怪奇クラブ の商品レビュー
ラヴクラフトが賞賛していただけあって、マッケンのこの「怪奇クラブ」には異次元恐怖の描き方が素晴らしく、これが後にクトゥルー神話の発想へ繋がる種となったんだろうな、というテイスト満載。 また、マッケンがスティーブンソンの作品(おそらく「新アラビア夜話」)からインスパイアされて本作の...
ラヴクラフトが賞賛していただけあって、マッケンのこの「怪奇クラブ」には異次元恐怖の描き方が素晴らしく、これが後にクトゥルー神話の発想へ繋がる種となったんだろうな、というテイスト満載。 また、マッケンがスティーブンソンの作品(おそらく「新アラビア夜話」)からインスパイアされて本作の構成を考えたのもとてもよくその影響度合いが分かる……。 小さな物語の連なりが最後に見事な円環になっておりました。 同時収録の「大いなる来復」は第一次大戦中の頃に書かれた作品で、「怪奇クラブ」とはまたテイストの変わった作品。聖杯の奇跡をモチーフにしたもの。
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「怪奇クラブ」、いまいち。「黒い石印」はタネ明かしの部分がカタカナ表記になっているので(一部候文)読みづらかった。解説にもあるが、マッケンの小説は古代の神々や精霊は今も森や山奥に存在していて人間を弄び、好奇心からその正体を知ろうとする者を破滅させる、そういう話ばかりという印象。「...
「怪奇クラブ」、いまいち。「黒い石印」はタネ明かしの部分がカタカナ表記になっているので(一部候文)読みづらかった。解説にもあるが、マッケンの小説は古代の神々や精霊は今も森や山奥に存在していて人間を弄び、好奇心からその正体を知ろうとする者を破滅させる、そういう話ばかりという印象。「大いなる来復」は私小説風というかルポ風というか、こちらの方が小説よりよりリアルに怪奇を感じられるように思ったが話自体が面白くない。平井訳、読むの結構骨が折れる。
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読みづらさが先行してしまったのでこの評価。 まさにロンドンで起きる不思議物語というのが しっくりくると思います。 表題作がこの作品のメインで もう1つの作品は怖いというよりも なんかいろいろ起きるな、という印象でした。 表題作はね… 「関わっちゃいけないもの」に 関わってしまったがゆえに破滅した人も出てきます。 一応真相部分は神秘的な何か、ですが 多分ドラッグの類なのでしょうね。 なんとなくハッピーホワイトパウダーに 似ているんですよ、作用が。 ただし…読みづらかった!!
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物書きのダイスンが夜中の散歩中、出くわした男が投げ捨てた珍奇な金貨を拾ったことが発端だった。その夜を境に、ダイスンと友人のフィリップスの元に男または女が現れては、不気味な話をして去っていく。彼らに不信感を抱くダイスンだったが、居酒屋で拾った手帳から真相を知り、フィリップスを連れ...
物書きのダイスンが夜中の散歩中、出くわした男が投げ捨てた珍奇な金貨を拾ったことが発端だった。その夜を境に、ダイスンと友人のフィリップスの元に男または女が現れては、不気味な話をして去っていく。彼らに不信感を抱くダイスンだったが、居酒屋で拾った手帳から真相を知り、フィリップスを連れて郊外の荒屋敷に赴くのだった。はたして不気味な話をする男女の目的とは――? ラヴクラフトが讚仰し、後にクトゥルフ神話と呼ばれるようになる創作に影響を与えたマッケンの作品集。複数の短編で構成された表題作の他、イギリスはウェールズにある田舎町で起きた奇跡の物語『大いなる来復』を収録。 以下、ちょっとだけネタバレありの各話感想。 --------------------------------------------------------- 『暗黒の谷』 職を求めてロンドンを訪れたウィルキンズは、そこで秘書の求人に応募して採用される。雇い主のスミスは彼を連れてアメリカ西部の田舎町に赴く。はたしてスミス氏の目的は――。 (「うまい話には裏があるぞ」という話。しかしながら「貧すれば鈍する」という言葉があるように、追い詰められている時には気づき難いものでもある。) 『黒い石印』 職を求めてロンドンを訪れたラリーは、そこで幸運にも大学の教授に拾われて秘書に採用される。