マオ 誰も知らなかった毛沢東(上) の商品レビュー
上下とも一気に読了した。迫力があり、毛沢東の知られざる側面が暴かれており、衝撃的だった。この本を読むまで漠然と中国で共産主義革命を成し遂げた偉人と思っていた。長征で延安にたどりつくまで、四川省の山奥を逃げ回り大変な苦労をしたと思っていたが、毛沢東やその仲間達、更にはその情婦まで含...
上下とも一気に読了した。迫力があり、毛沢東の知られざる側面が暴かれており、衝撃的だった。この本を読むまで漠然と中国で共産主義革命を成し遂げた偉人と思っていた。長征で延安にたどりつくまで、四川省の山奥を逃げ回り大変な苦労をしたと思っていたが、毛沢東やその仲間達、更にはその情婦まで含めて共産党の幹部連中は、大変な山道をハンモックに担がれて読書しながら優雅に進んでいた事を知り驚いた。その後も、人民虐殺を繰り返し、平然と繰り返しており、毛沢東というのは人格異常者であると思った。スターリンの数千万人の虐殺やポルポトなど数百万の虐殺、これに毛沢東の7000万人虐殺を考えると、読了後の感想は、共産主義の本質は国民の虐殺にあると思った。一旦共産党独裁になってしまうと、反対者を虐殺しまくる以外に方法がなくなる。このことは、北朝鮮のキム一族の独裁の凄まじさも考えると日本共産党は存続させるべきではないと思う。オーム真理教と同様に徹底的に解体すべき。見かけのソフト路線にだまされてはいけない。山本太郎の様なアジテータにだまされてはいけないと思う。この本は共産党独裁の恐ろしさを具体的に示してくれた。高く評価する。
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「ワイルド・スワン」の著者ユン・チアンによる毛沢東の伝記。上巻だけで562ページの大作。メモを取りながらゆっくり読んでいたら2年かかった。 10数年にわたって行われた数百人の関係者へのインタビューと、多くの原資料をもとに構成されている。 上巻は、他に類をみない残虐で無慈悲なエ...
「ワイルド・スワン」の著者ユン・チアンによる毛沢東の伝記。上巻だけで562ページの大作。メモを取りながらゆっくり読んでいたら2年かかった。 10数年にわたって行われた数百人の関係者へのインタビューと、多くの原資料をもとに構成されている。 上巻は、他に類をみない残虐で無慈悲なエゴイストである毛沢東が、いかにして中国共産党を確立し、国共内戦に勝利し、中華人民共和国を建国していくかまでをカバー。 人心を恐怖で掌握する手法は、こんなおぞましい人間がいるのかと思うぐらい気持ち悪い。 国民党との内戦に勝利し、蒋介石一派が台湾に移った1949年の時点で中国共産党の支配地域の人口は1.6億人だったらしいが、人口の10%を「地主」と想定し、人民相互間のリンチや公開処刑を奨励したという。首都北京だけで公開処刑が3万回以上実施。このあとの下巻で大躍進政策や文化大革命が出てくるわけだが、当時に比べれば現代中国の人々の生活は天国のようなものだろうということがよく分かる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
2005年刊。上下巻中の上。◆中国四川省出身・紅衛兵の経験ある著者が、十余年に亘り調査し、数百人に及ぶ関係者へのインタビュー、新規史料(毛沢東の2番目の妻の記録、中ソ間の未公開通信、アルバニア保管の資料等)を踏まえ、毛沢東の実像、中国共産党の成立過程・権力闘争、関係各国の外交等を描く。叙述時期は、1893年毛沢東誕生から、毛による大陸支配が完遂した1953年まで。◆なんとも評価が難しい。従前「毛沢東秘録」を既読していたので、独裁者毛の狂気に満ちた恐怖政治の実情、共産党内部の凄惨な権力闘争は、ある程度認識。 そのため、毛沢東の支配の凄まじさは「毛沢東秘録」を読んだ時ほどの衝撃がなかったことは否めない。もっとも、かなり詳細に書き込んでいるので、中国共産党の伸張過程(特に戦前期)、権力掌握にあたり毛沢東が徹底してスターリンの助成を求め、尻尾をふっていたこと、日中戦争における共産党の消極的対応とその結果としての日本陸軍の鉄道・都市支配の実現等、興味深い箇所は多い。 他にも、スターリンや毛沢東、蒋介石の虚々実々の外交交渉、徹底したプラグマティストとしての毛沢東の有様、日中戦争を国共日の三者の戦争と看破していた毛の慧眼、国民党への共産党スパイの浸透に対する蒋介石の甘さ等の詳細な叙述は見所満載だ。