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大正幻影 の商品レビュー

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2019/03/08

佐藤春夫、谷崎、芥川、荷風らの作品について、「ドッペルゲンゲル」、「水への憧れ」、「神経衰弱」、「映画」、「探偵小説」、「支那趣味、南方(植民地)」などのキーワードを軸に、大正期の作品に見えてくるそれぞれの作品や精神性の似てるところ、異なるところを論じた評論集。 (他にも、梶井や...

佐藤春夫、谷崎、芥川、荷風らの作品について、「ドッペルゲンゲル」、「水への憧れ」、「神経衰弱」、「映画」、「探偵小説」、「支那趣味、南方(植民地)」などのキーワードを軸に、大正期の作品に見えてくるそれぞれの作品や精神性の似てるところ、異なるところを論じた評論集。 (他にも、梶井や乱歩、川端などちょいちょい他の作家や作品も出てきます) この4名を軸にあの時代の作品を分析すると見えてくる諸々がとても面白いです。 そもそもそれだけ同時代の作品を読み込んでないと見えてこない部分なので、とにかく著者の読書量に感謝。ここから興味を持って「これ読んでみたい」と思えるものが色々出てきました。ですので、本書で触れている各作品が未読でもあらすじから丁寧に紹介してくれるので、興味のあるテーマから派生する大正時代の作品へのブックガイド的楽しみ方もできますね。(モノによってはオチに近い部分まで触れてくるので、ネタバレ的な奴に敏感な人は気をつけて読まなきゃいけませんがw) 特に面白かったのは、「ビーダーマイヤー」をキーワードに春夫をオブジェ趣味として論じた奴と、大正時代にあった文士の書く探偵趣味的小説ブームを「病める名探偵たち」というテーマで論じたこの2編ですね。

Posted byブクログ