ある日、雇い主のグレッグ教授は突然にイギリス西部の片田舎に居を移す。そこで新たなお手伝いとして雇われたのは、どこか異質な所がある少年だった――。 (太古から山奥に隠れ棲む妖精族と、その血をひく子に隠された悍ましい真性を描いた怪奇短編。直接的な描写はせず仄めかしに徹しているが、それでも当時の人々からすれば相当なショックを受けたであろう、独特の妖しい仕上がりになっている。恐らくだが、ラヴクラフトの『ダニッチの怪』には本作の影響もあるだろう。) 『装飾的妄想(または鉄の乙女のはなし)』 反物屋のバートンはその日、最終の汽車に乗りそこねてしまい、真っ暗な通りを歩いていると、顔見知りのメシアスに出くわす。メシアスの温情から彼の家に泊まることになったバートンだったが、彼の家には如何わしいコレクションで溢れていた。そこで目についたのは、青銅でできた見事な裸婦像だった――。 (いわゆる「自業自得」な話。注意書説明書の類はきちんと読みましょう。) 『白い粉薬のはなし』 ライセスターの元に、弟で大学を卒業したばかりのフランシスが帰ってくる。弁護士を目指して勉強に励んでいたがフランシスだが風邪をひいてしまい、医者の処方を近所の薬屋で調合してもらって服用する。しかし、それを期にフランシスの様相が一変してしまう。一体彼の身に何が起きたのか――。 (薬剤師のミスにより出来上がった退廃の薬に耽溺した者の末路を書いた短編。その結末はLSDの幻覚作用を彷彿とさせ、また映画好きが読めば『吐きだめの悪魔』を思い出すだろう。) <総括> 訳者の平井氏は解説で「(本作でマッケンは)怪奇小説というよりはミステリ小説を書きたかったのでは」と私見を述べているが、私は真逆の私見で、本来は怪奇小説の短編集を構想していたが、前作『パンの大神』への酷評を受けて、本作で語られる物語は詐欺師の作り話であるというミステリ風仕立てに変更したのだろう、と考えている(結局これも非難轟々だったが)。さて、あなたの私見は? 『大いなる来復』 イギリスはウェールズにある田舎町ラントルサント。そこで「いちじるしい出来事」が起きたという記事が新聞に載る。興味を持ったわたしが現地に赴くと、そこで見聞きしたのは住人に起きた奇跡の数々だった――。 (どこにでもあるような田舎町で突然奇跡が起き始め、突然と鎮静していった事態を、第三者視点から描写した中編。これを反転させればまんま同作者の作品『恐怖』になる。何も解決しないまま終わるのがなんとも実話風。)
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物語の構造がややこしく、たくさんの名前が出てくるため混乱してしまった。 冒頭に男女の三人組が出てくるが、三人組はとある秘密結社(おそらくそれがタイトルになっている「怪奇クラブ」なのだろう。ちなみに原題を訳すと三人の詐欺師となり、三人組のことを指していると思われる)に所属しており、秘密結社を抜けた眼鏡の男を探している。 売れない小説家ダイスンは眼鏡の男が逃げているところを目撃し、眼鏡の男が落とした貴重な金貨も拾った。 男女三人組は眼鏡の男を追うために、ダイスンとその友人チャールズそれぞれと偽名を使って接触し、眼鏡の男を探す理由をでっちあげて話す。 つまり物語に出てくるたくさんの名前の殆どは三人の詐欺師のでっちあげた名前のためにほとんど覚える必要は無いということだった。 そのでっちあげの話がこの話のメインとも言える。幽霊のように消えてしまった弟とか、弟がサバトに使われた薬を間違って飲んでしまったため溶けてしまったが自分が殺したと疑われており、眼鏡の男は自分を狙っている探偵だ、など、作り話なのにとても奇妙である。 ダイスンは最後にメガネの男が連れ去られるのを見てしまい、眼鏡の男が落とした手帳により真実を知る。 そして物語は冒頭に戻り、眼鏡の男を見つけ出し人仕事終えた三人の詐欺師の会話シーンに戻ってくる。
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怪奇な要素はあるけれど。ホラーというよりは幻想小説。なんともいえず不気味な雰囲気が漂う作品です。 各登場人物によって語られる奇妙な話。それが次々と連なり繋がっていくように思えるのだけれど、その結末は……というと、ここで終わりなのっ!? という印象でした。ある意味ぜんぜん解決してい...
