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城下の人 の商品レビュー

4.6

11件のお客様レビュー

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2020/01/28

明治元年に熊本に生まれ、軍人としてロシアにわたり、大正、昭和と激動の時代を生き抜いた著者の手記をまとめた本です。 第一巻となる本書では、武士の家に生まれた著者が、少年時代に神風連の乱や西南戦争を目にしたことや、陸軍幼年学校での体験、さらに日清戦争を経て、日本を脅かすことになるで...

明治元年に熊本に生まれ、軍人としてロシアにわたり、大正、昭和と激動の時代を生き抜いた著者の手記をまとめた本です。 第一巻となる本書では、武士の家に生まれた著者が、少年時代に神風連の乱や西南戦争を目にしたことや、陸軍幼年学校での体験、さらに日清戦争を経て、日本を脅かすことになるであろうロシアを研究することに精力を傾ける若き日の著者の姿がえがかれています。 著者ののこした手記を、子息の石光真人が編んだ本シリーズは、開国と維新という出来事を経て、日本が大きく変化を遂げつつある時代を、当時の人びとはいったいどのように見ていたのかということを知ることのできる貴重なドキュメントといってよいでしょう。

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2017/05/23
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大分長い事本棚で積読状態だったが、少し前にようやく読み終わった。 教科書ではおそらく「西南戦争」と書かれている「西南の役 」を描写した部分が有名な本だとは知っていたが、熊本の往時を知る貴重な本となっている。しかも、子ども時代の出来事なので、その目線から見た一つの市井の人々の暮らしを知る手掛かりにもなっている。 西南の役で焼け野原になった明治時代の熊本城下の写真は見たことがあった。疎開した話も聞いたことがある。それが、この中の描写でいくらか肉付けされていく感覚があった。 後半は、上京し、兵役につくシーンが出てくる。正直、戦場のシーンは複雑な思いを持って読み進めた。 何冊が続くようだけれど、この先を読むかどうかは、機会があればということで・・。

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2017/01/23
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1978年(底本1958年)刊。◆明治元年に生を受けた熊本藩士子息、陸軍軍人(なお、後日、満州・シベリアで諜報活動に従事)の手記。4巻中の第1巻で誕生から明治32年頃まで。少年期における神風連の乱、西南戦争での熊本周辺の模様が生々しい。もちろんそればかりではなく、開明的傾向の強い父の、著者を含む子息らへの訓育、没落士族の授産の実態・嫁取りを含む生活模様、旧士族子弟の教育の在り様、陸軍幼年学校での生活ぶり等、記録書としても重宝する内容が満載。特に、大津事件発覚後の上層部・近衛師団の周章狼狽の描写は秀逸。

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2017/12/20
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 いよいよ ♯西郷ドン 始まりますので、再稿します。⇒現在、2018年大河ドラマの「西郷どん」の放送前に集中的に西郷隆盛周辺を読書中です。司馬遼太郎の「翔ぶが如く」の再読はもちろん、図書館では「西郷隆盛全集全六巻」を借りました。本書は熊本で明治元年生まれの石光真清の手記をご子息が大変読みやすくまとめた伝記で、同時代の人間の考え方がよく分かります。中でも西南戦争の熊本城攻防の当たりは出色です。例えば10才の著者が大砲の陣地で村田新八と出会う場面は映画の名場面のようです。物語は第二巻から第四巻、日清、日露戦争へと進行します。続きも当然期待しています。

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2015/12/15

生誕からロシア留学まで。 最初パラパラめくった時、意外と分量が多く難しいと思ったが非常に読みやすくいつのまにか読了。

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2014/08/08

西南戦争、日清戦争。そしてロシアの足音。帝国主義時代のど真ん中に青春を投じた真清に日本や世界の将来はどのように映ったのか?そしてどんな思いでこの手記を書いたのか?当時の真清と直接会話してみたい。

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2017/05/26

 満洲馬賊は昔もてはやされたことがあった。しかし、それがどのようにして生れ、どんな活動をしていたかについては想像の域を出ず、夢のような絵空事を並べていた年寄りも多かったように覚えている。この書を読んではじめてその実情の一端を知り得たように思う。

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2010/10/04

こういう本が残っていたということを何よりも喜びたい。 まるで小説を読むかのような手記。 それも、ドラマを見ているかのような。 読書の真の愉しみを味わわせてくれる。

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2010/01/15

明治維新の年に熊本藩士の家庭に生まれ、陸軍・諜報活動に生涯をささげた石光真清の手記。本書『城下の人』はその第一冊目にあたり、神風連の乱、西南戦争から日清戦争後の台湾掃討に至るまでの日本近代史が、魅力の語り手を得て生き生きとよみがえる。一級の史料であり、読み物としても十分におもしろ...

明治維新の年に熊本藩士の家庭に生まれ、陸軍・諜報活動に生涯をささげた石光真清の手記。本書『城下の人』はその第一冊目にあたり、神風連の乱、西南戦争から日清戦争後の台湾掃討に至るまでの日本近代史が、魅力の語り手を得て生き生きとよみがえる。一級の史料であり、読み物としても十分におもしろい。  事実と年号の羅列に終始しがちな国際関係史・日本外交史の勉強に立体的な視覚を与えてくれる貴重な本としてもお勧めしたい。

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2009/10/04

明治から大正にかけてシベリアや満州で諜報活動に従事した、石光真清の手記。明治元年から日清戦争が終わるまでを舞台にした、壮大なプロローグ。 生活史としても大変素晴らしく、西南戦争の舞台になった熊本での生活、当時の東京での暮らしやそこかしこに登場する後世まで名を残す人物達との邂逅、日...

明治から大正にかけてシベリアや満州で諜報活動に従事した、石光真清の手記。明治元年から日清戦争が終わるまでを舞台にした、壮大なプロローグ。 生活史としても大変素晴らしく、西南戦争の舞台になった熊本での生活、当時の東京での暮らしやそこかしこに登場する後世まで名を残す人物達との邂逅、日清戦争後の所謂台湾平定における戦闘の描写など見所は沢山ある。 石光真清は秋山真之と同じ年の生まれだけど、石光は陸軍を選んで秋山は海軍を選んだ。2人の生活はどちらかというと石光の方が不真面目に見えるけれど、石光の場合は手記なので真実見がある。坂の上の雲で描かれる秋山の人物像とは一概に比べられない。けれどそこを踏まえて環境や考え方や生活を対比させてみるのもまた非常に面白い。

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