漂泊の王の伝説 の商品レビュー
キンダ王国の王子ワリードは名もない絨毯織りに詩のコンクールで負けてしまう。その腹いせに王子は男に難題をいいつけた。「人類の歴史をすべて織り込んだ絨毯を作るように」と。人の運命は変えることができるのか、を問い続ける男の物語。
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精霊に愛されたかのような良き王子、キンダ王国の王子ワリードの夢は、カスィーダ(長詩)のコンクールで優勝する事。 しかしその夢は、貧しい絨毯織りの詩によって永遠に奪われてしまう。 自らの中に生まれた憎悪にかられるワリード。 彼は自分の運命をも左右する一つの命令を、絨毯織りに与...
精霊に愛されたかのような良き王子、キンダ王国の王子ワリードの夢は、カスィーダ(長詩)のコンクールで優勝する事。 しかしその夢は、貧しい絨毯織りの詩によって永遠に奪われてしまう。 自らの中に生まれた憎悪にかられるワリード。 彼は自分の運命をも左右する一つの命令を、絨毯織りに与える事となる。 《人類の歴史をすべて織り込んだ絨毯》を織り上げること。 それは、決して成しとげられない命令のはずであったが・・・。 自らの過ちに気付くも、すでに取り返しがつかない事もわかってしまったワリード。彼の後悔から始まる、漂泊の人生の物語です。 児童文学というジャンルにくくられるこの作品ですが、大人にこそ読んでもらいたい物語ですね。 この本を読んで、人生の妙、というものを垣間見たような気がします。 ちなみにこれは六世紀に実在したと伝えられる漂泊の詩人、イムルーウルカイスをモデルにした創作物語だそう。 スペインのバルコ・デ・バポール児童文学賞受賞作品。
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大島真理さんの著書に紹介されていて知りました。小学校低学年では自分で読めないので、内容を話しました。登校前の友だちを待つ時間に話しましたが、時間切れになると「続きは必ず帰ってからね」と後ろ髪引かれながら学校へ行っていました。
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嫉妬のために人の人生を狂わせた男の、許しと再生の物語。『われわれはみな、自分のすることに責任がある。よい行いにも悪い行いにも。そして、人生はかならず、おまえのした分だけ返してよこす。』このホジュル王の臨終の言葉がいいですね。
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海外文学苦手の私が面白いと思うんだから、相当面白いと思う。児童書みたいだけど、子供から大人まで、是非読んで欲しい。
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アラビアの砂漠の国の話。物語の土台となっているであろう、慣習や歴史を知らないのがもどかしい。子供の為の啓蒙的な本だろうに、説教っぽくならないのが、とてもいい感じ。
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