石油がわかれば世界が読める の商品レビュー
世間で入り乱れている不確かな石油情報を、データを元に解き明かして行く。石油の成り立ちや、様々な製品を産んでることは興味深い。が自分には少々難しく飛ばし読みで読了。
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2章では全体の半分のページを割いて、動力燃料、バイオマス、石油製品を取り上げるなど、石油に関する幅広いテーマを扱っている。その分、突っ込んだ話はあまりないが、環境問題を含めてフェアにまとめられている印象だった。 ・ガソリン価格140円のうち、原油価格が40円(1バレル60ドルの...
2章では全体の半分のページを割いて、動力燃料、バイオマス、石油製品を取り上げるなど、石油に関する幅広いテーマを扱っている。その分、突っ込んだ話はあまりないが、環境問題を含めてフェアにまとめられている印象だった。 ・ガソリン価格140円のうち、原油価格が40円(1バレル60ドルの場合)、日本の税金が60円、輸送・精製・販売コストが40円。原油価格のうち、生産国の税金が35円(UAEの場合)、生産コストは数円程度。 ・サルファフリー化により、ガソリンと軽油に含まれる硫黄分は0.001%に減った(軽油は1995年から500分の1)。これによって、ガソリンの排ガスに含まれるNOxの還元・無害化ができるようになり、ディーゼル車の排ガスからPMを取り除くフィルターの目詰まりを回避できるようになった。 ・家庭の電力は発電・送電ロスによってエネルギーが失われているため、プラグインハイブリッド車の電気はガソリンより1.5倍のCO2を排出することになる。 ・天然ガスの主成分であるメタンに水を加えて熱をかけると、COとH2に分解する。これにFT反応させて水素化分解することにより、軽油に相当する燃料ができる。石炭やバイオマスからCOとH2をつくることもできるが、難易度が高い。 ・日本では、石油の43%が自動車などの動力用、38%が工業や家庭用の熱源、19%が化学製品原料として用いられている(2005年)。 ・最初の油田開発は1859年にアメリカで成功し、当初は灯油として利用された。1886年にドイツのダイムラーとベンツによって内燃機関が発明された。 ・石油精製業をはじめたロックフェラーは、競争相手を次々に合併・買収して拡大し、1870年にスタンダード・オイルを設立した。1911年に独占禁止法違反の有罪判決を受けて分割され、セブン・シスターズが誕生した。石油を燃料とする兵器が用いられた第一次世界大戦後、イギリスはアングロ・ペルシャ(現BP)を国有化した。 ・1928年、メジャーの国際カルテルの契機となる密約アクナキャリー協定を交わされた。これにより、石油市場の販売シェアを固定して、原油価格を安定化させ、第1次石油ショックまで50年近くにわたって支配続けた。 ・中東産油国は1960年にOPECを設立。1969年にはリビアのカダフィ政権が原油価格の引き上げと所得税率の引き上げに成功。1971年のテヘラン協定をはじめとして、石油資産の国有化などが進められ、2度の石油ショックによって国際石油市場の支配権はOPECに移った。
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ガソリンが高くなった時期だから読んだ本です。枯渇による高騰ではなくて、投機による高騰だと知ったのはこの本ででした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] 30年前、「30年後には石油資源は枯渇する」という話があった。 だが、いまも石油が枯渇しないのは、なぜなんだ。 こんな、一般のひとたちが抱く素朴な疑問に、石油学会の専門家たちが、懇切丁寧に答える。 原油価格高騰のカラクリからバイオ燃料の将来まで、驚きの内幕。 環境との意外や意外な関係、原油の原価は「たった数円」、近未来のクルマはどうやって走る? 中東産油国の反乱など、3時間でわかる最新の石油事情。 [ 目次 ] 第1章 石油をめぐる世界の動き(石油と環境の意外な関係 石油は環境に良い? 地球環境問題は、そう単純ではない ほか) 第2章 石油を上手に大切に使う(これからの自動車は何で走る? 自動車燃料にはエネルギー密度が必要 まず燃費の改善 ほか) 第3章 石油文明は終わらない(古くて新しい石油とのかかわり 人類の歴史のほとんどは真っ暗闇? チャーチルの英断―海軍の燃料を石炭から石油へ ほか) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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環境問題は科学的、論理的に考えなければならない。感情的にエコを叫んだところで、実際にそれがエコとは限らない・・というのは事実だある。 したがって、石油を使うことのほうがエコである、ということもきっとありえるとは理論的にはわかる。しかしそれを書いているのが、社団法人石油学会であれ...
環境問題は科学的、論理的に考えなければならない。感情的にエコを叫んだところで、実際にそれがエコとは限らない・・というのは事実だある。 したがって、石油を使うことのほうがエコである、ということもきっとありえるとは理論的にはわかる。しかしそれを書いているのが、社団法人石油学会であれば、どうしても眉唾というとになる。まあ、そういう本である。
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石油に関連する話題がかなり盛り込まれており、何も知識がない人にとっての入門書としては良い。 新エネルギーなどの話題にも触れており面白い。
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長期的に見て中国、インドの自動車の急増は大問題である。 資源ナショナリズムの問題も発生している。 石油の本当の価値は原油そのものでなく、ガソリンなどの製品になって初めて意味を持つ。 無資源国日本がエネルギー確保のためになすべきこと、それは技術の先ドルに他ならない。 エンジンのない...
長期的に見て中国、インドの自動車の急増は大問題である。 資源ナショナリズムの問題も発生している。 石油の本当の価値は原油そのものでなく、ガソリンなどの製品になって初めて意味を持つ。 無資源国日本がエネルギー確保のためになすべきこと、それは技術の先ドルに他ならない。 エンジンのない車はすでに走り始めている。電気自動車と燃料電池自動車。 世界の石油産業の歴史とはアメリカの石油産業の歴史であり、それは市場独占と原油価格法の歴史であった。
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ほんとうに世界が見えてくる。日本人は特に、アラブ圏の事情に疎いと思う。ましてや、地図でイラクやイラン、サウジアラビアが分からない人は結構多いのではないか? この本を読んで石油に対する理解を深めれば、無関心だった国の事情を知りたくなるだろう。
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石油は30年でなくなる、そういわれて30年以上が経つ。 今や日本に限らず経済大国では石油が欠かせない。 しかし、その石油は有限である。 今の消費ペースでは数十年で枯渇もありうる話である。 この本ではいかにして石油と付き合うか、ということを述べる。 石油が枯渇してしまうなら石油以...
石油は30年でなくなる、そういわれて30年以上が経つ。 今や日本に限らず経済大国では石油が欠かせない。 しかし、その石油は有限である。 今の消費ペースでは数十年で枯渇もありうる話である。 この本ではいかにして石油と付き合うか、ということを述べる。 石油が枯渇してしまうなら石油以外のエネルギーを作ればよい、と巷では言われる。 しかし、安易な代替エネルギーは効率面でも環境負荷の面でもいい結果はもたらさない。 他にも石油価格の高騰はなぜ起こるか、とか、今までの人類がやってきた使い方はどんな感じであったか、とか、 石油に関するあらゆる基本的なことを書いており、石油について勉強するにはこの本から入るとよいだろう。 バイオエタノールがなぜ環境を守ることにつながらないどころか環境を破壊することになるのか、その答えはこの本の中にある。
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「石油や穀物の値上がり」というようなことで、色々と起こっている昨今だけに、非常に薦めたい一冊だ!!石油や燃料のビジネス、技術を誰にでも分かるような感じで易しく解説している。
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