言葉とは何か の商品レビュー
内容は本当に基本的なもので、言語学の門外漢が最初に読む本という感じ。コンパクトで分かりやすく、後ろに用語集や読書案内などもついていて、よりレベルの高い本を読むときに傍に置く基本書としても使えそう。 言語能力は二足歩行能力などと違って生物的に自然な能力ではないという。すごい。人間の...
内容は本当に基本的なもので、言語学の門外漢が最初に読む本という感じ。コンパクトで分かりやすく、後ろに用語集や読書案内などもついていて、よりレベルの高い本を読むときに傍に置く基本書としても使えそう。 言語能力は二足歩行能力などと違って生物的に自然な能力ではないという。すごい。人間の進化だけ異常過ぎないかという思いが加速する。 ソシュールの体系という考え方については、これが近代思想のパラダイムシフトを起こした概念かという感慨があった。言葉と認識についてもう少し深く知りたいと思った。 「言語に先立つ観念はなく、言語が現れる以前は、何一つ明瞭に識別されない」(ソシュール)106p
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ソシュールの記号論を含めて言葉についてもっと知りたくて購入。 内容は比較的分かりやすく書かれている。 段々学問的な話になって読み飛ばしてしまったが、言語学を学んでる人には良い本なのではないでしょうか。
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初めての丸山圭三郎。偉い人だってこととソシュールの大家だってことは分かった。何となく言いたいことは分かったが、もう少し具体的な話が欲しいので、他の本も読んでみたい。
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「言葉は物や概念の呼び名ではない」というショッキングな指摘から始まる、言語学、記号学の入門書です。 言語『学』とか聞くとちょっと身構てしまうかもしれませんが、200ページ弱の文庫で読みやすく、外国語学習の本質についての言及は、外国文学を読む方には特にオススメ。
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初読。ソシュールの入門書。自分の中でうまく整理しきれてないところもありそうだけど、分かりやすかったと思うし、おもしろかった。巻末の人物紹介・述語解説が充実してて、解説とあとがきも豊富。本編は思ってたより短かった。「ーではない」という定義しかできないっていうのがなんか良い。でも今回...
初読。ソシュールの入門書。自分の中でうまく整理しきれてないところもありそうだけど、分かりやすかったと思うし、おもしろかった。巻末の人物紹介・述語解説が充実してて、解説とあとがきも豊富。本編は思ってたより短かった。「ーではない」という定義しかできないっていうのがなんか良い。でも今回読んでみて、自分は言語学自体には興味が薄いのかもしれないとぼんやり思った。
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「言葉とは何か」を突き詰めて考えことはなかった。 言葉とは対象を認めるために必要な道具ぐらいにしか。 本書によって業務で扱う「定義」としての「言葉」をどのように扱うべきかを理解できるようになった(気がする)。 仕事において「ソシュール」というキーワードが出てきた。 よし読んでみ...
「言葉とは何か」を突き詰めて考えことはなかった。 言葉とは対象を認めるために必要な道具ぐらいにしか。 本書によって業務で扱う「定義」としての「言葉」をどのように扱うべきかを理解できるようになった(気がする)。 仕事において「ソシュール」というキーワードが出てきた。 よし読んでみるか!と気合を入れて図書館で探すと2000ページを超えていた...ら本書と出逢う。 言葉とは「物の名前」でもなければ、「既成の意味や概念を指さす記号」でもない 言葉は一つの体系をなしている。 言葉とは、バラバラに寄り集まった、互いに何の結びつきも持たない個の集合体ではない。 言葉の持つ価値は、その体系の中で占める位置と大きさだけによって決定される。 わかってきた。 自然界に存在する事物を指さす言語は日本語とフランス語ではズレが有り、日本語の体系とフランス語の体系の中にある他との関係差異によって示された記号であるということ。(私まとめ) 日 本 語 |木 |森| フランス語 |arbre|bois | 結論は、読んで良かったです。 大学生は読んでおくべき言語学だと思います。
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とてもわかりやすく、丁寧にまとめられたソシュール入門書。言語というのは意味や対象を表現する二次的なものではなく、言葉は表現すると同時に意味付けるものであり、他の意味付けられた言葉との相互作用によって対象が恣意的に揺らぐものだと語り口調で解説してくれている。また、導入として言語と文...
とてもわかりやすく、丁寧にまとめられたソシュール入門書。言語というのは意味や対象を表現する二次的なものではなく、言葉は表現すると同時に意味付けるものであり、他の意味付けられた言葉との相互作用によって対象が恣意的に揺らぐものだと語り口調で解説してくれている。また、導入として言語と文化の話から入っていくが、そこでは言語とはひとつの文化的視点そのものであり、異なる言語を学ぶことは異なる文化からの視点を獲得することだと指摘することで他文化に「かぶれ」過ぎてしまうことへの警鐘をきちんと鳴らしていることも信頼できる。
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とてもわかりやすく、読んでいて面白いソシュール入門の本だった。しかしこれだけわかりやすく解説されていても、言葉と世界との(そして人間の)相互規定性を理解できない人はきっといるに違いない。人間は言葉がなければ世界を認識できず、世界がなければ言葉が生まれず、そして人間は、その緊張関...
とてもわかりやすく、読んでいて面白いソシュール入門の本だった。しかしこれだけわかりやすく解説されていても、言葉と世界との(そして人間の)相互規定性を理解できない人はきっといるに違いない。人間は言葉がなければ世界を認識できず、世界がなければ言葉が生まれず、そして人間は、その緊張関係の中で偶然(人間にはランガージュが必然的に伴うことを考慮すれば決して偶然ではないが)生まれた言葉の上に制約されていると同時に、唯一作り替えることのできる存在である。ふとしたきっかけでソシュールと丸山が言わんとしていることを理解できたとき、世界は全く異なった様相を見せるはずである。すでにソシュールの思想について部分的に知っている人にとっても、頭を整理するのに最適な書ではないかと思う。 それに引き換え、やたらと長い解説の出来の悪さは際立っている。蛇足以外の何者でもない。
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言葉とは何か。 今の自分の理解だと、言葉とは現実を区別できる単位である。 言葉にない物事を、その言葉を使う人は明確にほかのものと区別して理解できない。自分の知っている言葉ではなんとも言い表せないニュアンスを抱くだけである。
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大学院で記号論を勉強しているときに、大学の先生からすすめられた本。 書かれたのはずいぶん前だけど、中に書かれた記号論の話は全く色あせていないと思います。 記号論関連の本を何冊か読んでいますが、この本が一番分かりやすい!! しかもかなり薄い。(丸山氏が書いているのは140ページほ...
大学院で記号論を勉強しているときに、大学の先生からすすめられた本。 書かれたのはずいぶん前だけど、中に書かれた記号論の話は全く色あせていないと思います。 記号論関連の本を何冊か読んでいますが、この本が一番分かりやすい!! しかもかなり薄い。(丸山氏が書いているのは140ページほど) そして、本の後ろには、記号論で重要な言葉や人物に関する説明が載っています。 かなりとっつきやす見た目、とっつきやすい文章(言語学者だけあって、本の中で使われている言葉や表現が綺麗かつ面白い)、なのに、記号論の重要なポイントは落としていない。 筆者の記号論への理解が深いからこそ、こんなに易しい表現ができるのだろうなと、色んな所に感動する本でした。
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