代数に惹かれた数学者たち の商品レビュー
代数の通史を啓蒙書としてかたちにしている。 レベルは現代数学はスキームまで入らないが、可換環論や圏論までは知っておいた方が内容が理解ができるだろう。分からなくても本書で「雰囲気」は味わえる。
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代数の歴史について、古代から現代までの歴史について解説している。 古代の代数はバビロニアの粘土板から、どうやら1次方程式や二次方程式について知られていたようだ。 現代のようなゼロ、負の数そして無理数も考えられていないときにどうやって解いたの、と思う。 そんなこんなでゼロや負の数...
代数の歴史について、古代から現代までの歴史について解説している。 古代の代数はバビロニアの粘土板から、どうやら1次方程式や二次方程式について知られていたようだ。 現代のようなゼロ、負の数そして無理数も考えられていないときにどうやって解いたの、と思う。 そんなこんなでゼロや負の数、無理数が出てくるわけであるが、複素数はかなり長い時間がかかった。それらの発想によって対象となっていた数学は、方程式の解法である。 一次方程式はax-b=0と記載され、これは大体の人が解けるだろう。 次は二次方程式ax^2+bx+c=0でこの解は、中学生のときに学んだ解の公式を使う必要がある。 三次、四次方程式の解の公式も存在はするのであるがかなりややこしい。 というように、方程式には解の公式があると思っているのであるが、実は五次以上の方程式には解の公式は存在しない。(足し算や引き算や割ったり掛けたり平方根をとったり等の四則演算くらいで書ける解の公式はない) なんで五次になると途端に解の公式がなくなるのか、と不思議に思えるがそこらへんの歴史は本書に譲るとして、現代の代数学は極めて高度に抽象化され、一般人にはなんのこっちゃ、となるので現代代数学の記述はそれほど多くはない。 が、読み物としては面白いのでおすすめ。
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代数学(Algebra)の発生から関わった数学者たちの歴史をたどりながら、その発展や広がりを概観する内容で、有名無名(って私が知らないだけかもだけど)な数学者たちの仕事を追っていく文章が基本で、数式はついてるけど理解しなくてもだいたい問題なく読める。
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代数とは、簡単に言うと方程式を解くこと。2000年以上前から、x - 1 = 7のような方程式は解かれていたらしい。ここから、x + 1 = 0のような方程式を想像することは現代人にとっては易しい。しかし、負の数を知らない古代人には、これを説くことは不可能。解無しとした。この数百...
代数とは、簡単に言うと方程式を解くこと。2000年以上前から、x - 1 = 7のような方程式は解かれていたらしい。ここから、x + 1 = 0のような方程式を想像することは現代人にとっては易しい。しかし、負の数を知らない古代人には、これを説くことは不可能。解無しとした。この数百年後、この方程式を解くために、人類は、自然数を整数に拡張に拡張した。これによってこの方程式に解を与えることが出来た。 次は、x^2 = -1。負の数×負の数は、正の数であることは、当時の数学者でも知っていた。であれば二乗が負であることは当時の数学の常識上矛盾している。ということで、当時はこれも解無し。こんどは数百年もまつことなく、あっさりと虚数iを導入し、実数を複素数に拡張。これによりこの方程式も解を持つことが出来た。 この複素数を手に入れたことで、それまで解無しとしてきた代数方程式を解くモチベーションが高くなった。そして2、3、4次方程式の一般解(2次は、中学で習う。すごく簡単)が発見される。5次は? これを解くために(もしくは、一般代数方程式を解くために)、人生を棒に振った人もいた。しかし、残念ながら5次以上の代数方程式には一般解はない。この研究の過程で、かの有名なガロア理論が発見される。 この先にも、環の発見や、私が大学院のときに散々論文を読んだネーター(この人は超一流数学者でかつ、女性。同僚からは、「ネーターが一流であることは保障するが、女であることは保障できない」といわれていた)にまつわる逸話などさまざまな代数的イベントが紹介されていて、すごく面白い。数式も少ないので、数学素人でも読める。
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代数の歴史を数学者のエピソードを取り上げて紹介している。また、「数学の初歩」として話題の対象の代数のイメージをより理解できるようにコラムで取り上げている。でも、抽象代数はなかなか難しいものだな。
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151226 中央図書館 群・環・体の概念がどのようにして生まれ、どのような分野で用いられているかについて、難しい仕掛けをあまり用いずに、うまく説明している。
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講師に行っている日大の先生の研究室から拝借。 この本は代数寄りの話題で書かれた数学史として読めます。 私自身は数学が得意ではないので、第3部に入って近代の数学の話になるとだいぶ怪しい感じでしたが…。 小中高大と学んだ過程が、過去の数学者たちが拓いた道に沿っていることがよく分かるも...
講師に行っている日大の先生の研究室から拝借。 この本は代数寄りの話題で書かれた数学史として読めます。 私自身は数学が得意ではないので、第3部に入って近代の数学の話になるとだいぶ怪しい感じでしたが…。 小中高大と学んだ過程が、過去の数学者たちが拓いた道に沿っていることがよく分かるものでした。
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数学史としてはソートイ氏の本に及ばないし、代数の説明にしては対象読者層をどの辺に置いているかも分かりづらかったり 若い理系の大学生の夏休み辺りに手に取られるべき本だとは思うのですが、私のための本ではありませんでした
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紀元前2000年から現代までの代数の歴史を記した読み物。個々のトピックをある程度知っている人にとっては、それらが発見されるにいたった歴史的な経緯やつながりが明快になるよう、構成や記述が工夫されている。日本語訳も読みやすいし、数学的な厳密さを損なっていないところは素晴らしい。ただ、...
紀元前2000年から現代までの代数の歴史を記した読み物。個々のトピックをある程度知っている人にとっては、それらが発見されるにいたった歴史的な経緯やつながりが明快になるよう、構成や記述が工夫されている。日本語訳も読みやすいし、数学的な厳密さを損なっていないところは素晴らしい。ただ、取り扱っている内容はかなり専門的(ヒルベルトの零点定理、ネーターがまとめたイデアル論、ザリスキーの代数幾何、グロタンディークのスキーム論と代数多様体まで含まれる)であり、それなりの教育を受けていないととても読めるとは思えないので、あまり人には薦められない本。邦題で一般書を装っておいて、一般人がうっかり買ってしまいそうなところは少々阿漕だと思える。
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なるほど、わからんw。 でも、綴られている数学史や数学者達のエピソードは「へえ~」と楽しめた。 フラットランド行ってみたい。
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