怪奇な要素はあるけれど。ホラーというよりは幻想小説。なんともいえず不気味な雰囲気が漂う作品です。 各登場人物によって語られる奇妙な話。それが次々と連なり繋がっていくように思えるのだけれど、その結末は……というと、ここで終わりなのっ!? という印象でした。ある意味ぜんぜん解決していないし、いったいどういうことだったのかがとっても大きな謎なのですが。それがこの作品の読み口なのでしょうか。
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・怪奇クラブ ・プロローグ ・金貨奇譚 ・街上の邂逅 ・暗黒の谷 ・兄の失踪 ・黒い石印 ・小さな酒場での出来事 ・装飾的妄想 ・ベイズウォーターの市隠 ・白い粉薬のはなし ・クラークンウェルの不思議な出来事 ・眼鏡をかけた若い男のはなし ・荒れ屋敷の怪事 ・大いなる来復 1怪異の流言 2天国のかおり 3秘境の秘 4鐘の声 5火の薔薇 6オーエンの夢 7聖杯の弥撤
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ティベリウス金貨、裏には半人半羊の牧神の姿が精密に彫り込んである。この世にただ1枚残され、所有者に災いをもたらしてきたという。金貨と見え隠れする謎の男を巡って、文士ダイスンはロンドンの街を徘徊する。スティーブンソンの『新アラビア夜話』のようにいくつかの話が差し込まれている。「黒い...
ティベリウス金貨、裏には半人半羊の牧神の姿が精密に彫り込んである。この世にただ1枚残され、所有者に災いをもたらしてきたという。金貨と見え隠れする謎の男を巡って、文士ダイスンはロンドンの街を徘徊する。スティーブンソンの『新アラビア夜話』のようにいくつかの話が差し込まれている。「黒い石印」「鉄の乙女」「白い粉薬」が素晴らしい。ラストでダイスンは頭の中に電光が走り全てを理解するが、漫然と歩き回っているだけなのが面白い。プロローグとラストは繋がり円環となった物語は完結する。 訳者は平井呈一で、『怪奇クラブ』と『大いなる来復』を収録。原題はTHREE IMPPSTORS GREAT RETURN で「アーサー・マッケン作品集成2」の『三人の詐欺師』だった。『怪奇クラブ』のみ読んだ。『大いなる来復』は「アーサー・マッケン作品集成3 恐怖」で読むつもり。
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イギリスの小説家Arthur Machenが1895年に発表した"怪奇クラブ"と1915年に発表した"大いなる来復"の2作品が収録されてます。発表当時、ロンドンでは彼の作品は不道徳であるとして激しい批判を受けましたが、アメリカを中心に怪奇小...
イギリスの小説家Arthur Machenが1895年に発表した"怪奇クラブ"と1915年に発表した"大いなる来復"の2作品が収録されてます。発表当時、ロンドンでは彼の作品は不道徳であるとして激しい批判を受けましたが、アメリカを中心に怪奇小説の古典として評価されています。特にクトゥルフ神話で有名なラヴクラフトは彼を高く評価しています。どちらも連作形式で書かれた作品で、始めのうちは話のテンポについていきにくかったのですが、バラバラの怪奇譚が徐々に集まり、最後に一本に繋がった時には時に思わずゾクリとしました。
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何と言うか、魅力的な世界でした 様々な色のグラレーションが重なり合って初めてこの本の世界に生存が赦されているというか… 最後まで読んで思わず最初の部分を読み返してしまいました 何と言うかそっちの方が怪奇的な部分がより楽しめるかも? そういえば、私って翻訳というと文学作品とSF...
何と言うか、魅力的な世界でした 様々な色のグラレーションが重なり合って初めてこの本の世界に生存が赦されているというか… 最後まで読んで思わず最初の部分を読み返してしまいました 何と言うかそっちの方が怪奇的な部分がより楽しめるかも? そういえば、私って翻訳というと文学作品とSF位しか縁がなかったんですけど、海外の労働者、その日暮らしをしている彼らの言葉を表すには所謂今使っている言葉ではなく何とも蓮っ葉?要するにそっちの生活の雰囲気を表すには江戸っ子でぃ!みたいな翻訳しかないのかなーとふと考えました
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