緋文字 の商品レビュー

ナサニエル・ホーソーン(著者)

2009/11/29

女三界に家なしと言う。
女は馬鹿に生まれた方が幸せだと言う。

女にとって生きる場所は、自分を愛してくれる男、自分が愛する男の側を置いて他にないのか。

そうであるとき、男もまた同時に生きる場所などないのではないか。

人間が生きていることはそも重責なのか。

ヘスター・プリンが賢いのか馬鹿なのか、幸せなのか不幸なのか
私にはわからなかった。

幼いパールとの対照が眩しい。

2009/10/04

名前で読み始めて面白かった。
この作家さんの短編に毒娘だったか毒姫だったか、そういうタイトルの話があってすごく印象に残ってます。
違う人だったらすいません。

2009/10/04

前期レポートの課題図書。
「人間性の問題を象徴的に浮かび上がらせた心理小説」なるものだそうで。
最初は取っ付き辛そうだったのですが、これが中々面白い。

ヘスター・プリン（恐らくは未亡人）は父なし子のパールを産んだカドで公衆の面前で晒し者になる。更には 緋色のＡ(Ａdultery:不倫の頭文字）の文字を一生衣服に付けるように言いわたされる。
彼女の不倫相手とはアーサー・ディムズデール。清廉潔白な牧師であり、皆から愛されている存在。
へスターと以前暮していたロジャー・チリングワース老医は、パールの父親を探し出し破滅させようと目論む。
この4人を中心とし、物語は織られてゆく。

誰がこの物語の主人公なのかは恐らく人によって違うであろう。
へスター・プリンの生き様。
アーサー・ディムズデールの魂の救いの模索。
ロジャー・チリングワースの沈みゆく狂気。
それともパールの生い立ちについてか。

こちらの本は文字と文字の対応関係が美しい。
表現の一つ一つが絶妙に絡み合っている。
読んでいる途中で、思わず唸ってしまうほど。
アメリカ文学の最高傑作と呼ばれるだけのことは、ある。

「暗い色の紋字に、赤い文字A」