椿の海の記 の商品レビュー
たまげたばい。石牟礼道子さんの亡くならしたけん読んでみたら、小さかときの天草と水俣での暮らしば丁寧に書いとらした。生きとるもんのうれしかこつ、悲しかこつば熊本弁でせつせつと語らすけん、生々しか。ほんなこつ、ぽんたの話はせつなかばい。
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ここには水俣病の原因となった水銀に侵される前の不知火の海と山の豊かな恵みと没落していきながらもその恵みに支えられながら生活する主人公とその家族の姿が味わい深い方言を交えながら語られている。「だまって存在しあっていることにくらべれば、言葉というものは、なんと不完全で、不自由な約束事...
ここには水俣病の原因となった水銀に侵される前の不知火の海と山の豊かな恵みと没落していきながらもその恵みに支えられながら生活する主人公とその家族の姿が味わい深い方言を交えながら語られている。「だまって存在しあっていることにくらべれば、言葉というものは、なんと不完全で、不自由な約束事だったろう。それは、心の中にむらがりおこって流れ去る想念にくらべれば、符牒にすらならなかった。」作者はそのような豊饒な生を生きているのだ。
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