大モンゴルの時代 の商品レビュー
一部は非常に面白い。染付けという謎を入り口にして時代の大枠を鮮やかに描き出す。 対照的なのが二部。馴染みのない地名人名の羅列で原稿用紙の升目を埋めているだけにしか思えず、途中で匙を投げた。万人向けの通史の書き手はよく選ばなくてはいけないという好例。
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クビライ・カアンの治世を学ぶならこの一冊。 モンゴルという国の大きさと、その広大な国を治める方法は一読の価値あり!
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元時代の沈没船から20世紀に見つかった夥しい宋銭の話から日本で元の時代に宋銭が普及していたことから始まります。そして大帝国を築いたクビライの世界的な視野。大都の建設。野蛮な大国モンゴルではなく、いかに文化に富み、むしろ前後の宋・明が中華意識を持ちながら発展のなかった時代かを強調し、新鮮な見方でした。そしてロシア帝国、ソ連へと繋がるモンゴルのもたらしたボーダーレスな国家観。中央アジアのウズベク、カザフなどへの影響。モンゴルがイスラム改宗したあとのトルコとの親近性。ティムールを始めとするチンギスの子孫であることが重んじられた時代の長さなど、全く思いもよらないモンゴルと現代の関係を知らされる好著でした。
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世界史は東西を圧倒的な規模で結びつけた大モンゴル・ウルス(帝国)から始まる。遊牧民を”蛮族”としてとらえる歴史観は寂しい。南宋や金帝国をボロクソに言うなど、ニュートラルとはいえない書き方だが、これまでの観方を覆すにはそのぐらい強くいう必要性(ただ、読む側はある程度距離をとるべき)...
世界史は東西を圧倒的な規模で結びつけた大モンゴル・ウルス(帝国)から始まる。遊牧民を”蛮族”としてとらえる歴史観は寂しい。南宋や金帝国をボロクソに言うなど、ニュートラルとはいえない書き方だが、これまでの観方を覆すにはそのぐらい強くいう必要性(ただ、読む側はある程度距離をとるべき)。巨大なウルスが瓦解せず、数百年にもわたって存続し得たのはなぜか(初期の”分裂”と捉えられた現象も、ウルスのシステムを確立していた段階にすぎない)。チンギス・ハンからティムールまで、内陸の激動の歴史を一望。
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