疑いをかけられる部分は、子を持つ親なら必読。

文庫OFF

それぞれ自分の真実を…

それぞれ自分の真実を生きようとする家族の物語

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平成の今でも、睦子の…

平成の今でも、睦子のように自由奔放に生きることは難しいのに,今より遥昔にあのような生き方をしたということが信じがたい。衝撃を受けた。

文庫OFF

2024/02/21

この作品をあえて大きい潮目で捉えると、父親編・母親編、としてふたつに分かれていて、そのくくりの中にも具体的な主役、脇役の区別は特になく、守川家の人間たちは全て、心に罪の意識、咎、劣等感の類を抱えていて、それぞれ自分なりの『真実』に対して、頑なにそれをまっとうしようと葛藤する姿を見...

この作品をあえて大きい潮目で捉えると、父親編・母親編、としてふたつに分かれていて、そのくくりの中にも具体的な主役、脇役の区別は特になく、守川家の人間たちは全て、心に罪の意識、咎、劣等感の類を抱えていて、それぞれ自分なりの『真実』に対して、頑なにそれをまっとうしようと葛藤する姿を見せる群像劇になっています。 劇作家の作る文学なので純文学ほど堅苦しくなく、ライトノベルほど砕けてない、山本有三のこの雰囲気が好きですね。 個人の主観における『真実』は、結局のところ『思い込み』でしかなく、万人を納得させる真実も無ければ、誰一人受け入れることのできない真実も決してないわけですが、義平とむつ子のような両極端な人間どうしが絡み合ったことで生まれる歪みが、その次の世代にも繋がってしまうことは悲しいことだな、と。 この時代における政略的な縁談が生み出した弊害などについて、著者なりの意見を風刺として表されたのがこの1作だったのかな、と、今は思います。

Posted byブクログ

2021/08/14

年頃の娘・しず子と小学生の息子・義夫の幸せを切に願う父・義平。会社で経理担当を任される厳格な性格。曲がったことの嫌いな父ではあったが、義平には子らの幸福のために守るべき秘密があった。しず子は血のつなっがった娘ではなく、また死んだとしていた母は生きていた。「うちあけなかったのは、た...

年頃の娘・しず子と小学生の息子・義夫の幸せを切に願う父・義平。会社で経理担当を任される厳格な性格。曲がったことの嫌いな父ではあったが、義平には子らの幸福のために守るべき秘密があった。しず子は血のつなっがった娘ではなく、また死んだとしていた母は生きていた。「うちあけなかったのは、ただ隠しているのではない。うそを言っているのではない。そこには事実を超えた大きな真実があるのだ。事実を語ることは、誰にでもできる。が、真実で押し通すことは、そう誰にもできることじゃないよ。」としず子に諭す素香おじさまの言葉は重い。 大人の事情があり家をでた母・むつ子は縛られるのが大嫌いで勝気な感性の人。彼女も義平との結婚前には不幸なことがあった。登場人物それぞれが真実と信じる道をひたすら歩み続ける様をVIVIDに描いた不朽の名作。昭和のホームドラマの原点が凝縮された作品と感じている。ラストシーンの運動会で、「畜生」と思いラストスパートをかける義夫の負けん気の強さは母むつ子の血か。 むつ子が愛した隅田は化学者。個人的には試行錯誤に没頭する材料研究者の姿はうまく表現されていると感じる。交流範囲の広い作者におそらく知り合いが居られたと思う。木材不燃剤や蛍光物質の開発など 言葉に少し血が騒ぎました(私事ながら化学研究者でしたので・・・)。蛍光材料やLEDなど今であれば、隅田の発明で一儲けできたはず。時代の流れを感じます。昭和49年12月10日56刷320円。

Posted byブクログ

2021/02/28

人それぞれが思う真実というものがあり、そこに一路に向かっていくそれぞれの人物の姿が描かれている。周りの人に迷惑をかけながらも発明に向かう隅田、その成功を信じ続けるむつ子、血のつながらない父と互いに真実を告げることなく看取るしず子、勉強はできないが自分の得意とする競争に信念で走り続...

人それぞれが思う真実というものがあり、そこに一路に向かっていくそれぞれの人物の姿が描かれている。周りの人に迷惑をかけながらも発明に向かう隅田、その成功を信じ続けるむつ子、血のつながらない父と互いに真実を告げることなく看取るしず子、勉強はできないが自分の得意とする競争に信念で走り続ける義夫。真実とは何でもいいのだ。ただそれが自分にとっての真実だと信じる道をひたすら進む。私も人に左右されることのないそんな自分の真実を一つでも持ち続けたいものだ。 山本有三の本に出会って再び本の面白さを思い出した。

Posted byブクログ

2020/12/25

ストーリーに入り込むまで少し時間がかかったけど、やっぱり日本語好きだなあ、綺麗だなあと。お父さんの遺書は涙なしでは見られない。みんながみんな不器用で、優しくて温かい。最後に「真実一路」がずしんと心に突き刺さる。これこそ不朽の名作です。

Posted byブクログ

2020/03/15

誠実さも罪になる。自己に忠実に生きれば、成り立たないこともある。嘘と真実。誰も責められない真実がある。はたして自分はどうだろうか?と考えさせられる

Posted byブクログ

2018/06/11

それぞれの真実を探して、もがき苦しむ。 小学生の義夫も自分なりの真実を見つけようともがきながら成長していく。 生きていく上で、もがき、傷つくことも大切だと思わせてくれる。 何が真実かは、自分で見つけ出さなくてはならない。 不朽の名作。

Posted byブクログ

2018/04/26

父と娘、母と息子それぞれの真実一路。 みんな真実一路ですが、それぞれの一路は少しずつ少しずつ、違っていました。 何ともやるせない物語です。 真実一路の旅なれど 真実、鈴ふり、思い出す。 うちあけなかったのは、ただ隠(かく)しているのではない。うそを言っているのではない。そこに...

父と娘、母と息子それぞれの真実一路。 みんな真実一路ですが、それぞれの一路は少しずつ少しずつ、違っていました。 何ともやるせない物語です。 真実一路の旅なれど 真実、鈴ふり、思い出す。 うちあけなかったのは、ただ隠(かく)しているのではない。うそを言っているのではない。そこには、事実を超えた大きな真実があるのだ。事実を語ることは、だれでもできる。が、真実で押(お)し通すことは、そうだれにでもできることじゃないよ。 ─ 158ページ 女が母おやになるのはなんでもないことです。そんなことはどんな女にだってできることです でも母おやであることはなかなかできることではありません このことはよくよく思案していてください ─ 410ページ

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