縄文の思考 の商品レビュー
縄文の「段階」と「姿勢」について。ところどころに根拠の明示されていない言い切りがあり気になるが内容は十分価値があった。
Posted by
[ 内容 ] 縄文土器を眺めると、口縁には大仰な突起があり、胴が細く、くびれたりする。 なぜ、縄文人は容器としてはきわめて使い勝手の悪いデザインを造り続けたのか? 本書では土器、土偶のほか、環状列石や三内丸山の六本柱等の「記念物」から縄文人の世界観をよみとり、そのゆたかな精神世界...
[ 内容 ] 縄文土器を眺めると、口縁には大仰な突起があり、胴が細く、くびれたりする。 なぜ、縄文人は容器としてはきわめて使い勝手の悪いデザインを造り続けたのか? 本書では土器、土偶のほか、環状列石や三内丸山の六本柱等の「記念物」から縄文人の世界観をよみとり、そのゆたかな精神世界をあますところなく伝える。 丹念な実証研究に基づきつつ、つねに考古学に新しい地平を切り拓いてきた著者による、縄文考古学の集大成。 [ 目次 ] 日本列島最古の遺跡 縄文革命 ヤキモノ世界の中の縄文土器 煮炊き用土器の効果 定住生活 人間宣言 住居と居住空間 居住空間の聖性 炉辺の語りから神話へ 縄文人と動物 交易 交易の縄文流儀 記念物の造営 縄文人の右と左 縄文人、山を仰ぎ、山に登る [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
Posted by
2010/07/04 「第一人者」ならではの決めつけ、思い込み、言いっぱなしが散見されるが、「第一人者」ならではの知見、洞察には深くうなづかせられるものがある。縄文時代の入門書として、縄文時代と現代を比較対照させながら「社会のあるべき姿」に関する考察を深める触媒として、まずは手...
2010/07/04 「第一人者」ならではの決めつけ、思い込み、言いっぱなしが散見されるが、「第一人者」ならではの知見、洞察には深くうなづかせられるものがある。縄文時代の入門書として、縄文時代と現代を比較対照させながら「社会のあるべき姿」に関する考察を深める触媒として、まずは手に取るべき1冊と言えるだろう。
Posted by
・実利性とは別に象徴的な価値感が問題とされる。信州産の黒曜石はいわゆるブランド物。 ・土器の発明の地域は東アジアをスタートとして西アジア、アメリカ大陸という流れ。 ・縄文文化は新石器文化と全く同様に人類史上の第2段階。つまり、第2段階には本格的な農業を持つ文化と農業もたない文化の...
・実利性とは別に象徴的な価値感が問題とされる。信州産の黒曜石はいわゆるブランド物。 ・土器の発明の地域は東アジアをスタートとして西アジア、アメリカ大陸という流れ。 ・縄文文化は新石器文化と全く同様に人類史上の第2段階。つまり、第2段階には本格的な農業を持つ文化と農業もたない文化の相違なる二つが有るということ。言い換えれば、人類史における第2段階には少なくとも農業の有無の違いによる対照的な二つの文化があるということ。 ・縄文土器を見て岡本太郎は「ここに日本がある」と叫んだ。 ・縄文土器の文様は縄文人の世界観を表現するもの。 ・縄文土器の文様は装飾性とは無関係に世界観の中から紡ぎ出された物語であり、文様を構成するモチーフはそれぞれ特定の意味概念に対応する記号である。 ・弥生の装飾性と縄文の物語性 ・使い勝手を犠牲にしてまで土器に付与したもの、それは縄文人の詩情。 ・狩猟はムラ+ハラ(自然との共存)。農耕はムラ+ノラ(自然の征服)。 →自分の今までのイメージが覆った。 ・鳥虫獣魚草木の自然界にまとうカタチの奥に潜む精霊とつき合い、対話は儀礼や呪いによって開かれてゆく。縄文人が1万年以上こうした自然との関係を維持継承するなかから「縄文世界観」、日本人的心の形成の基盤となった。 ・縄文住居の炉は明り取りでも暖房用でも調理用でもなかった。 ・とにかく炉の火それ自体にこそ目的があったのではないか。炉と炉の火の象徴性。 ・注連縄が左を原則とする理由。 ・縄文人の物語あるいは物語を生み出した世界において右及び右眼がモチーフの中で重要な意味を持っていた可能性。 ・食料を極端に少ない特定の種に頼ることなく可能な限り分散して万遍なく利用する。いつでもどこでも食べるものに事欠かない状態を維持。縄文姿勢方針。 ・いろんな物を食べるということは食べられるもの食べられないものを明確に区別することから始まる。ここに言葉が力を発揮する。対象特定する。
Posted by
- 1
- 2