向田邦子と昭和の東京 の商品レビュー
向田邦子さんに関する作品は、ご本人の著書はもとより関係本もかなり読んだつもりでしたが、未読の本がありました。これまた大好きな川本三郎さんの著作を見渡していて探し出した本、それが「向田邦子と昭和の東京」(2008.4)です。存命なら今年91歳の向田邦子さんの51年余の生涯を、丁寧に...
向田邦子さんに関する作品は、ご本人の著書はもとより関係本もかなり読んだつもりでしたが、未読の本がありました。これまた大好きな川本三郎さんの著作を見渡していて探し出した本、それが「向田邦子と昭和の東京」(2008.4)です。存命なら今年91歳の向田邦子さんの51年余の生涯を、丁寧にまとめ、語られた書です。序が「昭和の女学生」①「父母のいませし頃の懐かしい言葉」②「家族の記憶と食」③「向田家の父と昭和の父」④お嬢さん、実社会へ」⑤「家族の中の秘密と嘘」最終章が「向田邦子と東京の町」。
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今は消えた"ちゃぶ台"がキーワードになる。昭和4年生まれの向田邦子は、ちゃぶ台のある暮らしの中で育って来た。その暮らしがかけがえのない記憶となり、シナリオ、エッセイ、小説にその「昭和」が 色濃く表されている。その、いわば昭和の記憶を、言葉、家族、街並みと分析し...
今は消えた"ちゃぶ台"がキーワードになる。昭和4年生まれの向田邦子は、ちゃぶ台のある暮らしの中で育って来た。その暮らしがかけがえのない記憶となり、シナリオ、エッセイ、小説にその「昭和」が 色濃く表されている。その、いわば昭和の記憶を、言葉、家族、街並みと分析し、そして映画などを材料に、「現代は何を失ったか」を丁寧に解題している。 この本は、川本三郎で買った。向田邦子のドラマをもっと見ておけば良かった。
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20120630 向田邦子の原点。こじつけの様な所もあるがうなづける。以外に歳だったこともわかった。読み方も変わるかも知れない。
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今日のお出掛けのお供に再読。向田邦子さんは華やか外食の味ではなく季節の折々の食卓の味を丁寧に描いて、家族の記憶、家族の絆やその儚さを語っている。私も食卓の味を大事にしたい。そのうち子供達に昭和って時代はね、って語ってしまいそう。
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[ 内容 ] 敗戦から昭和三十年代にかけて、急速な経済成長の中で失われた様ざまな習慣、やさしく奥深い言葉の数々、変わりゆく家族のかたち、東京の町並…それらをいとおしみ、表現し、そして体現し続けた向田邦子。 様変わりした現代において、今なお高い人気を誇る作品群をひもとき、早世の天才...
[ 内容 ] 敗戦から昭和三十年代にかけて、急速な経済成長の中で失われた様ざまな習慣、やさしく奥深い言葉の数々、変わりゆく家族のかたち、東京の町並…それらをいとおしみ、表現し、そして体現し続けた向田邦子。 様変わりした現代において、今なお高い人気を誇る作品群をひもとき、早世の天才作家が大切に守り続けたものとは何かをつづる。 [ 目次 ] 序章 昭和の女学生 第1章 父母のいませし頃の懐かしい言葉 第2章 家族の記憶と食 第3章 「向田家の父」と「昭和の父」 第4章 お嬢さん、実社会へ 第5章 家族のなかの秘密と嘘 最終章 向田邦子と東京の町 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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向田邦子が日航機の墜落事故でなくなったのが昭和56年(1981年)の夏のことなので、今年で27年目をむかえることになる。あれっ、そんな前のことだったっけ?と感じるのは、自分が歳をとった証拠なのだろう。この本の書き出しは、何年か前にはやった「Always 三丁目の夕日」という昭和3...
向田邦子が日航機の墜落事故でなくなったのが昭和56年(1981年)の夏のことなので、今年で27年目をむかえることになる。あれっ、そんな前のことだったっけ?と感じるのは、自分が歳をとった証拠なのだろう。この本の書き出しは、何年か前にはやった「Always 三丁目の夕日」という昭和30年代の東京を扱った映画の紹介であり、締めくくりは「昭和三十三年頃から変わり始めて、バブルですべてなくなってしまった何か大事なものを、向田さんはとても丹念に見続けていましたね」という久世光彦の本からの引用である。その時代の日本に生きた家族を主たる題材として、向田邦子は脚本を書き続けてきたわけで、そういうわけで「向田邦子と昭和の東京」という題名になっている。本の帯に、「現代は何を失ったのか」とある。筆者の川本三郎は、昭和の時代の東京が良くて、現在の東京は困ったものだ、みたいな価値判断を特にしていない。向田邦子自体も同じである。従って、これから書くことは、本書とは、ほとんど何も関係がない。「現代は何を失ったのか」という言葉は既に価値判断を含んでいると思う。失われたものは、大事なものであり、それが失われる前の昔は良い時代であり、それが失われた後の現在は不幸な時代だ、みたいなことだろうか。こういう言説は、新聞等でもよく見かける。東京、あるいは、日本の昭和時代(少なくとも僕が生きていた昭和時代)が悪い時代だったとは全く思わないし、その時代と現在ではやはり何かが違うことは確かなのだけれども、でも、昔は良くて今は駄目、みたいなお題目には反発を感じてしまう。そのお題目は、その間の人間の努力を(その努力が良い結果を生んだかどうかは全く別として)、否定して涼しい顔をしているような、高みから人間の努力を根拠もなく批判しているような、そのような感じを僕自身が受けるからだろうと思う。途中でも書いたけれども、でも、僕自身のこの感想は、本書とは全く関係のないことである。向田邦子は魅力的な作家だと思うし、川本三郎はさすがだし、この本はかなり面白い。
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「言葉」「食」「父」「家族」などの視点から、向田邦子作品を読み解く中で、高度成長とともに日本が失ったものを、改めて確認する一冊。もしもお元気ならば、今年八十歳とのこと。当たり前のことなのかもしれないけれど、びっくりしました。
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