真実一路 の商品レビュー
2015年12月20日に開催されたビブリオバトルinいこまで発表された本です。テーマは「ささるセリフ」。
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路傍の石とならんで山本有三の名作と言われる作品。 何も語らぬ厳格な父と娘と息子の一見平凡な家族。その父の生き方,母がいないわけ。「人生を"真実一路"に生きようとしながら傷ついた人々の,不幸だが真摯な姿を描いた不朽の名作」と評されています。 中盤くらいの父の...
路傍の石とならんで山本有三の名作と言われる作品。 何も語らぬ厳格な父と娘と息子の一見平凡な家族。その父の生き方,母がいないわけ。「人生を"真実一路"に生きようとしながら傷ついた人々の,不幸だが真摯な姿を描いた不朽の名作」と評されています。 中盤くらいの父の遺書あたりがクライマックスで,もっとも感動しました。その父の生き方に共感できる人も多いのではないかなぁと思います。その後は決してハッピーエンドではないです。むしろその対極ですが,単に悲惨な小説で終わらないのはこの父の生き方を中心にそれぞれの人物が"真実"に生きる生き方が作品から伝わってくるからなのでしょう。 父義平の娘しず子が,父と血がつながっていないことを叔父から話されたあと,しず子に叔父は話す。 「今日まで,ずうっと自分の子として育ててきたのだから,どこまでも自分の娘として嫁にやりたい。心からそう思っているのだ。――うちあけなかったのは,ただ隠しているのではない。うそを言っているのではない。そこには,事実を越えた大きな真実があるのだ。事実を語ることは,だれにでもできる。が,真実で押し通すことは,そう誰にでもできることじゃないよ。」 父から娘への遺書 「この件については,あるいは小生がここに改めてことわらずとも,あなたはもう何もかも知っているのかもしれませぬ。どうも知っているような気がしてならぬのです。小生はときどきあなたのことばのはしばしや,動作のうちにそれを見て,ぎょっとすることがしばしばあります。それで,私はある時,思い切ってあなたに尋ねてみようと思ったことがありましたが,わざとやめました。小生も知っていて言わず,あなたも知っていて言わない。それは明らかにうそのつき合いです。しかしながら,このうそのつき合いの中に,なんとも言われない,甘い味があるのです。私はせっかくの,その味を台なしにしたくないと思って,ついに黙っておりました。人生と申すものは実に複雑多様なるものにて,うそは絶対に悪とされていますが,このうそがあるために,いかほど人生がなめらかにされているか,はかり知れないと思います。」 内容はこれだけではないですが,この部分がなんとも好きです。
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(1966.03.31読了)(1966.03.31購入) 内容紹介 父と姉に育てられた義夫少年を主人公に、人生を“真実一路"に生きようとしながら傷ついていく人人の真摯な姿を写し出す不朽の名作。 ☆関連図書(既読) 「女の一生(上)」山本有三著、新潮文庫、1951.03...
(1966.03.31読了)(1966.03.31購入) 内容紹介 父と姉に育てられた義夫少年を主人公に、人生を“真実一路"に生きようとしながら傷ついていく人人の真摯な姿を写し出す不朽の名作。 ☆関連図書(既読) 「女の一生(上)」山本有三著、新潮文庫、1951.03.10 「女の一生(下)」山本有三著、新潮文庫、1951.03.26 「風」山本有三著、新潮文庫、1952.05.18
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丹羽さんが読んだ本ということで読んでみた。 真実は、知った方がいいのかわるいのか。 真実を全て知ることが必ずしも最善とはいえないのかなと考えさえられた。
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昔読んだ本。 文学といえる作品。 枕木にしがみついて電車が通過するのに耐えるシーンの水ぶくれがヒリヒリとリアルに感じられたのを覚えている。
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人生の中で、とても大切な本。分かり合えない父親と娘。父親の限りない愛情を受け、揺れ動き、、、やっと真意を知ることができた時の涙が共感できる。分かり合うには、時間がかかること。甘えることの大切さ。不器用で、愛すべき家庭像。
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大分前に書かれた小説だったので、会話などのことばの使い方が今とかなり違いました。 主人公の家族間での問題が話のテーマだったので、少し身近な内容で、それぞれの立場の人の思いがよくわかりました。 真面目で義理がたい作者自身の考え方がよく現れている小説でした。
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昭和25年に発行され、非常に傷んでいる本を バイト先のベネッセコーポレーションにて暇を見つけては読んでいました。 社員さんからの、コイツは何を読んでいるんだ?w的な視線を強く感じました。 本当に名作だと思いました。 真実に忠実に生きるって難しいけど、かっこいいなと思...
昭和25年に発行され、非常に傷んでいる本を バイト先のベネッセコーポレーションにて暇を見つけては読んでいました。 社員さんからの、コイツは何を読んでいるんだ?w的な視線を強く感じました。 本当に名作だと思いました。 真実に忠実に生きるって難しいけど、かっこいいなと思います。
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2007/11/19購入。不器用で愛情がはみ出しちゃうような人ばかりだなぁ。己の中に思い描く真実に生きる、真実一路、その言葉に集約されてるのかなと。これもまた面白いなぁ。
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父と姉に育てられた義夫少年を主人公に、人生を“真実一路”に生きようとしながら傷ついていく人人の真摯な姿を写し出す不朽の名作。
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