しかし、本書がどの程度一次史料を精査し、裏付調査したかは疑義がある。 例えば、張作霖爆殺事件について、本書はスターリンの指示のもとでソ連工作員が行ったと指摘するが、その説明が一行だけで済まされている。日本陸軍が引き起こしたとされるこの事件は、当時の田中義一内閣倒壊の遠因となり、昭和天皇を巻き込む大事件となったものである。これを引き起こしたのがソ連工作員とする根拠をソ連史料とするだけでは説得力に欠ける。 このように日本で相当議論されてきた問題について、十分な説明もなく、クロスリファレンスをしたかどうかもわからず、具体的な理由付けや叙述がない以上、本書における史料検討の甘さ、不十分さの疑念を払拭できないのだ。もちろん、本書の濃密な記述を直ちに否定するわけではないが、かといって鵜呑みにもできないアンビバレンスな状態に陥っている。その意味で、大変残念といわざるをえない。
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7000万の中国人を死に追いやった最悪の人物としての毛沢東。 何でこの男一人にこの大国が振り回されてしまったのか。得てして徳のない人物が歴史の勝者になってしまうのはなぜか。ひどく単純にしか思えない横暴に中国3000年の歴史が無力だったのはなぜか。あるいはこういった極悪非道がこの...
7000万の中国人を死に追いやった最悪の人物としての毛沢東。 何でこの男一人にこの大国が振り回されてしまったのか。得てして徳のない人物が歴史の勝者になってしまうのはなぜか。ひどく単純にしか思えない横暴に中国3000年の歴史が無力だったのはなぜか。あるいはこういった極悪非道がこの時代の中国には必要だったのか。今の中国政府は毛沢東の体制を基本的に引き継いでいるのか。とてつもない恐怖が加わると政治力学はどういう振舞いをするのか。 考えてみなければならないことがたくさん。 作者のユン・チアンは「ワイルドスワン」を読む限り毛沢東には「恨み骨髄」であることは確かだと思うが、それにしてもこの著書はすごい爆発力だ。
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上下巻で1000Pを越えるボリュームながら、非常に読みやすくさらっと。 訳もよいのでしょうが、時系列でわかりやすく、上質のノンフィクションです。 そして史料を丁寧に読み込み、“事実”を“真実”として昇華しているのが見てとれ、 とても説得力のある真に迫ってくる内容でした、歴史学の...
上下巻で1000Pを越えるボリュームながら、非常に読みやすくさらっと。 訳もよいのでしょうが、時系列でわかりやすく、上質のノンフィクションです。 そして史料を丁寧に読み込み、“事実”を“真実”として昇華しているのが見てとれ、 とても説得力のある真に迫ってくる内容でした、歴史学の在り様の一つとも感じます。 それだけに、、読み進めていくうちに、冗談ではなく、、 “吐き気”をもよおした場面が数多くありました、コレは一体「人」なのか、と。 “(吊るされた)彼女はブラウスを脱がされました。 赤ちゃんを産んだばかりで、彼女の胸からは母乳がぽたぽた落ちてました。 赤ちゃんは泣きながら地面を這い回り、母乳をなめようとしました。” 共産主義とか帝国主義とか、独裁とかファシズムとか、民主主義とか、、 “人”の生みだしたイデオロギーの衝突云々、それ以前の問題である。 どこまで「残酷」になれるのか、ここまで「心」を捨て去ることができるのか。 生命だけではなく、尊厳も文化も、自我さえも、全てを侵しつくせるものなのか。 その“全てを奪った”対象は“27年間で7,000万人”にも及んだと、言われています。 イギリスで出版されたとのことですが、世界に衝撃を与えるわけです。 ソ連崩壊後に流出した資料をベースにしているだけあって、事実性も高そうで。 よくもここまで、拷問の方法を思いつくと、 よくもここまで、人の生命を尊厳を踏みにじれるものだと、、 これを読んでもなお、「毛沢東」に心酔するのであれば、もはやそれは人ではない。 言葉すら通じるとはおもえない、、文字通りのケダモノだろうと、怒りと共に。 そして今、共産中国ではこの毛沢東のあり様が再評価されているとのことです。 事実だとしたら恐ろしい、チベットやウイグルはどうなっているのか、と痛感します。 ソ連崩壊から20年が過ぎ、、ヴェノナ文書などによる赤化具合も明らかになりつつ、 戦後の国際政治史の流れに一石を投じてた一冊に数えられるかと。 今後10年ほどで、戦後レジームの歴史への転化が始まるのではないか、とも期待を込めて。 本書は2005年の本とのことですが、文庫にも落ちずに絶版となってしまっているとのこと。 私は図書館で借りて読みましたが、古本で見つけたら買っておきたいですね。 それにしても、恐怖による支配、洗脳による白痴化、人間性・教育の否定、、 アサヒに代表される日本のアレなマスメディアにも共通しますね、なるほど。
