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空海の風景(上) の商品レビュー

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2024/01/04

著者は「こうも想像を抑制していては小説というものは成立しがたい」などと言いながら、ノンフィクションとも小説ともつかない、中途半端な記述に終始している。「小説」と言った時点で、読者としてはストーリーに入り込みたいわけで、いちいち「空海は、あるいは~と言ったかもしれない」調で書かれて...

著者は「こうも想像を抑制していては小説というものは成立しがたい」などと言いながら、ノンフィクションとも小説ともつかない、中途半端な記述に終始している。「小説」と言った時点で、読者としてはストーリーに入り込みたいわけで、いちいち「空海は、あるいは~と言ったかもしれない」調で書かれては、ストーリーに入り込みづらいことこの上ない。興が削がれるのである。 そのくせ空海は"性欲が強かった"だの、"したたかだった"だのという人物像については断定的で、控え目なところがない。著者が「人間空海」を描きたかったのはわかるが、スーパーマンである空海を、かように安易に俗人の"ものさし"でとらえ切れるものだろうか。それこそ密教を「筆授」によって極めんとする愚に近いものではないか。 それでも「小説」だから、著者のエゴの投影だから堪忍して、と言ってくれればまだすんなり許せるのである。ところが上記の通り、「小説」としては非常に微妙な書き方をしているために、引っかかりを感じざるをえない。素直に楽しめないのだ。 ここに書かれた空海は、空海の実像とは大きくかけ離れている可能性がある(その可能性は高いと思う)。それならばエンターテイメントとして、もっと「小説」に徹して欲しかった。まだ(上巻)しか読んでいないが、(下巻)では三流歴史家としてではなく、小説家としての責任を著者に果たしてもらいたいと切に願う。

Posted byブクログ

2023/08/26

空海をテーマにしている。風景と題しているくらいだから「...らしい」が多用されている。平安時代、密教など文化的な内容が多く、正直自分には退屈なだけで上巻が終わった。それでも司馬遼太郎が「日本史上最大の天才」と評するくらいだからと頑張って読み進めているし、時折「おっ」と思う文章はあ...

空海をテーマにしている。風景と題しているくらいだから「...らしい」が多用されている。平安時代、密教など文化的な内容が多く、正直自分には退屈なだけで上巻が終わった。それでも司馬遼太郎が「日本史上最大の天才」と評するくらいだからと頑張って読み進めているし、時折「おっ」と思う文章はある。

Posted byブクログ