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肝臓先生 の商品レビュー

3.9

27件のお客様レビュー

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2022/12/14

身体を売りながら逞しく生きる女を描いた「行雲流水」がお話としては一番わかりやすい。 表題作の「肝臓先生」は名医なのか藪医者なのかいまいち分からなったが、仁徳を慕われていたのは確かのようで、散り際も美しかった。

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2022/11/18

坂口安吾は無頼派と呼ばれているが、作品を読むと、ものすごく繊細な人だったのではないかと感じる。人の心の底を覗き込むような、読む人をドキリとさせるような。坂口安吾は、やっぱり面白い。

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2016/08/26

魔の退屈 堕落論につながる思索的随筆。 私は海をだきしめていたい 珠玉。 しかし本書の中では浮いている。 やはり理想的な並びというもよがあるのた。 ジロリの女 ジロリタイプの女にマゴコロで尽くしものにしたいという男の小説。 ラストで俄かに罪と罰式の展開になるが、 もとは自意識...

魔の退屈 堕落論につながる思索的随筆。 私は海をだきしめていたい 珠玉。 しかし本書の中では浮いている。 やはり理想的な並びというもよがあるのた。 ジロリの女 ジロリタイプの女にマゴコロで尽くしものにしたいという男の小説。 ラストで俄かに罪と罰式の展開になるが、 もとは自意識過剰に悩まされた男の話と見るべきだろう。 行雲流水 女のお尻が行雲流水する。 憎んだ女の頭を坊主にする怨念。 これはコント。しょーもなー。 肝臓先生 モデルがいたのね。

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2015/08/12

流行性肝臓炎との闘いは、ある意味戦争との闘い。それでも患者と向き合い、そして戦争の犠牲となってこの世を去る。短編の中に偉大な人物像が凝縮されている。

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2015/03/09

短編集。出始めは読み方が良く分からなく、読みのペースがつかめなかった。無頼派とのことだが、何が無頼なのか小説からは、分からないが、思い出せない漢字はひらがなのままでいいという、この当時の小説家ではあまり言いそうもないことが無頼派か。もっとも無頼派とは私生活のことであろう。表題は、...

短編集。出始めは読み方が良く分からなく、読みのペースがつかめなかった。無頼派とのことだが、何が無頼なのか小説からは、分からないが、思い出せない漢字はひらがなのままでいいという、この当時の小説家ではあまり言いそうもないことが無頼派か。もっとも無頼派とは私生活のことであろう。表題は、ずいぶん前に映画で見たが、小説の方も正体不明の迫力が映画同様であり、読み返してしまった。

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2014/07/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

5編収録の短編集。これといって特に共通するテーマもなく、これといって特にオチもなく、全編主人公の男がうだうだ語るという体なんだけど、冒頭から読者を引き込む語り口の妙味が素晴らしい。ただし、表題作の「肝臓先生」だけは例外で、これはストーリィ、展開、オチ、キャラクタ全てが優れている。今でいう舞城王太郎を豊富とさせる突っ走り文体で語れる肝臓先生の虚実入り混じった(虚はないのか?)逸話は感涙むせび泣くこと必至というのはもちろん言い過ぎだ。伊東市に行ったら、肝臓石を探してみようと思う。それと「行雲流水」もアホらしくて好きだ。

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2014/05/25

『だれかが迷ってくれて、足で歩いて道を作ってくれたから、僕ら迷わず歩いて行けるよ』 安吾、凄まじい。 よかった。 僕が迷うて苦悶してなにかを見つけらたり、なにも見つけられない道だと証明して、後の誰かの道になれば良いと思った。 大先輩に敬愛を捧ぐ。

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2014/03/01

結構えげつない部分もあるはずなのに、そんなものは些末なことだと思わせるのが坂口安吾、という印象がある。 どこかしらに散りばめられた「戦争」にはいつも深く感じ入るのだが、『肝臓先生』はこれまでに読んできたものとは何か違った、一種の感動さえあった。 しかし、短いせいなのか、何度読んで...

結構えげつない部分もあるはずなのに、そんなものは些末なことだと思わせるのが坂口安吾、という印象がある。 どこかしらに散りばめられた「戦争」にはいつも深く感じ入るのだが、『肝臓先生』はこれまでに読んできたものとは何か違った、一種の感動さえあった。 しかし、短いせいなのか、何度読んでも『私は海をだきしめていたい』が記憶に残らないのはなぜだろう。 「毎回新しい気持ちで読める」と言えば聞こえは良いけれど…

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2013/09/05

 わかる部分とわからない部分、共感できる部分と共感できない部分が多い。また、俺はあまり文学作品を楽しめない人間だけれど、感じるところは多かった。  作中に多くあった男女についての考えは、強く印象に残った。自分のことを考えるなら。恋人との肉欲に溺れた経験がなく、ゆきずりみたいな経験...

 わかる部分とわからない部分、共感できる部分と共感できない部分が多い。また、俺はあまり文学作品を楽しめない人間だけれど、感じるところは多かった。  作中に多くあった男女についての考えは、強く印象に残った。自分のことを考えるなら。恋人との肉欲に溺れた経験がなく、ゆきずりみたいな経験しかない自分の歪みを自覚していた。けれど、坂口安吾を読むとそれを歪みと感じるのは、俺の勘違いなのかもと思う。普通の幸せを知らないことを、俺はひどく不幸だと思っているんだろう。 「その程度の差異で」と言われた気がする。人間の歪みとは何なのか、自分にとって重い、通常とされるものとの差異を歪みというのは、中二病の名残でしかないのではないのか。堕落論と併せて考えれば、どれ程差異があろうと、人間に人間を逸脱できるレベルで差異が出るというのは、無理なんではないだろうか。人を殺したとしても、それも人間特有、冷静でなくなり犯罪を行っても、それも人間。逸脱しようとして逸脱しても、それもまたひどく人間臭い。サイコパスも人間だろう。  嫌な奴はどこまでいっても、すげー嫌な奴にしかなれない。駄目な奴はどこまでいっても、すげー駄目な奴だ。そして堕落論ままだけれど、どこまでもは堕ちれない。関係ないけど、今の文壇と過去の文壇の状況は違うんだろうなぁと思った。今のも全く知らんけど。

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2012/07/19

青空文庫で読みました。映画は見てたけど、小説は初めて。結構シュールな話だったんですね。たたかえ、たたかえ、でなぜか「進撃の巨人」を思い出しました。

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