ヘルマフロディテの体温 の商品レビュー

小島てるみ【著】

2023/02/20

「欲しいのは真実ではなく、真実だと感じさせてくれる途方もないおとぎばなしだ」
読む人によってどの登場人物に感情移入するかが明確に分かれるようですが、私は教授の台詞がとても印象的でした。

2019/09/21

両性具有。インターセックス。こういう描き方もあったのか。読みやすい物語形式。ファンタジーだが時々リアル。

2017/01/12

ギリシャ神話やイタリアの歴史や…遠い世界の話がだんだんと現在に近づいてくるような不思議な感覚で読んだ。この話のオチはどう繋がるのか、全く予測不可能で視点が定まらず読んだのだけど…最後まで読んで唸ってしまった。心に残る美しい文章を何度も読み返した。素晴らしいとしか言いようがない。

2016/07/14

よくぞここまで！　と、拍手喝采、大絶賛を送りたい。

両性具有、異装、同性愛、など、ともすればひとりよがりになりがちなテーマを、
ローマという特殊な舞台を使うことにより緩和。
それなのに普遍性を感じさせるのは、登場人物たちが無駄に幸福や不幸にわれを忘れることなく、淡々と生きているせいだろう。

主人公および人々のつむぐ物語それぞれにクライマックスがあるためか。
主人公自身のストーリーにクライマックスはない。
苛烈な愛や拒絶もなく、暖かささえ感じられる。
そこに作者の優しさを見ることもできるし、激烈なものを持ち得ないある種の寂しさを読むこともできる。
それは小説の中だけでなく、読み手の人生と相似しているともいえる。

へたくそにしかいえないが、とにかくすごい小説。
よくぞここまで。

2016/05/15

主人公は女装常習者ですが、この話の中で主人公が女装してなにかがおきるというのは最初だけです。
それ以降は教授に課せられた課題をこなして、自分と向き合う話でした。
何本か主人公が書いた、作中作の短編が面白かったです。
キャラクタ同士の絡みを期待している方は満足できないかもしれません。

2014/12/07

女装する男たち、去勢する男性歌手、生まれつきの半陰陽……両性具有……テーマがすげえ……
これもスッゴい好きな雰囲気でした……
強姦とかは怖いし悲しいけど……

人は結局、性別とかそういうものを超越した存在に惹かれるのだ……

2014/03/12

ハマる人はずっぽりハマる世界観。
この手のモチーフは、小説そのものが「雰囲気負け」してしまうところがあるが、この一作は面白かった。
創作中創作の部分も、これだけ端からドラマチックなテーマを扱いながらも、作家本人の創意に読ませるものがあって、非常に力強かった。

キャラクターもとてもいい！教授素敵。

2014/03/12

友人蔵書
内容が面白く、文体は耽美ではないけれども非常に読みやすかったため、むさぼるように一気読みしてしまった
両性具有のお話
本当に平易な文で書かれているのですらすらと読め、物語に入り込みやすかった

2014/12/05

美しくて詩的な言葉選びと物語でした。装丁もいいなあ！好きな人は嵌ると思われる、この少女漫画みたいな雰囲気。
さらさら読めるけども、自分を振り返ったり。今までからだを改めて意識することはなかった。

2013/12/29

　面白かった。
　想像してたのとちょっと違ったけど。
　話の中に話がある、変わった構成だった。

　なんていうか、変身願望みたいなものって、
　誰にでも少しはあると思うのだけれど、
　やっぱりそういう行動にはそれなりの
　理由が伴うものなのだと実感した。

　「温度の違う個体がとけ合う」って表現が
　いいなと思った。