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ザルツブルクの小枝 の商品レビュー

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2010/10/01

1953年10月から1954年12月までの米国、欧州の紀行の記録。読んでいて旧制高校の後輩である吉田秀和の「音楽紀行」と同じ時期だと気づいた。実際、後半のヨーロッパで同じ音楽会に出かけたりしている。フルトヴェングラーを聴いているのだ。 著者は貪欲に西洋の文化を見て、批評している。...

1953年10月から1954年12月までの米国、欧州の紀行の記録。読んでいて旧制高校の後輩である吉田秀和の「音楽紀行」と同じ時期だと気づいた。実際、後半のヨーロッパで同じ音楽会に出かけたりしている。フルトヴェングラーを聴いているのだ。 著者は貪欲に西洋の文化を見て、批評している。その目はなかなか鋭い。つまらないものを一言で切り捨てる潔さもある。 かといって固い読み物ではなくて、はじめてあこがれの西洋に出かけていって、それと格闘する様が書かれていたり、読みやすい。これだけ情報の多い現代でもそういう部分はそれほどかわらないのではないかと感じた。 本編と関係はないが、この前に読了した吉田秀和の本にもこの本にもパドヴァのジオットのすばらしさがでてくる。私も久しぶりにそれをみたときの感動を思い起こした。

Posted byブクログ