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残酷さが甚だしいこともあり、下巻は挫折している状況。 とはいえ、常識だった歴史(もしかして本書の評伝も)が恣意的であることをまざまざ見せつけられる作品。
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ユン・チアンは、中華人民共和国で初めてイギリスで博士号をとったと経歴にかいてあるが、職業が不明。仮名かもしれない。 この本自体は、『謎解き張作霖爆殺事件』の参考文献でしった。なぜか絶版。 中身は、最初にある毛の若いころの写真を初め、興味ある事実ばかり。 ただし...
ユン・チアンは、中華人民共和国で初めてイギリスで博士号をとったと経歴にかいてあるが、職業が不明。仮名かもしれない。 この本自体は、『謎解き張作霖爆殺事件』の参考文献でしった。なぜか絶版。 中身は、最初にある毛の若いころの写真を初め、興味ある事実ばかり。 ただし、著者のスタイルが、事実の根拠を明らかにしない物語風のノンフィクションなので、その点は注意してよむ必要がある。 (1)毛の長征は、蒋介石が子供をソ連に人質に取られていたため、加減したのと、自分の勢力下にない中国南西部を共産党を追伐する名目で侵攻するために、わざと、国民党軍の包囲網をあけておいたこと。 (2)日本の敗戦のあと、当初は、国民党軍が優勢で共産党軍を圧倒しかかったところに、蒋介石嫌いで左翼にシンパシーのあるマーシャルを初めとする米国が、蒋介石の攻撃にストップをかけたため、その間にソ連の支援を受けた共産党軍が体勢を持ち直したこと。 (3)毛は、長征の途中で共産党のトップの座を手に入れたが、その手法は、わざと会議の日程を直前に早めて自分の思うとおりに決定したり、ライバルの軍をあえて困難な進路をとらせたり、謀略の限りをつくしたこと。 そのほか、毛が何度も結婚し、妻や子供を見殺しにしたエピソードなど、悲惨な情報にあふれている。 年末によむにはげんなりだが、毛の初期の姿は、まさに、北朝鮮の金日成、金正日とそっくり。もちろん、事実は、北朝鮮の金父子が毛をまねたのだろう。 絶版になったのが惜しい本です。引きつづき下巻を読みます。
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圧倒的な分量。読むほどに湧き出る毛沢東への嫌悪感。上下を読み切るのは至難の技。当時の社会を知るのに良い。
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「墓標なき草原」読後、文革、毛沢東、中国共産党について読み直している。 共産主義には暴力は不可避なのだろうか…スターリン・毛沢東・連合赤軍… 前回印象に残らなかった、遠藤教授の長春封鎖作戦が登場
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とてもわかりやすく書かれていてすらすら読めます 信ぴょう性についてはまったくわからないので書きませんが作者が同時代に生きていたというのは大切なことだと思います 第二次世界大戦が終わった後も世界に中国の状況が知らされていなかったとかほとんど誰も毛沢東の暗殺を考えなかった、で、とんで...
とてもわかりやすく書かれていてすらすら読めます 信ぴょう性についてはまったくわからないので書きませんが作者が同時代に生きていたというのは大切なことだと思います 第二次世界大戦が終わった後も世界に中国の状況が知らされていなかったとかほとんど誰も毛沢東の暗殺を考えなかった、で、とんでもない命令にしたがっていたというのは恐ろしいですね。結局毛は権力を握ることしか考えてなかったと。なんでこんな人間が形成されたのかというのは謎ですね…
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